《栴檀禮賛》折れた筆とグラフ理論

靜かな街の図書館に、バキッとペンをへし折る音が響き渡った。何事かと思った職員は、辺りを見回し始めた。

「ど......どうしたのアミ?」

「なんだか自分でもよく分かんないんだけど......超絶ゲキムカ......」

ペンをへし折ったのはアミだった。図書館で一緒に友人と勉強していたのだが、いきなりアミがペンをへし折った為、友人は困した。

「最近なんかヤな事でもあった?」

「特には......」

「そう......じゃあ、もしかしたらの勘ってヤツじゃない? アミの想い人が何処かで別のの人と遊んだりしてさ......」

「まさかでしょ......こんな勉強できることしか能のない私に、濃い沙汰なんて期待しないでよ。」

「そんなもんかな? まぁいいや、話変わるんだけど、ここのグラフの問題が分かんないんだよね。ちょっと教えてくんない?」

「ん〜? どれどれ......?」

アミが問題集を友人から借りて、問題を注視しようとした瞬間、いきなりポンポンと肩を叩かれた。

「すみません......俺ら東高なんスけど、もし良かったら勉強教えてあげましょうか?」

アミに話しかけてきたのは、東高の制服を著たチャラめの男子生徒2人。アミは2人を見た直後「あぁ、どうせだから話しかけてきたんだろうな。」と彼らの表から察して考えることが出來た。

「すみません、ありがとうございます。ここの問題なんですけど、分かりますか?」

しかし、アミは東高の男子生徒2人を邪険に追い払うこと無く、寧ろ積極的に教えてもらおうというスタイルで行った。

「ちょっとアミ......」

「いいのいいの。で、分かりますか?」

東高の男子生徒は、最初ヘラヘラした表で問題を眺めていた。しかし、彼らは問題をよく読むごとに表くなっていった。

「す、すみません......分かんないです。」

「そうですか、殘念です。」

アミがそう言うと、東高の男子生徒はバツが悪そうに、その場を後にした。おおよそ彼らは「グラフの問題」という発言に「どうせXY軸に線が書かれた問題だろう」とナメてかかったのだろうが、彼達が解こうとしていたグラフは違ったものだった。

達が解こうとしていた「グラフの問題」というのは、大學レベルの教育で出てくる、図の事をグラフと言う『グラフ理論』に基づいた問題であった。

「必要十分條件を求めろって問題か。」

「どう? 出來そう?」

「行ける。」

      クローズメッセージ
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください