《僕はまた、あの鈴の音を聞く》No.27 たった四文字されど四文字。

暗黒質をなんとか胃の中にれることに功した僕は、次の授業までの時間を、木霊朱莉と過ごすことにした......。

「信義さん。一ついいですか?」

「なんだ......」

風が吹く屋上。

冬場ともなると流石に冷え、僕はし震えていた。

それに対し橫の、木霊朱莉は一切の震えを見せず、無表のままだった。

「僕が何のクラスに転校したか、ご存知ですか?」

「......? そういえば、知らないな」

「分かり易く言うと......穂波さんと同じクラスですよ」

「.......!?」

「あっ、それも聞いてなかったんですね」

「ああ、それは知らなかった。というか聞いてなかった。.......でもさ、ふと思ったんだが、何で朱莉は穂波のこと知っているんだ?」

「......」

朱莉は、無表のまま黙り込む。

僕は何故か、とても寂しそうに見えた。

「朱莉......」

ーキーン、コーン

授業開始5分前を知らせるチャイムが鳴り響く。

「あっ、もう行かなきゃですね」

木霊朱莉は、ゆっくりと立ち上がった。

「そうだな」

僕も合わせるように、立ち上がる。

『ただいま』

その時、誰かの聲が聞こえた。 

「.......?」

聞き覚えがあるような気がする。

「どうかしましたか?」

「いや、今の.......空耳か?」

「空耳? なんて聞こえたのですか?」

「えっと......『ただいま』?」

僕はさっきの聲を復唱した。

たった四文字。

誰でも一度は使う。その言葉を聞いた朱莉が.......

「......!?」

朱莉の瞳孔が大きく開いた。

「わ、私。授業始まるので、もう行きますね」

そして朱莉は俯き、駆け出した。

「お、おい!!」

そのまま止まることなく、屋上から降りて行った。

「どういうことなんだよ......」

それから數分後の事、僕の攜帯に一通のメールが屆いた。

『放課後、教室で待って下さい』

(また、放課後か.......)

そして放課後......。

僕は.......。

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