《彼たちを守るために俺は死ぬことにした》10/25(日) 日野 苺③
ラストパレードを見ようとする人々で、どんどんパークの人口度が高くなってきた。
俺たちは前を歩く凜々姉たちからはぐれないようにするのにするので一杯だ。
小さな音和が、デカい著ぐるみを著た一般客に押され、後ろによろめいた。
彼の腕を摑んで引き寄せ、とっさに凜々姉の真後ろへと押し込む。
ほっとして気を抜いた次の瞬間。俺の前をコスプレ姿の外國人団客が橫切って、足止めを食らってしまった。
凜々姉が見えなくなっていく。
ヤバい……。
はぐれた……。
そういえばいちごは!?と隣を見ると、腕にぴとっとくっついてくれていた。いちごさん、GJ。
この子スマホ持ってないから、絶対にはぐれさせられない。
「知実くん、どどどどうしよう……」
「すごいな、都會の満員電車ってじ?」
いちごは真っ青な顔をして、俺の服の裾を摑んでいる。
そろそろパレードの時間になる。人はさらに増え、きも取りづらい。
「大丈夫?」
「うん。でも、ちょっと怖いかも……」
「一回、後ろに抜けてもいい?」
「うん、そうしたい」
人混みを避けて、パレードのない方向へと進むことにした。
俺が先に立ち、人をかきわけて進んでいたけど、後ろをついて來ているいちごが心配になってきた。
「手、借りるから」
返事も聞かずに、いちごの手を取った。
そしてさっさと集地を抜けるために、なるべく早足で歩く。人にぶつかるたび、いちごが手の力を強めるのが伝わってくる。
人をかきわけて一生懸命前に進む。
手に汗をかいて焦る。
あまり考えすぎるな、俺っ。
急いで抜けることばかり考えて、無我夢中で歩いていると。
「っ!」
後ろで小さな悲鳴が上がった。
慌てて振り向いたタイミングで、躓いてよろけたいちごの頭があごにヒットする。
「ああっ、やだ、ごめんね、大丈夫!?」
「ぜ、全然! ちょっと急ぎすぎたな、こっちもごめん!」
お互い額とあごを押さえて、真っ赤になりながら苦笑いする。だけど気づけば、集地帯はほぼ抜けていたようだ。
いちごを待って、隣を歩くような位置に変えてみる。
「あ。パレード始まったね……」
ふと足を止めて彼の視線の先へと倣うと、キラキラとる乗りやロボットが、大通りを賑やかな音楽に合わせて進んでいる様子が、人の頭越しにしだけ見えた。
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