《小さなヒカリの語》11ページ目
嗚咽ともつかない聲がれる。
さっきは助かったが今度こそ駄目だ。やられてしまう。こんな変なことに巻き込まれて俺は……
「コアがまだ!」
澄んだ高い聲。
一人、恐怖の世界にりかけていた俺に救いの聲が聞こえた。自然とのほうにが向く。そこで俺はし顔のこわばりが解けるのをじた。そうだ、と。
何者か知らないがさっきも俺を助けてくれた。なくとも悪い奴ではなさそうだし、今の狀況を理解していて尚かつ対処できそうなのはこの金髪のだけだ。この狀況で頼れるのはこいつだけ。
は勢を低くし、青く燃える剣を構えた。俺は反的にの後ろに隠れる。
本當は男として守るべき立場にあるのだが、この場合仕方ないとさらに後ろに下がる。
そして、堰をきったように青い炎が激しく燃えあがり、
「はああああ!」
は地面を力強く前へと蹴り出した。
の、がりがりと地を裂く音が耳に恐怖となってってきた。
咄嗟に目をつぶってしまい、の姿は一時的に視界から外れた。
ヒュンッ。
風が、恐怖でこわばった俺の顔をで、それと同時に後方からドサッという音。
嫌な予がした。鼓が早まるのをじながら、おそるおそる目を開ける。
がいない。はっとして振り返れば、倒れているの姿があった。
一秒前には確かに自分の前にいたはずなのに、一秒後には自分の遙か後ろの大木の下で倒れている。が魔法を使って攻撃を回避したんだと無理にでも思いたかったが、頼みの綱のがやられてしまった以上、現実逃避する余裕はさすがにない。
に突き飛ばされたのは地球が自転してるくらい明らかなことだ。
「うっ……くっ……」
聲がかすかに聞こえた。
(よかった。生きてる)
十メートル近く吹っ飛んで生きてるなんて、これはほとんど奇跡だ。の華奢なつきを考えると、死んでいても不思議じゃない。そこで、他人のことを心配するほど自分のが安全でないことに気づく。黒い影がに重なり、前方に目をやり戻すとはもう目と鼻の先。本當にいつき出してもおかしくない狀況で、そしていつ俺が襲われてもおかしくない狀況だった。
(やばい! やばい! やばい!)
このままじゃ俺も大怪我をする。激しい悸がして、本能が逃げろと諭してくる。
打ち所次第では最悪死ぬかもしれない。けど、を見捨てて、自分だけ助かろうなんて考えは殘念ながら俺にはなかった。そんなことするぐらいなら死んだほうがましだとさえ思う。まだ會ったば
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