《小さなヒカリの語》4ページ目
や背負ったかばんの軽さもあり、目的地にたどり著くのは二十分もかからなかった。
「ここか」
足を止めた先にはこれから三年間を過ごすことになる高校が、大きい口を開けてそびえたっていた。私立鏑木かぶらぎ高校。
築120年の相當気合のった由緒ある高校で、年數の割に見たじはそう古くない。學校のど真ん中にそびえたつ巨大な支柱は、一階から屋上まで悠然とびていて、その姿はただ漠然と龍みたいだなと思った。この高校の大學進學率はそれなりに高く、毎年の志者が増加するくらいには有名なのだが、俺はその難関をくぐりぬけ、見事合格を果たした。とは言っても別に何かのためという明確な理由があるわけじゃなく、とりあえず行っとけば後々後悔しなくて済むという周りの意見に乗じた結果だ。
「……うぅ……寒い」
その、だ。
確かに気分はすがすがしいのだが、心とはそれぞれ別の意見を主張している。
さっきからの震えが止まらない。首筋がやたらとゾクゾクして悪寒がする。
腕時計を見ると、針は7時半を指していた。
式の開始は9時からだから、かなり早めに來てしまったみたいだ。ちっとばかししくじったが否めない。あの時は母さんのお小言から早く逃れようと急いで家を出たもんだから、時間の調節を考えてなかった。そういえば中學の通信簿に〝康介君は後先考えずに行することがあるので、事前に計畫を立ててみよう〟と書かれてたのを思い出した。その忠言は現狀況を見る限り、活かされてるとは言い難い。
俺は今、正門からってすぐにある、無駄に広がる広大なグラウンドの真ん中にいる。
いやまぁ、だからといって何だと言うことはないのだが、今の心のびを聲にするなら、
「……暇だ」
めちゃくちゃ暇だ。最低でもあと三十分近く待っておかないと校舎にれないため、それまでここで一人ぼっち。しかも、
「はぁ~」
この白い吐息だ。春という季節をまったくじさせない今日の寒さ。神様による俺への一方通行ないじめかと疑ってしまうくらいだ。
「くそぉ! ……お、おらに溫をわけてくれー!」
大きな円を作るようにして両手を天に向ける。元気玉なんて作れなくてもいい。
もし溫めてくれるならかわいいの子の溫で溫まりたいです、と前後のつながりがまったくない言葉を神様に願いが屆くように、大きな聲で伝えた。神様にはこの気溫をなんとかしてもらわなきゃならん。學式が始まる前には凍死として発見されるかもしれないからだ。
「はぁ……何やってんだかな」
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