《栴檀禮賛》どぅぅわぁっさいネコ

「おい、ネコが落ちてんぜ。」

ワビの聲だ。俺はあのハヤテの蹴りを食らってから、的な苦痛というよりかは神的な苦痛によって、立てなくなっていた。

「おいネコ、どーしたよ? こんな所でグダーっと寢転がって。」

「聞くな。」

「おめ! まさかハヤテに負けたのか!?」

「言うな!」

「かァ〜! こら傑作だぜ! 自分の得意分野で吹っかけたのに、返り討ちに遭ってやがんの!」

「うるせぇ!」

「どぅぅわぁっさ!」

「ダッサっていうのを溜めて言うな!」

「どぅぅわぁっさっいねネコちゅわあああん!」

「うるせぇって言ってんだよ!」

俺はムカついて立ち上がった。するとワビはニヤニヤした顔でこっちを見ていた。

「お、立ち上がれたじゃねーか。」

「ワビ......てめぇ!」

「怒る相手まちがえてねーか?」

「あ?」

「てめぇが怒るべきは、てめぇ自だろうが。てめぇ自の不甲斐なさ、ハヤテになぜ及ばなかったのか、そこら辺よく考えとけボケ。」

「知ってんだよ! んなこたァよォ!」

俺はけなく吠えることしか出來なかった。そこでワビを気持ちに任せてブン毆ることも、そこから走り去ることも出來なかった。ワビの行ってることが、あまりにも正しすぎたから。

私は今、自分が持っている知識なんかでは到底計り知ることが出來ないほど、素敵な時間を過ごしている。

橫でし恥ずかしそうにしている彼、たぶん私と初めて出會った日のことなんて覚えてないハズだ。

時計の針を私が雪山で遭難した日まで戻そう。あのとき雪山の小屋には私と青年と、もう一人いた。

それがい頃のハヤテ。そして、私が限界まで持ち堪えれた理由。全ての真実は、ハヤテのお母さんにカウンセリングされた夜に、答え合わせされた。

い頃のハヤテは、青年の死を見て揺する私をずっと宥めてくれて、そして救助が來るギリギリまで一緒に居て支えてくれた。

救助が來る前日、痺れを切らした彼は、救助を呼んでくると言って小屋から飛び出し、雪崩に巻き込まれてしまった。

カウンセリングの夜に明かされた事実として、彼はその時の雪崩が原因で意識不明の重に、その後回復するも記憶を無くしてしまったとの事だった。

どういう巡り合わせか分からないけど、中學の時に再會して、そしてこうやって今は2人で歩いている。

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