《彼たちを守るために俺は死ぬことにした》11/4(水) 日野 苺⑨
クラスにもいない。
虎蛇も閉まってる。
ってか、靴がなかったー!
そしたらまだ、この時間なら帰宅中のはず。
靴を履き替えて、全速力で走った。
帰宅している生徒の數はもうなくて、追い越すのは一般の通行人だけ。
大人たちは珍しそうにあたしを見て、微笑ましそうに道を譲ってくれた。
——道路標識。
自転車の二人乗りのとき、ここ足ぶつかりそうだったんだよ!
——パン屋さん。
ここでパンの耳を買ってたのバレたよね。懐かしいな。
——トンネル。
急な土砂降りの朝、あたしと音和ちゃんを待たせてくれて、知実くんは家に傘取りに帰ってくれたね。
誰かの好きな人と仲なんて、心の底から無理なはずだった。
音和ちゃんが知実くんを好きなのを知っていて、なんで好きになったんだろうって。自分でもすっごく不思議だったけど。
こんなに一緒にいて、たくさん笑って過ごして、好きにならないはずがないよ!
っ、いた!
「知実くんっ! 待ってーーー!!」
海沿いを歩く知実くんと音和ちゃんが、足を止めて振り返った。
ああ。あたしのしい人たちだ。
二人の手前で止まり、膝に手をついてかがんで息を整える。今日だけは、足が速くて良かったって思った。
「おー。七瀬との話はもう終わったの?」
汗がぽたりぽたりとアスファルトに落ちて染みを作る。まるであたしの周りだけがまだ夏みたいだ。
「はあ、はあっ……。知実くん、聞いて……」
なにも疑うことなく、ふっと力の抜けた優しい表を見せてくれる。
「あたし、これからいろいろ空気読めないことしてみんなに迷かけちゃうかもだけど。みんなに向き合って、本音で話して、自分のこと好きになってもらうように努力するね。本當にありがとう。あたし、好きなものがたくさん増えると思う」
肩で息をしていたのが、おさまってきた。だけど悸は加速していく。
「そんな中でも、今いちばん知実くんが大好きです!!」
目の前の二人が同時に、驚いた表に変わった。
「友だちのままでいたいなんて噓。本當はもっと近くにいたいし」
好き。
大好き。
「にが痛む時間さえも、しいなって思うし」
でもね、それよりも。
「初めて好きになった人が、あなたで良かった」
知実くんはあたしに心と青春をくれたから。
「だから、本當に本當にありがとっ。大好きだよ——っ!」
いっぱいの、謝を伝えさせて。
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