《僕はまた、あの鈴の音を聞く》No.25 間違い vol.2
ーピロン
突然、僕の攜帯に一通のメールが屆いた。
(朱莉......?)
『今日、一緒にお弁當を食べませんか?』
特に斷る理由もないので、承諾しておく。
ーピロン
それから數分が経過すると、また一通のメールが屆いた。
相手は、意外にも穂波だった。
『今日、一緒に帰らない?』
(まぁ、斷る理由もないか)
僕は、承諾した。
すると今度は、先程まで神崎と話していたはずの嬉野がメールを返信しているこちらに、興味を持ち出したようで、
「ん?信義君。誰とメールしてるの?」
「ああ、それは......」
僕が答えようとすると、突然嬉野が言葉を遮った。
「あっ!信義君。今日、學校を案してもらってもいいかな?」
昨日から思っていたが、嬉野紬は人の話を聞かないのだろうか?
ーというか......
「學校案?昨日しただろ?」
「まだ一つ教室があるじゃん、それじゃ、今日の放課後よろしくね」
そう言って、何故か紬は教室を立ち去った。
「まぁ、一つだけなら問題ないか」
紬の案を済ませ、その後穂波と帰れば萬事解決。
この時の僕は、そう考えていた......。
【書籍化・コミカライズ】誰にも愛されなかった醜穢令嬢が幸せになるまで〜嫁ぎ先は暴虐公爵と聞いていたのですが、実は優しく誠実なお方で気がつくと溺愛されていました〜【二章完】
『醜穢令嬢』『傍若無人の人でなし』『ハグル家の疫病神』『骨』──それらは、伯爵家の娘であるアメリアへの蔑稱だ。 その名の通り、アメリアの容姿は目を覆うものがあった。 骨まで見えそうなほど痩せ細った體軀に、不健康な肌色、ドレスは薄汚れている。 義母と腹違いの妹に虐げられ、食事もロクに與えられず、離れに隔離され続けたためだ。 陞爵を目指すハグル家にとって、侍女との不貞によって生まれたアメリアはお荷物でしかなかった。 誰からも愛されず必要とされず、あとは朽ち果てるだけの日々。 今日も一日一回の貧相な食事の足しになればと、庭園の雑草を採取していたある日、アメリアに婚約の話が舞い込む。 お相手は、社交會で『暴虐公爵』と悪名高いローガン公爵。 「この結婚に愛はない」と、當初はドライに接してくるローガンだったが……。 「なんだそのボロボロのドレスは。この金で新しいドレスを買え」「なぜ一食しか食べようとしない。しっかりと三食摂れ」 蓋を開けてみれば、ローガンはちょっぴり口は悪いものの根は優しく誠実な貴公子だった。 幸薄くも健気で前向きなアメリアを、ローガンは無自覚に溺愛していく。 そんな中ローガンは、絶望的な人生の中で培ったアメリアの”ある能力”にも気づき……。 「ハグル家はこんな逸材を押し込めていたのか……國家レベルの損失だ……」「あの……旦那様?」 一方アメリアがいなくなった実家では、ひたひたと崩壊の足音が近づいていて──。 これは、愛されなかった令嬢がちょっぴり言葉はきついけれど優しい公爵に不器用ながらも溺愛され、無自覚に持っていた能力を認められ、幸せになっていく話。 ※書籍化・コミカライズ決定致しました。皆様本當にありがとうございます。 ※ほっこり度&糖分度高めですが、ざまぁ要素もあります。 ※カクヨム、アルファポリス、ノベルアップにも掲載中。 6/3 第一章完結しました。 6/3-6/4日間総合1位 6/3- 6/12 週間総合1位 6/20-7/8 月間総合1位
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