《小さなヒカリの語》24ページ目
架空の話だから、最終的に上手くいって綺麗にまとまるんだ。だから現実にあるわけがない。と言おうとしたが、今朝に俺はそんなありえない験をしたんだった。だから、ほかのありえなさそうなこともいつかあるかもしれないなと思った。
教室に著き、黒板に書かれた自分の席に座る。四ノ瀬という文字もあったので、ヒカリと同じクラスということが確定。よって幸せなスクールライフも確定、と心の中で喜びの讃歌を歌っていると、前の席の奴が馴れ馴れしく話しかけてきた。
「よぉ、康介」
そいつの目は切れ長で、鼻も高く、そこだけ見るとイケメン風だが、前髪が眉にかからないようにきれいに切り揃えられていて、全的には優等生風。
その顔には見覚えがあった。というか知り合いだった。
「英人も同じクラスなのか」
フレーム無しメガネをかけた、いかにも僕勉強できますよ的オーラを放っているこの男は、中學時代何度も困難(主に宿題)を(共に?)乗り越えてきた親友、春川英人はるかわひでとだ。
初めて會ったときに読みを「えいと」と思い込み、親が八人目という意味をこめてつけたと勝手に妄想した記憶があったりなかったり。ちなみにこのことは本人には言っていない。
「あれ、じゃあ鈴木は?」
「あそこだ」
英人の指差した先は、俺らの列から機二つ分はなれた列の前から二番目。つまり、真ん中の列の前から二番目だ。俺は後ろから一番目、左から二番目の列に存在のスペースを與えられた。と、指を差したばっかりに、鈴木がこちらからの視線に気づいてしまった。一応説明しよう。
彼の名は鈴木利通すずきとしみち。中學時代、いろんな伝説を殘してきた男。お調子者でムードメーカーなのだがたまにKY的発言でクラスを沈黙狀態にさせてきた。決して悪い奴ではないのだが、たまにピントのずれた発言や、予想も出來ない行をとるので、トラブルメーカーの一面も兼ね揃えていたりする。
そんな彼は口元に微かな笑みを浮かべ、余裕ある表で右手の親指を立てた。狀況から判斷して、一緒のクラスでよかったなというメッセージだろうが、俺には〝後は任せろ〟と言って死の戦地に赴くサブキャラにしか見えなかった。ここにの違いが発する。どうでもいいけど。擔任の先生が教室にってきて、鈴木との會話テレパシーはそこで中斷した。
先生の一言により、クラス発表&移後にある、定番中の定番、自己紹介が始まる。これで第一印象が決まったりするので、やる気のない態度をとるとかいうあからさまな手抜きはしてはいけない。それぞれ無難に自己紹介を済ましていき、中ほどに差し掛かった頃、事件は起きた。今思えばあの親指は何かしらのサインで、それに俺が気づいて止めていればと思うと……まぁ俺には関係ないが。自分の番が回ってきた鈴木は勢いよく立ち上がると、
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