《1分の時があれば》母の聲

その次の日、僕は何をしようにもやる気が出てこなかった。無意識に學校に欠席の連絡し、ずっと家で過ごしていた。父が居ない家は何度か経験しているが、こんなにも靜かで暗い家は初めてな気がする。眠くなってきたので、その場に寢転がり目を閉じた。

「亮。元気にしてた?」

誰かわからないが、確かに目の前にの人の姿が見える。なぜだか心が落ち著き素で話せるようになる。

「だ、れ…?」

「そっか、わからないのも當然だよね。私は、あなたのお母さん。永合なごう恭子きょうこ」

「いや、意味がわかない。確かに俺の母親は恭子だと父さんは言っていたけど、母親は俺が小さいころに死んだはず。」

頭の中がぐちゃぐちゃになっていく。

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