《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第18話 初めてのラノベ【前編】

もう外の木の葉がづき始めたころ。

俺は自分の部屋で晝間から読書に勤しんでいた。

そして、今俺の座っているベッドにはもう1人いる。

もうすぐ10月で寒くなったとはいえ、まだノースリーブのトップスを著て…とにかく無防備な六花がそこに寢そべっていた。

「なにジロジロ見てんの?…もしかして興した?」

「ば、馬鹿を言え!誰がお前なんかに…」

と、言いかけたのだが…興しかけてました。

そう思った瞬間、急に自分の顔が熱くなってきているのに気付き、慌てて顔を両手で覆う俺氏……子じゃないぞ!

「なになに~図星ぃ~?」

ああ、六花の顔がニヤニヤしてきたぞ。これは完全に調子に乗ってきた証拠だな。

「そ、それより、なんでお前が俺の部屋に堂々と居座ってるんだよ!」

さっきから普通に過ごしてるけど、誰も「っていい」って、言ってないからな!

それと…べ、別に無理矢理話題を変えたわけではないぞ!

「別にいいじゃん。お前の部屋は私の部屋、私の部屋も私の部屋」

「何どこぞのガキ大將みたいなことを言いやがってんだお前は…」

「ふふーん♪」って、言ってやったりみたいな顔してるけど、俺は呆れてどっと疲れが襲ってきた。

というか、ここ最近ずっと俺の部屋にり浸っている。

自分の部屋がありながら、なぜここにいるのかさっぱり分からない。

「お前もうそろそろ自分の部屋に戻れ!俺は晝寢をする」

「いやだ…」

「いやじゃない」

「いやだ…」

「なんで?」

「だって……しょーくんと一緒に居られない…から」

「なんて?」

最後なんて言ったのか聲が小さくて聞こえなかった。

ただ、顔が赤いのは確認できた。

「な、何でもない!このバカ!」

「え?!俺なんかした?」

そして、六花は俺の掛布団にくるまってしまった。

いやいや…どこかに行けよ!

「でさ、その本ばっかり読んでるよね」

「立ち直り早いな…」

布団にくるまって數秒で戻ってきたぞこいつ。

しかも、さっきのはなかったみたいなじにしているし。

「それが私の良いところ」

ペチっと、ウインクをする六花。

ある意味で悪いところでもあるな……。

「で、その本なんていうの?」

「ああ、このラノベのことか?」

何を隠そう……これはラブコメ界でも有名な作品『変貓』だぞ。アニメ化もされ、聲優さんは超豪華!キャラクター原案のイラストレーターさんもまさに神!俺自の中では1番好きな作品なのだ!

と、こんなじに今読んでいるラノベの説明を終えたのはいいのだが……

「変態……しょーくんまだ早いよ!」

「何がだよ!」

ほんのり顔が赤くなる六花。

――一何と勘違いしてるんだろうね!

「そ、その……そーいう本は…大人になってから読もうね!」

最後のガッツポーズはなんなんだよ……。

「あのな…このラノベは別に18ものじゃないからな!」

「え、そうなの?」

素で驚いた表を作る六花。

――やっぱり勘違いしてたな…。

「當たり前だ!俺がそんなの読むと思ってんのか?」

「うん」

「……」

まぁ、思いますよね~。だって、僕男の子なんだもん。

俺だって、小さい頃は男は誰でもみんな18のうへへな本を読んでると思ってたもん。

でも、俺はまだ読んでないからな!……ほ、本當だぞ?公園で捨てられたうへへな本なんて読んだことも見たこともないからな!

「へぇー……」

「え、何その軽蔑しきった目は?!」

「別に~」

「……まぁ、いい」

そして、2回目の『変貓』に関する詳しい説明をした。

「ふーん……そんなに面白いなら読んでみようかな?」

「おう、絶対気にると思うぞ!」

「じゃあ、さっそく書店に行こう!準備してくるから待っててね!」

え?

今の流れは『変貓』を読んでみようではなかったの?

とりあえず、俺も出掛ける準備をすることにした。

「お待たせ~」

「おせえよ」

子の準備って本當に長いよね!なんであんなに長いのだろうか?

「イタタタタ……何すんだよ」

頬を思いっきりつねられた。

「別に。何かムカついたから」

そんな理由で人を傷つけるのはどうかと思うのだが…。

「しょーくんなら許される」

「許されません!てか、俺の心を読むな!」

「は?何言ってんだこのクズは?」みたいな顔されても困りますよ六花さん。

「チッ……じゃあ、行こう」

今舌打ちしましたよね?したよね?

なんでこんな扱いされなきゃならないんだよ。

俺は先を歩く六花のあとを追った。

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