《まちがいなく、僕の青春ラブコメは実況されている》第5章 僕は、チカラになりたい。18

「でも……ぜんぶ、今さらだよね」

その瞬間、微かな街燈が新垣さんの苦笑いを映した。

その笑顔があまりに悲しそうだったから、僕は咄嗟に打ち消すようにんだ。

「――今さらじゃないよ! 今さらじゃ」

んでしまって、ハッとした。

これじゃ……まるで告白してるようなもんじゃないか……。

そんな焦燥を隠すため、僕はし歩くスピードを速めた。

――!

と、突如、左手にらかなものがれた。

それが彼の手だということは、すぐわかった。

『おっと――新垣さんが――手をつかんだ――!』

実況されるまでもなく、彼の手が僕の手にれ、さらにぎゅっと握ったのがわかった……。

心臓が止まるかと思うほど驚いて、僕は歩みを止めた。

「――乙幡くん……ありがとう」

背後でつぶやく彼の聲が、両耳にじんわりと広がった。

でも、どう答えていいかわからなかった。

だから、振り返ることができなかった。

それはきっと、長くても10秒くらいのことだったと思う。

やがて、左手のそのらかなは、ゆっくりと離れていった。

いつのまにか、彼が僕の前に歩み出ていて、振り返り言った。

「……もう著いちゃったね、駅」

踏切の警報音が聞こえた。

まもなく、向かいのホームに電車がやってくる。

そのホームのちょうど僕の正面辺りに、新垣さんが立っている。

電車がる直前、彼は右手を小さく振ってんだ。

「また明日、學校でね!」

まもなくってきた電車が、カーテンのように僕と彼を隔てた。

最後に車窓から見た彼の表が笑顔だったから、よかったと思った。

本當に、よかったと思った。

――ただ、僕は別の騒ぎ・・・・・をかにじ始めていた……。

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