《小さなヒカリの語》74ページ目
意味が分からないくらい俺は疲れてんのかと自嘲。昨日寢るのも遅かったし、登校するときも走ったからなぁ。いろんなことが疲れを増長してくれている。だからなのだろうか、カチッ。スイッチがる。
睡魔であるスイマーに視點が移。その様子を観察する。あ、スイマーの足に海草がからみついた。あわててる。俺は頑張れって小さく応援する。早く何とかしないと溺れるぞ。他人事で傍観する。が、応援にも関わらずスイマーが沈んでいく。あいつはもう駄目だ。勝手に人の人生を達観してみる。あれ、頭が痛い。息が苦しい。周りを見渡す。
溺れてるのは俺だった。客観視している暇はなかった。が沈む。
己のエゴによって生まれた罪が、深い闇の中に溶け込んで一化する。だめだ、だめだ、だめだ。取り返しがつかなくなる前に俺は償わないと。人助けという大義名分の下、自分を救うために。
あの時。心に留めておけば、ずれることのなかった歯車。先には予定調和の未來が描かれたはずだった。なくとも苦しむことはなかったはずだ。忘れちゃえばいいのに忘れられない。
あの日、あの時間、俺が余計なことをしなければ、あいつは會うことが出來たはずなんだ。
……ゆさゆさっ。
おっと、急にスイッチがオフになった。位置的に英人かな。
「現代文の授業が始まったぞ」
みたいだ。でも、眠い。抗えない。
一旦を起こして、教科書を機の上に開く。縦にして死角をつくり、上手く隠れるようを寄せる。後ろの席でよかった。再び目を閉じると、意識は夢の世界に引き込まれていった
――――過去の話――――
年はのお母さんから話を聞くとすぐに飛び出して、を探した。夕はまだまだ落ちる様子はなく、まわりの風景はオレンジに染まっていた。
まず年が向かったのは、公園だった。最後にと別れた場所で、もしかしたら戻ってるかもしれないと、真っ先に足を運んだのだ。設置されている遊はブランコとり臺の二つでどちらも人の姿はなかった。
次に心當たった場所は、と二人で作った基地だった。空き地の林の裏側の、民家の塀との間にある狹い空間。よくそこで遊んでいて、年は一回だけその場所で寢泊りしたこともあった。青いビニールシートをめくって中を確かめたが、そこにもはいなかった。公園か基地のどちらかだろうと思っていたため、その可能が消え、途端にを探すことに途方に暮れた。
そんなに遠くに行ってないはずなのに、と年は焦りながら町をさまよい歩く。
はやくヒカリを見つけて、おばあちゃんのいる病院へ連れてかなきゃ。そう思ってずっと々な場所を探し回ったが、時間だけが虛しく過ぎていくばかりだった。このまま見つからなかったら僕のせいだ。自分が告白だなんてことしなければ、ヒカリはあのまま家に帰っていたんだ。だんだん自己嫌悪の気
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