《栴檀禮賛》二度目の補講の終わり

ミカと僕は、補講が終わるまでし駄弁り、補講が終わったタイミングで2人一緒に教室の中にった。

「あれミカ、どうしたの?」

「ちょっと一枚噛ませてもらいたいんだってよ。一応この件に首突っ込むなら最後までって約束させといた。」

「なるほど。それじゃあテキスト回収するのミカも手伝ってよ。」

「分かった。」

僕は2人でテキストを全員分回収して回り、回収し終えると同時に、野球部の先輩達は終わりの禮の準備にった。

しかしその瞬間、1人だけ立たない者がいた。他の野球部の先輩達や、僕達は不思議そうにその先輩を見た。

「アミさん......申し訳ないが、この『特別補講』に意味を見いだせねぇ。」

その先輩がそう言った瞬間、隣で話を聞いていたアキバ先輩が、その先輩に詰め寄った。

「おいケンジ......それどういう事だ?」

アキバ先輩の低くドスの効いた聲が教室の空気を支配した。僕達がし気圧される中、アキバ先輩とケンジ先輩だけが対等な圧力を掛け合っていた。

「どういう事もこういう事もねぇよ。俺はこの『特別補講』ってヤツに意味を見いだせねぇんだ。今日で二回目だが、ニガテな問題を何遍も解かされて、しかも模範解答ナシと來た。やってられっか。」

「俺達は直ぐに模範解答を見て、それで分かった気になって終わらせていた。でも分からないという事そのものを気づかせてくれた、この『特別補講』は良い機會じゃないか。」

「アキバ......お前はいつからそんな教師じみた事を言うようになったんだ?」

ケンジ先輩とアキバ先輩は睨み合った。そこにお互いが手を出してしまわないように、他の先輩達が2人を抑えたり、間にって距離を取らせたりした。

まさにちょっとした刺激があったなら、直ぐに2人がケンカでも始めかねないような、そんな一即発の時、鶴の一聲が飛んできた。

「私は別に! ......構いませんよ。」

「あぁ?」

鶴の一聲を放ったのはアミだった。そのアミの聲に対して、ケンジ先輩は蛇のような目付きで視線を送った。

「私は別に構いませんよと言ったのです。究極的な話をすれば、先輩達がどうなろうと私の知ったことではありません。

この特別補講を途中で抜けようが、一人で勝手に勉強しようが、私は別に構いませんよ。先輩達を拘束する権力もありませんからね。」

「ほぉ。じゃあ帰らせてもらおうかな。」

「でも、一つだけ言っておきます。」

「なんだ?」

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