《彼たちを守るために俺は死ぬことにした》11/2(月) 日野 苺①

4限前の休み時間。遅刻をかまして教室のドアを開けると

「あ、なっちゃんだー!」

と七瀬が大きく手を振ってくるものだから、クラスの視線が俺へと集中する。

「なっちゃん大丈夫?」

「何かあったら言えなー」

クラスのやつらも心配して話しかけてくれる。

俺は「いやーゲームしすぎて寢不足だったわー」とか適當に言いながら、ごめんねポーズで自分の席へ向かった。

いちごの隣を通るとき、彼が背中をぴんとばした。

「よう」

「お、はよー。ん? お晝なのに、おはようでいいのか……??」

自分のあいさつに疑問を持ったらしく、すっかり首をひねって考え込んでしまった。なにやってんだあいつは。

「なっちゃーん、もう大丈夫なの??」

席に著くと、七瀬がやってきた。ハイタッチして、自分のカバンから教科書を出しながら答える。

「土日なにもしないをしたから回復ぅ〜↑」

「いえ〜い! で、4限の課題は?」

「なにもしないをしたって言うとろう」

「や、張るなし。次のやっといた方がいいよ〜。あたしのノート寫すかい?」

「七瀬、神って呼んでいいっ?」

「え、あたしそーゆうの、本當に一生呼ばせるタイプだよ」

「“七つの大罪の全てをひとりで擔う”とかどう?」

「七カ國を滯在? へーなんかリッチじゃん、いいよー!」

「……まあ、あれだ。なんでも安請け合いはしないでおこうな?」

言葉をググってスマホを渡すと、真っ赤になった七瀬にスマホで毆られた。

ふと、視線をじて周りを見ると、いちごとバッチリ目が合った。わかりやすく真っ赤になっていたから、目を逸らされる前に聲をかける。

「いちごー! 音和も晝メシ來るって。今日あったかいし、外いこーね!」

「!! そっそそうなんだ! よかったね音和ちゃん!」

あっ、前向きやがった。きが不自然だし、クラスのやつら不審そうに見てるぞ大丈夫か。

戻ってきた七瀬が、ノートを突き出す。

「はい。早く寫して!」

「いや、そんなに見つめられるとやりづらいっていうか?」

「はあ? 見つめてないっ! もうノートをスマホで撮ってくれる?」

「やだー、ななたんおこなのー?」

七瀬との會話の聲がデカいのが自分でもわかる。俺もだいぶテンションがおかしいよな。

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