ホテルに帰ってくるなり、俺はすぐさまに部屋へと向かった。

なぜそこまで急ぐかって？

そりゃあ……

「おい、月いるか！？」

「い、いるけど、どうしたの？いきなりドアを思いっきり開けて」

キョトンとした表で俺を見つめている。

この狀態だと何もなかったようだな。

とりあえずひと安心。

「いや、なんでもない。それよりなんで今日花火大會來なかったんだ？」

「え、花火大會あったの？！」

月は驚いた表と共に項垂れた。

そんなに花火大會が好きなんだなコイツ。

この反応を見る限りでは、知らなかったんだろう。

――教えてやれよ、六花！

「てか、ここから見えなかったか？それに花火の音で気づくだろ？」

あんなにでっかい花火と発音だったら普通は気づくと思うが。

一応、部屋の窓から外を覗くと……見事なオーシャンビュー！

これでは見えないのも納得。

だって、花火が上がってたのは反対側だったもん！

「なるほど……でも、音は聞こえなかったか？」

「音楽聞きながら本読んでた」

月のベッドには、たしかに攜帯音楽プレイヤーとラノベが置いてあった。

――聞こえるはずないか。

てか、よく音楽聞きながら本読めるな！

ちゃんと語の容が頭にってくるのだろうか？

「いや、まったくってこない」

「なんで分かったの？！」

最近、六花から結構な高確率で心を読まれるんだよなぁ。

「なんでだろ？」と思って、六花に聞いたら、

「の勘ってやつだよ！うっしししし」

最後の笑い方がキモかったという事だけが、とてもとても強く印象に殘りました。

じゃなくて、の勘で人の心を読めるのだろうか？

の子って本當に分からない生きだ。

「……え」

「ど、どうしたの？何かを発見したみたいな顔をして」

俺はある事に気づいた。それは……

「お前男の子だよな？！」

月が俺の心を読めるのはの勘があるからでは？

そうなると、月って一別はどっちなんだ？

ただでさえ、中的な顔でって言われれば信じてしまうぐらいだ。

「い、痛いよ…離して、ね？」

「あ、ああ……すまん」

気がつけば、月の華奢な肩を思いっきり両方を摑んで揺さぶっていた。

つきまでの子みたいだから……もう。

「と、とととにかく僕は男の子だから！」

「お、おう……」

月は掛け布団を頭まで被り、眠ってしまった。

それにしても、なぜ顔が真っ赤になっていたのか分からない。

涙目になってたのはたぶん……俺のせいだ。

「とりあえず俺もシャワー浴びてから寢るとするか」

ズボンポケットからスマホを取り出し、畫面を覗くと夜の11時を目前にしていた。

六花もそろそろ寢ている頃だろう。

明日が合宿最終日だ。

それまでにちゃんと睡眠をとらないとね！

そして、それから數時間後。

俺は気持ちよく月の隣のベッドで寢ていた。

疲れが溜まっていたのか、布団にるなり、すぐ睡。

そんな中で俺は夢をみていた。

それは、月が本當はの子だったという事だ。

今まではなんの事か知らないが、何かのキッカケでの子という事が學校中にバレた。

その後はの子として學校生活を送っていくのだが、ここからが自分でもヤバいと思った。

六花と月が俺を巡って爭うという事だ。

――なんか、ハーレム的なことになってるが。

その続きは記憶にないが、とにかくそんな夢をみていた俺は、眠っている間ずっとうなされていた。