《栴檀禮賛》雪山での遭難した過去

「じゃあ取り敢えず、深く腰掛けて。そこからゆ〜っくり深呼吸して......まずは心を落ち著かせる事からはじめましょう。」

「はい。」

私は最大までリクライニングされたイスに座り、言われた通りゆっくり深呼吸し始めた。

「目を閉じて、スーッと力を抜いて。」

「はい......」

「眠るぐらいのスタンスで、ゆーっくり落ち著いて。今からしづつ質問していくから、素直に一つ一つ答えてね。」

「はい......」

「貴方のお名前は?」

「アミ......」

「貴方には今何が見える?」

「山......雪山......。」

「そこは寒い?」

「はい......とても寒い......」

「そこには何が?」

「小さな小屋......そして......」

「そして?」

「そして......そして......」

それは遠い......とても遠い......でもハッキリと刻まれた記憶。雪山で遭難した私は、ある青年と出會っていた。

「お嬢ちゃん、大丈夫かい?」

「さむい......」

「取り敢えず中にろうか。」

私は雪崩が原因で家族と離れ離れになり、青年は転落し仲間と離れ離れになったと話した。そして出會った私たちは外界へ連絡するを持たず、偶然見つけた古い山小屋にを預けるしか無かった。

「取り敢えず、3日分の食糧と水はあるから、ここで救助を待とう。」

「待つんですか......?」

「な〜に、心配は要らないさ。3日もすれば救助だって來てくれる。それに今外に出ていく方が寧ろ危険だ。ここは辛抱のときだよ。」

「なるほど......。」

しかし、実際に救助隊が駆けつけたのは、予想の10倍の1ヶ月後であった。私はその間、もはや思い出したくもない、壯絶な験をした。

3日分の食糧と水、かなり頑張ってチビチビ消費したが、結局1週間しか持たせられなかった。水は外から雪を持ってきて溶かして作れたが、食糧の不足はどうしても補えず、極限の飢えを験した。

飢えはだけでなく神をも蝕み、私は悲観的になって行った。しかし、青年は自分が食べるのを止めてまで私に食糧を分けてくれ、更に彼の方が食べてないはずなのに、いつも笑顔で私を勵ましてくれた。

遭難生活が3週間半ばを迎えた辺りで、彼は私が寢てる間に自殺していた。彼は最後まで私に気を使わせないため、そして私を生き殘らせるために1つの手紙を殘していた。

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