《1分の時があれば》を予告する紙

南山はそこまで怒っていなかった。

「永合、突然だがすずが転校することになった。」

僕は耳を疑った。

「そこでだが、永合。すずと何かあったりしなかったか。」

「いえ、別に何もなかったです。」

「そうか。実はだな、すずがいじめられていたらしくてな、それで、転校することになった。」

「それで、転校ですか!?」

「一度は解決したが、それでも學校に居ずらいとのことで、転校すると親からも連絡があった。そこで、永合にこの紙を渡してほしいと言っていてな。」

そう言って、紙を渡してきた。その紙にはすずの字で書いてあった。

「永合君へ。今までありがとう。私は転校することにするよ。永合君、昨日はごめんね。また、いつかお話しようね。」

僕は悔しくてたまらなった。なぜ、すずが謝る。謝るべき人はすずではないのに。その時には周りの聲なんて聞こえていなかった。

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