《栴檀禮賛》夕食と添削と問題作り

僕らは、また駅ビルに行って夕食を食べた。その後、空いた皿を下げてもらって、そこで今日先輩達が解いた問題の添削に取りかかった。

僕は彼から渡された『添削用の模範解答』を見ながら丸とバツを付けていく。

終わり次第彼に渡し、彼は添削済みのソレを確認しながら、先輩達が分からなかった問題に、次分かるようにする為の『ヒント』のようなものを書き込んでいく。

そして彼は同時進行で、先輩達が普通に間違えた問題には、恐らくこう考えて間違えたんだろうという推論を書き、正しい箇所には肯定的に、間違い原因となったポイントを分かりやすく、コメントとして書き込んでいく。

普通の人なら、添削してる僕の方が速くて、彼の橫に添削済のテキストの山が出來上がると思うだろう。しかし、実際には違う。

は僕と同等のスピード、もしくはそれ以上のスピードでコメントの書き込みを進めていく。

ただマルバツ付けてる僕と同等以上の速さだ。ホントに彼は頭の回転がレベチなのだと実させられる。

「よし......僕のマルバツ作業はこれでおしまい。はい、これ最後のやつ。」

「ありがとう。ハヤテ、ちょっと悪いんだけどさ、ティラミス注文してくれない?」

「お、了解。ちょうど俺も小腹空いてきたし、俺もなんか頼むわ。」

俺は店員を呼ぶスイッチを押し、店員にティラミスとチキンを追加注文した。

そして、その店員が廚房へと行くのとすれ違って、とある顔見知りがコッチに向かってきた。

「こんばんはお二人さん。」

「おぉミカ、お前も僕らみたいに、夜メシ食いに來たのか?」

「そ。普通に一人で來たんだけど、席に案される直前に、あんたら二人の事見つけたから『あそこの席に友達居るんで、そこに合流するんでいいです。』って言って來ちゃった。」

「なるほどね。」

「何してたの?」

「あぁ、野球部の先輩達に頼まれて、學力向上のための特別補講を組んであげたの。それで使ったテキストの添削。」

「へぇ〜、なんか面白そうなことやってんね。學校新聞の記事のネタにしていい?」

「ん? 僕は別に構わないけど、アミは?」

「私も構わないわ。但し、ちょっとした條件だけ付けさせてもらうよ。」

「條件?」

「貴方だけが利益を得るような片利共生的な協力ではなく、お互いの利益になるような相利共生的な協力をすること。私を出し抜こうなんて考えないことね。」

「わ、分かったよ。」

「おっけー。立だ。」

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