《栴檀禮賛》記憶と部屋の整理整頓

私はゆっくりと目を覚ました。そしてハヤテのお母さんの顔を見て、何故かドッと安心が溢れてしまった。そして同時に涙も目から溢れてしまっていた。

「辛い過去だったわね......」

私は無意識下で、ハヤテのお母さんの質問にけ答えしていたらしい。そして私が見た手紙、それに書かれてた事こそが、私がこの記憶を消せないままでいる最たる理由だ。

「私は手紙に書かれてた通り......生きる為に彼を......彼を......食べたんです......」

「アミちゃん......貴の事は新聞の記事で昔読んだわ。遭難者であった貴を無事に救助して、その後會見で々なことを聞かれたのでしょう?」

「はい......記者の人たち......その時のカメラのフラッシュが......未だに忘れられなくて......」

「新聞では貴が彼を食べた事も追求してわね......それを記事に書いてたって事は、貴かなり質問攻めに遭ったのでしょうね......それをい時に経験したばかりに、深い傷が......」

私はその場で泣き出し、顔に手を當て下を向いた。そのときハヤテのお母さんは、すかさず私のことを抱きしめてくれた。

「大丈夫......大丈夫よ。」

「すみません......こんなけない姿......」

「いいのいいの。」

「う〜〜〜〜ん......」

僕はアミの寢床に関して、どうしたものか悩んでいた。僕の家は大して大きな家じゃなく、僕と母と父のそれぞれの部屋+生活する為に必要な部屋くらいしか無く、彼に寢て貰えるような場所はリビングくらいしか無いのだ。

「リビングに寢てもらうのはなぁ......」

エントロピー増大の法則に基づき、僕の家は大して片付いちゃいなかった。人間、片付ける努力をしなけりゃ、ドンドン部屋は散らかってく。

ただ、生活できないというレベルまでは酷くはない。生活できることには出來るが、本來寢るスペースとして認識してないから、いろいろ家を移したり、片付けないといけないじなんだ。

「仕方ねぇ、片付けるしかねぇか。」

僕は布団1枚ぐらい敷けるスペースを確保し始めた。テーブルやら棚やらをチョコチョコかし、床に落ちてる使いっぱなしの家電やらも片付け、何とかアミが寢れる狀態を確保した。

「日頃から片付けてりゃ良かったな......」

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