《彼たちを守るために俺は死ぬことにした》10/28(水) 日野 苺

今日こそ虎蛇でお晝をとることにした。

會長、しおり先輩は當然のようにいて、さらに七瀬ちゃんも來てくれたから4人での子ランチ。

虎蛇の子トークも、結構楽しい。

「……って言うのよ。本當にチュン太ってデリカシーないわ」

「わかるー! なっちゃんってそういうところあるよねー」

「まあまあ、みなさん。そこがトモくんのいいところですから」

「デリカシーないのが!? つか誰も聞かないから聞くけど、なんで最近下の名前呼び!?」

……楽しいけど、よく知実くんの話が出ていて、だいたいが本人に聞かせられないようなことなんだよね……あはは……。

「日野は登校も一緒だったね。バイトでも會うじゃない。大丈夫?」

「あ、はい。あたしは別に……」

「あ! いっちー、気をつけなよ。あの人草食系に見えて変態だし、隙あらばすぐ求婚してくるし。しおりん先輩だってなにかとられてなかった?」

「シメられたいとは言われましたが、求婚はないです……」

「シメ!? どゆこと!? キモ!」

「詩織落ち込まなくていいよ、普通求婚はしない。あたしも、虎視眈々とハグを狙われていたことがあったわね」

「「えーーーーっ!?!?」」

…………。

知実くん〜〜〜〜〜。もぉ、なにしてんの〜〜〜〜〜!?

その日音和ちゃんは來なかったけれど、來なくて正解だな……と思ったよね。

┛┛┛

ご飯を食べ終えて虎蛇を出たところで、七瀬ちゃんに気になっていたことを尋ねる。

「七瀬ちゃん、無理、してない?」

七瀬ちゃんは驚いたように大きな目を瞬かせたあと、にっこりと笑った。

「うんうん! あたし、メリハリはちゃんとするタイプだから!」

「どーゆうこと?」

「落ち込むときは落ち込むけど、元気なときは元気だよーってじ?」

そういえば今日はクラスでも虎蛇でも、普段通りの七瀬ちゃんだった。

「実はさ、なっちゃんが結構話聞いてくれてて」

「! そうなんだ!」

「うん。昨日も放課後、屋上で語ったんだ。そういうのもあって、結構メンタルはなんとかなってるかなー」

オッケーマークを作って、満面の笑み。

あたしは放課後とかあんまり付き合えないし、スマホも持ってないしで、力になれないなってへこんでたから……。

知実くんが親になってくれてると聞いてホッとした。

「虎蛇では結構いじられてるけど、知実くんいい人、だよね?」

「なっちゃんは超いいヤツだよー。あたしもたくさんよくしてもらったしね。かいちょーもしおりん先輩も好きだからこそ、ああやって話題に出すんだよ」

「あれってそういうじだったんだ! あたしあんまりいじるみたいなのニガテで。っていけなくてごめん」

「ぜんぜんー! いっちーは素直すぎるからねー。むしろ不快だったら言いなー!」

「不快とかはないけど。ひとつ言えば、會長にハグしようとしていたのは不快だったかな」

「あはは。そ!れ!な! ムッツリめーーー!!」

二人でじゃれあいながら教室へと戻る。

あたしも知実くんもついてるし、七瀬ちゃんの傷も、ゆっくりと癒えたらいいな。

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