《學園の男子が、俺以外全員男の娘だった件!》#1-18
ホームルームが終わり、一樹と和馬は
職員室へと向かっていた。
「失禮します、1年2組の青鷺です。
紅先生はおられますか?」
「おお!二人ともっておいで。」
奧の応接間の方から紅が二人に手招きした。
「ホームルームではすまんかったねぇ。
一樹に絡んできたあの生徒は、
この學園創立の際出資してくださった丹下財閥の
ご令嬢、丹下 琴葉たんげ ことはさん。」
「あの丹下財閥のですか!?」
和馬が目を丸くして驚く。
「ええ、かなり過保護に育てられたとかでね
自分の思うようにならないと、何をしでかすか
わからない困ったちゃんやね。」
「あの格じゃなぁ先生も新學期から何かと
大変ですね。」
一樹はやれやれと笑った。
「おまけに君までウチのクラスやからなぁ、
まぁでも一樹が自ら別室での授業を言い出してくれたの
不幸中の幸いやったけどな。」
「それで俺たちの部屋はどこになるんでしょうか?」
一樹は紅に自分たちの授業をけるための部屋が
どこなのか尋ねた。
妹と兄、ぷらすあるふぁ
目の前には白と黒のしましま。空の方に頭をあげると赤い背景に“立ち止まっている”人が描かれた機械があります。 あたしは今お兄ちゃんと信號待ちです。 「ねぇ、あーにぃ」 ふと気になることがあってお兄ちゃんに尋ねます。お兄ちゃんは少し面倒臭そうに眠たそうな顔を此方に向け 「ん? どうした妹よ」 と、あたしに話しかけます。 「どうして車がきてないのに、赤信號だと止まらないといけないの?」 先ほどから車が通らないしましまを見ながらあたしは頭を捻ります。 「世間體の為だな」 お兄ちゃんは迷わずそう答えました。 「じゃああーにぃ、誰もみていなかったらわたっていいの?」 あたしはもう一度お兄ちゃんに問いかけます。お兄ちゃんは右手を顎の下にもって行って考えます。 「何故赤信號で止まらないといけないのか、ただ誰かのつくったルールに縛られているだけじゃないか、しっかり考えた上で渡っていいと思えばわたればいい」 ……お兄ちゃんは偶に難しい事を言います。そうしている間に信號が青に変わりました。歩き出そうとするお兄ちゃんを引き止めて尋ねます。 「青信號で止まったりはしないの?」 「しないな」 お兄ちゃんは直ぐに答えてくれました。 「どうして?」 「偉い人が青信號の時は渡っていいって言ってたからな」 「そっかー」 いつの間にか信號は赤に戻っていました。 こんな感じのショートストーリー集。 冬童話2013に出していたものをそのまま流用してます。 2016年3月14日 完結 自身Facebookにも投稿します。が、恐らく向こうは二年遅れとかになります。 ストリエさんでも投稿してみます。
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