《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第16話 學校の怪談

が求人部に部して1週間が過ぎだ。

相変わらずだが、その間の部活容は今までとは変わらなかった。

ただ変わったと言えば……そうだな…めんどくさい奴が増えたくらいだな。

六花と月に付き合わされるのにもめんどくさいと思っていたが、さらにもう1人増えると過労死するのではないかと思うぐらい疲れる。

そう言われてもこの日記を読んでいる人には分からないと思うから、この1週間にあった出來事をここに記そう。

これは部してから翌日の出來事である。

いつもの通り、放課後何も変わった様子のない部室に足を運ぶ。

今日からも正式に俺たちと活を開始するわけだが、六花の流れにはついていってほしくない。

一応言っとくけど、求人部っていう部活は別に人を探すだけじゃないからね!友人を探したり、まぁ、人と流を目的とした部活だから!

……なのに、なぜだろう。俺たちがやってきたことはすべて人を前提とした活しかしてきていない。

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俺は別にやりたくはないんだよ?ほんとだよ?

でも、いつも六花のペースに流されていくんだよなぁ。

「あれ?誰もまだ來てないのか」

そうこうしているうちに部室に著いた俺はドアを開けるなり、誰もいないことを確認。

……おかしいな。六花は先に來ているかと思ったんだけどな。

俺が教室を出る際、六花の姿をもうすでになかった。ちなみに月はまだ教室にいた…というか寢ていた。終禮のときから。

「とりあえず宿題でもするか…」

俺は椅子に座り、長機の上に數學のワークと筆記用を取り出す。

それにしてもこの數學の宿題どうにかならないのかな?ほぼ毎日のように出るんだけど。

「いや、そんなこと思うだけ無駄か」

なくなるわけでもないしね。

ということで他の奴らが來るまで宿題をやることにした……のだが……

「おーい…」

――あれ?どこから聲がするんだ?

「しょーちゃん起きてー…」

――何を言ってるんだ?俺はこうして起きてるではないか。

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「もう!起きないならこうだ!」

――……

「イテテテテテテ!何すんだよ!」

俺は摘ままれた頬を手で押さえながら隣に座っているなじみに抗議した。

「だって、気持ちよさそうに寢てたから?あたしを1人にするのは許さなんだから」

そんなキョトンとした表で言われてもなぁ…

「てか、何の権利でお前に起こされなきゃならないんだ!1人でもいいだろ!」

ホント…何様のつもりだ?

「それよりさ…」

「あ…流すのかよ」

昔からそうだったが、は都合が悪くなると話を変える。

そのクセはまだ健在だったのか。

「ゴホン…それよりさ、部長と月君はどうしたの?」

1回俺に話を遮られたことで再び咳ばらいをして仕切りなおした

「え?まだ來てないのか?」

そのことに首肯する

どういうことなのだろうか?

壁に立てかけられている時計を見ると、午後5時半を回ろうとしていた。

俺がこの部室に來て、2時間は経っている。

普段の部活開始時間は4時だから、もうとっくの前に來ていなければおかしい。

、何か聞いて……るわけでもないか」

俺に聞いてきたぐらいだから知っているわけがない。

もちろん俺も知らないからに聞こうとした。

とりあえず一旦教室を見に行ってくるか。

「今から教室に行くけど、も一緒に行くか?」

「うん、あたしも心配だから行く」

ということで、俺とは六花たちが普段いる教室へと向かった。

教室に著くと、そこには誰もいなかった。

「六花たちいないみたいだな…一応確認のために機を見に行くか」

もしかしたら帰ったということも考えられる。

俺とはカバンがあるかないかを確認するために六花の機に近づいた。

「カバンはあるみたいだな」

では、どこに行ったのだろうか?

とりあえず、そのことは後回しにして、月の機も確認しに行こうとしたとき、シャツの袖を引っ張られたが伝わった。

その引っ張られたであろうところを見ると、がちょこんと摘まんでおり、その手は小刻みに震えていた。

「どうしたんだ?」

の顔を見ると青ざめており、何かに怯えている様子だ。

そして、は俺の問いに答えるかのようにシャツを摘まんでない方の手で六花の機の上を指さした。

「っ?!」

聲が詰まるということはこういうことなんだろうか。

俺はあまりの驚きに聲が出ず、頭の中が一瞬にして真っ白になった。

は一層恐怖が強くなったのか、俺の腕を力いっぱいに抱しめている。

――やばい。満なの弾力が腕に直接伝わってくるよ!これがラッキースケベというやつか…

「って、こんなときに何を考えてるんだ俺は!」

「こ、これって……だよね?」

「分からない。でも、これはやばいかもな…」

六花の機の上にはと思われるの手形がいくつかあった。

俺はこの狀況を知っている。

それはどこの學校でも必ず1つはあるであろう學校の怪談。

この學校にもいくつか怪談が存在しており、その中の1つに今の狀況と似た話がある。

それは、ある日の放課後であった。

1人の子生徒が教室で宿題をしているときだった。

あまりにも大量な宿題だったため子生徒は最大限の集中で取り組んでいると、背後から奇妙な聲が聞こえた。

だが、子生徒は大量の宿題に追われていたためそのことには全然気づかなかった。

次第に奇妙な聲がどんどんと大きくなり、次の瞬間……子生徒は忽然と教室から姿を消した。

そして、子生徒が座っていた席に機にはと思われるの手形が複數。

それ以降、その子生徒の行方は分からずじまいで、この出來事はいつの日か學校の怪談として伝わっていった。

俺が説明したこの怪談に似ていると思いませんか?

もし、この怪談が事実となれば、六花も同じように何者かに連れ去られたということになる。

、大丈夫か?」

「うん、それより…月君の機も確認しよ?」

そうだった。

すっかり忘れていた。

まぁ、月は大丈夫だろう。ああ見えてトラブルには巻き込まれにくい質だからな。

月君の機も同じだよ…」

「えええええええ?!」

の言葉が本當なのか確認の意味も込めて見に行くと、六花と同様に機にはらしきの手形が無數あった。

――まさか、月までとは……

「でも、なんかおかしくないか?」

「え…なにが?」

には分からないようだが、俺にはこの狀況にどこか違和を覚えていた。

その違和は…なんと説明すればいいだろうか…とにかく違和がある!

そして、その違和の正はすぐに判明した。

「一応、月の引き出しの中とか見てみるか。何か手掛かりになりそうなものがあるかもしれない」

俺は月の機の引き出しを覗き込んだ。

「ん?なんかってるぞ」

そこには1枚のルーズリーフが折りたたんだ狀態で置かれていた。

それを何となく手に取り、折りたたまれた紙を広げて見ると、

「……なんだこれ」

「どうしたの?」

も俺の反応を見て、気になったのか覗き込んできた。

「……なんだこれ」

も同じ反応。

それもそのはず、この紙に書かれていたのは次のようだ。

”學校の怪談でドキドキ?恐怖験♡

1.六花と月がいろいろ試行錯誤して神隠しにあったとみせる!

2.部活に來ないことを心配したしょーくんたちが探しに來る!

3.その間にいろいろな心霊現象!しょーくんとちゃんの仲はラブラブ♡”

「「……」」

俺とは聲すら出なかった。ただひたすら真顔。

無事でよかったという安堵もあれば、くだらないことで心配させやがってという怒りのが複雑に絡み合っている。

「…どうする?帰るか?」

どのくらい沈黙していたのか分からないが、とりあえずこのままずっとはがもたない。

「うん…そうだね…でも、見つけよ?そして、半殺しにしよ?」

は普段通りだが、表がヤバいですよ、あーちゃん!

目は死んだようにを失っており、闇であふれている。表は時折、笑顔を俺に見せてくれるが、目が笑ってないせいかその笑顔ですら殺意をじる。

――本當に殺しかねないな……逃げてぇー!六花と月!

「何をぼーっとしてるの?早く探しに行くよ」

「あ、あぁ…」

気が付けば、先ほどまで俺の橫にいたはずのが廊下側にいた。

俺もの後をついていくじで2人を探しに向かった。

「で、どこを探すんだ?」

「そうだね…まずは保健室から行きましょ」

ということで、六花たち2人の捜索が開始されたわけだが、先ほど教室を出る際に壁に掛けられている時計を見たら、もう午後6時半を過ぎていた。

他の部活はそろそろ今日の活が終わりを迎えるころだろう。俺たちも午後7時前には學校を出ないと、見回りの先生に怒られちゃう。

「別に怒られてもいいから探し出して殺すわよ!」

「な、なんで俺の心が読めた?!てか、さっきより過激になってない?」

先ほどまでは「半殺しにしてやる」とか言ってたのに、たった10分で「殺してやる」である。

時間が経てば経つほど怒りが強くなってきているようだ。

――俺はこういうことには慣れたから別に……いや、怒ってないわけではないからね?

「いないわね…次行くよ」

「ちょ、ちょっと…」

いつの間にか保健室に著き、1分もかからないうちに中に人がいないか確認を終わらせた。

そして、急ぎ足では學校中の教室などを見て回り、スマホで時間を確認をすると、もう午後7時半を過ぎていた。

「いないわね…ホントどこに隠れてるのよ!」

地団太を踏む

…もうそろそろ帰りませんかね?

「一旦、部室に戻らないか?見回りの先生に見つかるとヤバいし」

「……それもそうね」

一瞬考えたものの俺の提案に首肯してくれた。

…はぁ…もう、帰りたい…

部室に戻ると探しに行ったときと変わらない狀態だった。

もしかしたら六花たちはここにきているのではないかと考えたが、そうではなか……

「ガオオオオオオオオオオ!」

訂正。そうであったらしい…というか、そうでした。

部室のドアを開けるなり、いきなりコスプレをした2人が襲い掛かってきた。

1人は聲もそうだし、容姿から見ても六花で間違えない。

では、もう1人は……誰?

「…ほら、月も脅かさないと」

「そ、そうだね…よし…わあああああああ!」

「「……」」

あのー、2人ともひそひそ話していましたが、おもいっきり俺たちに聞こえていましたよ?

それはも同じだったらしく、暗くてみんなの表は分からないが、たぶん呆れている。

一方で、六花と月は俺との無言を恐怖からなるものと誤解し、2人して喜んでいた。

「ゴツン!…」

「いったあああああああああああああ!」

今何か鈍い音がしなかった?それと同時に六花が悲鳴を上げたけど…。

と、一瞬思っていたが、俺の拳が六花の頭に置かれているのを確認して拳骨をぶち込んだことを理解した。

――子に暴力をふるうのはどうかと俺は思うよ?でも、今のは仕方がないよね?だって無意識だったんだもん。

「な、ななな何をするの?!」

六花の聲は多震えていた。泣いてるのかな?

「すまんすまん。手がった」

「ああ、そっかぁー…じゃないよ!」

今納得しかけたよね?それともそういうネタですか?

「とりあえず部長、お話があるのですがよろしいでしょうか?」

暗くて表は見えないけど、怒りのオーラがビュンビュン出てますよあーちゃん!

「ん?お禮は別にいいぞ!」

そのことに気づかない六花。このあとが想像するだけで震えが止まらなくなるよ!

「てか、サラッと流してたけどお前の格好なんなんだ?」

月の格好はなんといえばいいのだろうか……とにかく裝!

でも、容姿が子っぽいから案外似合ってるんだよなぁ。

この格好でハロウィンのときに東京の渋谷とか行けば、ナンパ間違いなしだな。

「これ、六花ちゃんがくれたんだ!可いでしょ?」

何を子っぽいことを言ってるんだこいつは?

しかも、のところし膨らんでるけど、そこまで子を再現してるのか?

「ん?なんかリアルだな……」

人間というのは気になり始めたら、それがなんなのか追求したくなるものだ。なので、月のれてみた。

は小さいながらも、ふわふわマシュマロみたいでらかい。本かと思うレベルだ。

「ん……あ……」

「何変な聲出してんだよ」

なぜかればるほど月が変な聲を出す。

「も、もう僕行かなきゃ!」

「お、おい……」

月は勢いよく部室を出ると、教室がある方角へと走り去って行った。

一瞬、月明かりで顔が見えたけど、顔が真っ赤のようだった。

合でも悪いのか?……」

こうして學校の怪談は終わったのだが、の怒りはまだ収まりそうにないようで、

「しょーくん、助けてぇえええ!」

誰かが助けを求める聲が聴こえたが……気のせいだろう。

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