《僕はまた、あの鈴の音を聞く》No.28 思い込みの思い込み
「信義さん、お待たせしました」
放課後、僕は教室で木霊朱莉を待つことにした。
穂波と、嬉野には悪いが。
「それで、何か話したいことってなんだ?」
「.......はい、まず始めに信義さん。この前デパートで僕が言ってたこと、覚えてますか?」
「デパート.......?」
「僕が昔の貴方と際をしていましたということです」
「たしか、半分噓だって言ってたやつか......」
「実を言うと、際をしてたと言うよりもそう思い込んでいました」
(思い込んでいた?)
それから朱莉は言葉を続けた。
「今からおよそ一年前のことです。僕がこの街に引っ越してきたというのは、昨日お話しましたね.......」
僕は確かに、茜からその話は聞いていた。
その際に聞いた話をすると
朱莉は、既に両親ともに事故で亡くなっており、僕の父が朱莉の生活費を負擔していたらしい。
そして、実を言うと一年前から既に居候の提案はあったらしいのだが、何故か朱莉はそれを頑なに斷り続けていたそうだ。
「そちらの家に居候させて頂くまでは、僕は別の高校で、なんとか生活を送っていたのですが.......」
「その際、僕は信義さんと初めて出會いました」
(.......?)
「ちょっと待ってくれ。その時?従兄弟なのにか?」
「はい、確かに僕は一年前信義さんと出會いました• • • • • • • • • • • • • • 。」
ということは、朱莉が知っている僕は記憶がなくなる半年前に知り合ったということなのか。
「それで、思い込んでいたというのは......一」
「それは.......」
ーガラガラガラ
「わりぃ、信義。まずいことになった......」
突然、教室のドアが開き神崎冬夜が現れた。
星の見守り人
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書籍版4巻は、2022年7月8日発売です! イラストはかぼちゃ先生に擔當していただいております。 活動報告でキャラクターデザインを公開していますので、ぜひ、見てみてください! コミック版は「ヤングエースUP」さまで連載中です! 作畫は姫乃タカ先生が擔當してくださっています。 2021.03.01:書籍化に合わせてタイトルを変更しました。 舊タイトル「弱者と呼ばれて帝國を追放されたら、マジックアイテム作り放題の「創造錬金術師(オーバーアルケミスト)」に覚醒しました -魔王のお抱え錬金術師として、領土を文明大國に進化させます-」 帝國に住む少年トール・リーガスは、公爵である父の手によって魔王領へと追放される。 理由は、彼が使えるのが「錬金術」だけで、戦闘用のスキルを一切持っていないからだった。 彼の住む帝國は軍事大國で、戦闘スキルを持たない者は差別されていた。 だから帝國は彼を、魔王領への人質・いけにえにすることにしたのだ。 しかし魔王領に入った瞬間、トールの「錬金術」スキルは超覚醒する。 「光・闇・地・水・火・風」……あらゆる屬性を操ることができる、究極の「創造錬金術(オーバー・アルケミー)」というスキルになったのだ。 「創造錬金術」は寫真や説明を読んだだけで、そのアイテムをコピーすることができるのだ。 そうしてエルフ少女や魔王の信頼を得て、魔王領のおかかえ錬金術師となったトールだったが── 「あれ? なんだこの本……異世界の勇者が持ち込んだ『通販カタログ』?」 ──異世界の本を手に入れてしまったことで、文明的アイテムも作れるようになる。 さらにそれが思いもよらない超絶性能を発揮して……? これは追放された少年が、帝國と勇者を超えて、魔王領を文明大國に変えていく物語。 ・カクヨムにも投稿しています。
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