《栴檀禮賛》獅子の頓智問答遊び

ソイツは悩む僕を嘲笑うかのような目で見つめてきた。

「最初が4本足、次は2本足、最後が3本足......3本足?????」

僕は顎に手を當てて考えた。4本足から2本足へと変化するのはまだ分かるが、最終的に3本足になる生きを俺は知らない。

まぁ正攻法で考えて答えが中々出ないからこそのナゾナゾなのだろうけど。

足の本數が変化する生きと聞いて真っ先に思い浮かぶのはカエルだ。しかしアレは0本足から4本足だ。違う。

では再生する系のか? ウーパールーパーなんかは切られた足を再生するという。それでは4本足から2本切って......ってそれじゃ4本足に逆戻りじゃないか。

これも違う......では一なんなのか? そもそも3足歩行する生きなどいるのか?

「ギブアップ?」

「いや......まだ。」

僕がナゾナゾを出されてから5分経った瞬間、意外な所から聲が上がった。

「答えは『人間』だよ。」

僕がその聲にハッとして振り返ると、本を読み終えて新たな本を探しに歩いていたアミが近づいてきた。

「いやぁゴメン。ナゾナゾとかクイズとか聞くと答えずには居られないんだ。5分前には耳にってたんだけど、ちょっと読書に夢中になっちゃっててね。」

「どうして答えが『人間』なの?」

「赤ん坊は『4本足』でハイハイをする。そしてその『2本足』で立って歩くことを覚える。そして晩年になって腰が曲がり、杖をつくようになって『3本足』で歩くようになる。」

「なるほど......」

素直に嘆する僕の橫で、ナゾナゾを出してきたソイツは、悔しそうに歯軋りをしていた。

「おい......分かったとしても、君は回答者じゃ無いだろう! 回答者じゃない者が答えたら問答がり立たないじゃないか! それに、さっきの5分で答えを調べてたんじゃないのか? やり直しだやり直し!」

「別にやり直すのは構わないけど、図書館ではもうし靜かにね? それがマナーってモノよ。志々目 哲シシメ テツくん。」

シシメと呼ばれたソイツは悔しそうに、そしてバツが悪そうにその場を後にした。

その後テツは何度もアミに問答チャレンジしては呆気なく散り続け、その度に僕は、知りたいことをちょこちょこ聞き出していた。

そしてこの前、ついに僕一人でもナゾナゾに答えることに功し、ミカの古典と化學事を知るに至った。

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