《僕はまた、あの鈴の音を聞く》No.34 知った時知っている時知っていた時
「どうでした?」
病室から出たばかりの僕に、嬉野が訪ねてくる。
「嬉野、その.......他にも、あるんだよな。僕が見てないものが......」
「さぁ、どうでしょう」
嬉野は、はぐらかす。
「……學校でさ、僕が神崎と話している時、嬉野にはどう見えてた?」
「私には、見えない何かに向かって話しているように、見えてました」
「.......」
この時、心の奧底で、僕はあることに気づいてしまった。
しかし、愚かなことに僕がその事実と向き合うことになるのは、まだ先のことだ。
僕はその日の帰り、寄り道をすることにした。
主な理由はない。
ただ、家に帰りたくなかっただけだと思う。
そして、僕は出會ったのだ。
ーー鈴のに。
「久しぶりだな」
僕は、そう話しかける。
ーーチリン、チリン
「悪いが、今日は話したくないんだ。また今度......ん?」
立ち去ろうとする僕に、はある紙束を差し出した。
ーー手紙だ。
僕は一度、こんな手紙をこのからもらったことがある。
中は、僕の個人報のようなものだけだった。
しかし、その文面の最後には、こう書いてあった。
ーーこの手紙には、続きがある。
そう、そしてきっと、これがそうなのだ。
意を決して、中を読む。
そして、僕は知ることになるのだ。
僕は、人生で何度も、記憶をなくしているということにーー。
星の見守り人
如月 星(きさらぎ せい)はごく普通の宇宙好きな天文探査官だった。 彼は銀河連邦の公務員で有り、科學や宇宙が好きだったので、宇宙探査船に乗って、宇宙探査局の命令に従い、のんびりと宇宙探査をしていた。 辺境の宇宙を しかし彼の少々変わった才能と、ある非常に特殊な遺伝的體質のために、彼は極めて特殊な計畫「メトセラ計畫」に関わる事となった。 そのために彼は萬能宇宙基地とも言える宇宙巡洋艦を與えられて、部下のアンドロイドたちと共に、宇宙の探査にでる事となった。 そしてある時、オリオン座のα星ベテルギウスの超新星爆発の調査に出かけた時、彼のみならず、人類全體の歴史と運命を背負う事になってしまった・・・ これは科學や探検が好きな一人の人間が、宇宙探検をしながら、しかしのんびりと暮らしたいという矛盾した欲求を望んでいたら、気が遠くなるような遠回りをして、ようやくその願望を葉える話である!
8 137【書籍発売中】【完結】生贄第二皇女の困惑〜敵國に人質として嫁いだら不思議と大歓迎されています〜
【書籍版】2巻11月16日発売中! 7月15日アース・スターノベル様より発売中! ※WEB版と書籍版では內容に相違があります(加筆修正しております)。大筋は同じですので、WEB版と書籍版のどちらも楽しんでいただけると幸いです。 クレア・フェイトナム第二皇女は、愛想が無く、知恵者ではあるが要領の悪い姫だ。 先般の戦で負けたばかりの敗戦國の姫であり、今まさに敵國であるバラトニア王國に輿入れしている所だ。 これは政略結婚であり、人質であり、生贄でもある。嫁いですぐに殺されても仕方がない、と生きるのを諦めながら隣國に嫁ぐ。姉も妹も器量も愛想も要領もいい、自分が嫁がされるのは分かっていたことだ。 しかし、待っていたのは予想外の反応で……? 「よくきてくれたね! これからはここが君の國で君の家だ。欲しいものがあったら何でも言ってくれ」 アグリア王太子はもちろん、使用人から官僚から國王陛下に至るまで、大歓迎をされて戸惑うクレア。 クレアはバラトニア王國ではこう呼ばれていた。——生ける知識の人、と。 ※【書籍化】決定しました!ありがとうございます!(2/19) ※日間総合1位ありがとうございます!(12/30) ※アルファポリス様HOT1位ありがとうございます!(12/22 21:00) ※感想の取り扱いについては活動報告を參照してください。 ※カクヨム様でも連載しています。 ※アルファポリス様でも別名義で掲載していました。
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