《小さなヒカリの語》64ページ目

ちで勝手に食べてちょうだい。それと……あっ、ヒカリちゃんおはよう」

ちょうどヒカリが起きてきたとこだった。眠そうに目をこすっている。パジャマのボタンが外れて、だらしなく元が開いている。朝から刺激が強すぎ。……でかいなぁ。

と、いかんいかん。はっとして母さんを見るとにやにや笑いを浮かべて、

「私がいない間、康介に変なことされないように気をつけてね」

俺がヒカリに何をすんだよ? まったく母さんめ。冗談はほどほどにしてしい。

「……変なこと?」

しのあいだきょろきょろ。間をおいて、

「わああぁぁぁ!」

ヒカリが自分の狀態に気づいた。慌ててを両手で隠し、

「……見た?」

ゆでダコのような赤い顔で聞いてきた。俺はこういう時の切り抜け方をよく知らない。

「ブラジャーがピンクだったとかそんなの知らな……」

「こーちゃんのばかぁあ!」

ばしーん。ヒカリは手に持っていた枕を俺に投げつけて、ばたばたと部屋にもどってしまった。

「それじゃあ康介、ヒカリちゃんをよろしくね」

母さんは俺に二千円を手渡し、うふふと笑いながら出て行った。

……すがすがしい朝になるはずだったのになんでこんな。何が一番の原因か考える。すぐに答えに辿り著く。

「母さんめー!」

最悪の朝だった。母さんといい、ヒカリといい、最近はものを投げつけられることが多い。顔面限定。しかしヒカリってピンクのブラジャーしてたんだ。そこは収穫。

ん? やましい気持ちは一つもないさ。

「わぁー! 久しぶりだぁ」

コンビニに到著した途端、ヒカリが変なことを言った。

「久しぶり?」

「うん。私、三年間外界とは遮斷されてたから。こういう所はほんとに久しぶりなんだよ」

ヒカリがほんとに楽しそうな顔をして、俺の腕をつかみ、

「早くろうよ」

俺はヒカリに引っ張られるように中へった。

中は前見たときと何も変わっていない。俺にとって店は新鮮味がなさ過ぎたが、ヒカリは息を荒くしてしている。コンビニでこんなに喜ぶなら他の所だともっと喜んでくれるのかな、と思う。ど

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