《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第19話 初めてのラノベ【後編】
「うーん……たくさん種類がありすぎて迷うなぁ」
家から徒歩10分のところにある書店に到著してから小1時間は経過した。
普通の人…は、分からないが俺ならもうとっくに選び終えてレジで會計を済ませている。下手をすれば家に帰り著いて購した本を読んでいるぐらいだ。
なのに六花ときたら……
「どんだけ時間かかってんだよ」
「し、仕方ないでしょ!たくさんあって何が面白いのか分からないんだから……」
六花はそうぶつぶつ言い、また本棚をジッと眺め始めた。
――このままだと1日あっても足りない気がする……ここは一つラノベマスター(自稱)である俺が最高の1作品を選び抜いてやるか。
「六花、どのジャンルが好きなんだ?」
やっぱりラノベはここからだよね!
ジャンルによって好き嫌いが別れてくるし、ここでどのジャンルが好きなのかはっきりさせないと好きでもないジャンルの作品を読んだところで面白くない。
「ジャンルって何?」
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首を傾げてキョトンとした表。
――え……普通に知ってらっしゃいますよね?
「……マジで聞いてるのか?」
冗談か、それとも単純に本當に『ジャンル』という言葉を知らないのか…うーん……。
表を見る限りでは本當に知らなそうだった。
「じゃあ、説明するからちゃんと聞いとけよ」
「うんうん、分かってるよ!」
分かってないなコイツ。
いつもなのだが、六花は人の話を聞こうとしない…というか俺の話だけではないだろうか、聞かないのは……と、とにかく俺は『ジャンル』について詳しく説明した。
「分かったか?ここテストに出すからな!」
「テストに出すはともかく何となく分かった」
六花は珍しく俺の説明を最後まで聞いてくれた……しかも「うんうん」と相槌を打ちながら!
――世の中奇妙なことがおきるものだなぁ…いや、これは夢か?
「イテテテテテテ」
「何してるの?自分の頬をつねって」
とうとう頭がおかしくなったのかコイツみたいな表で見るのやめてくれないかなあ?!
「バレちゃった」
「いやいや、俺の心を読むのもやめてね?!てか、バレちゃったじゃねーよ!」
あまりのの高ぶりについ、んでしまった。
その後瞬時にここが本屋であることを思い出し、周囲を見渡すと……ちょっ……そんな目で見ないで!
周囲の客から鋭く尖った視線が俺に目掛けて一直線に降り注いだ。
一方、六花はというと……俺からいつの間にか30mほど離れ、思いっきり他人のフリをしていた…というか、もとから戸籍上他人なんだけどね!
「あのーすみません。お客様お靜かにお願いします」
「す、すみません……」
ついでに若いの店員さんからも怒られた。
それから10分後。
俺は気まづくなったので一旦店から外へ出ていた。
「おーい見つかったか?」
そろそろ家に帰りたくなったので、再び店にり、六花のところに向かうと、
「全然」
まだ本を決めかねていた。
もう……買わなくてもよくないスか?そんなに探しても気にる本がなければ。
「いや、私は本を買うまでは絶対に帰らない!」
「なんでそこまで……」
そこまでする意味が分からない。とっとと帰って家でゆっくりした方が俺的にもいいんだけど。
「だって……」
六花は眺めていた本棚から急に地面へと視線を落とした。
よく見ると、耳が赤い。
「だって、しょーくんともっと話したいから!ラノベを読めばもっと話題が増えるでしょ?だから……」
そして六花はまた本棚に視線を戻した。
俺は何も言葉がでなかった……というか、しときめいちゃった。まさか、學校一のにこんなことを言われるなんて思いにもよらなかったからね!
「何ニヤニヤしてるの……?」
六花が「キモい死ね」といった顔で俺を見ている。
どうやら俺は気づかないうちにニヤけていたらしい。
まぁ、いいよ。今日の俺はどんなこと言われたって上機嫌!どんとこいや!
「別にぃー♪ブヒヒ」
「ちょ……近づかないでくれる?」
「なんでさ……ブヒヒ」
「き、キモい……」
そんなときに先ほどの若いの店員さんが俺たちの方に近づいてきた。
「どうしましたか?」
「こ、このおじさん変なんです!」
おい!そのフリはやめろ!俺は変なおじさんじゃねぇ!
それに店員さんの目がヤバいんですけど……その手に握られているスマホで何をしようとしているんですか?
「今から警備員を呼んできますね。それと警察にも……」
「ちょっと辭めてくれません?!俺、別に変なおじさんでもなんでもないただの客です!というか、六花の連れです!」
俺は必死に弁解した。でないと、ドラマでよく見るようなところに連れてかれちゃうからね!
……てか、今気づいたんだが「おじさん」と呼ばれるような年いってないぞ。まだ16歳。「お兄さん」にしろ!
「そうなんですか?」
俺の必死な弁解を聞き終えた店員さんがもう一度六花に事実かを確認した。
六花はし罪悪もあるのか、歯切れの悪い返事をしたがこれでどうにかドラマでよく見るようなところに連れてかれずに済みそうだ。
そのあと俺と六花は一緒に店員さんに謝った。
「何事もなくて良かった」と気をよく許してくれた。
結局、六花はラノベを買うことなく店を出て、俺は申し訳なさもあり、今読んでいる「変貓」のコミカライズ全巻を購した。
正直、俺はラノベを読む以上コミカライズ版は読まないから今回の出費は結構な痛手だった……トホホ
「今日は楽しかったね!」
「どこがだよ!」
帰り道、六花が不意にそんなことを言い出した。
マジで言ってはないのだろうが、何か話しながら帰りたいのだろう。
「まぁ、でも今日一緒に出かけることが出來たのは良かったかな」
「え?」
六花がキョトンとした表で振り向いた。
俺も急に先を歩いていた六花が立ち止まったので足を止めた。
「べ、別に深い意味はないからな」
「わ、分かってるわよそんなこと!」
何か急にラブコメみたいな場面になったのだが……俺の人生にはラブコメみたいなことはありえない。
でも…しだけ「そんなじになったらいいなぁ」と思う自分がどこかにいたのだった。
【書籍化&】冤罪で死刑にされた男は【略奪】のスキルを得て蘇り復讐を謳歌する【コミカライズ決定】
※書籍&コミカライズ決定しました!書籍第1巻は8/10発売、コミカライズ第1巻は10/15発売です! ※ニコニコ靜畫でお気に入り登録數が16000を突破しました(10/10時點)! ※キミラノ注目新文蕓ランキングで週間5位(8/17時點)、月間15位(8/19時點)に入りました! ある日、月坂秋人が帰宅すると、そこには三人の死體が転がっていた。秋人には全く身に覚えがなかったが、検察官の悪質な取り調べにより三人を殺した犯人にされてしまい、死刑となった。 その後、秋人は“支配人”を名乗る女の子の力によって“仮転生”という形で蘇り、転生杯と呼ばれる100人によるバトルロイヤルの參加者の1人に選ばれる。その転生杯で最後まで勝ち殘った者は、完全な形で転生できる“転生権”を獲得できるという。 そして參加者にはそれぞれスキルが與えられる。秋人に與えられたスキルは【略奪】。それは“相手のスキルを奪う”という強力なスキルであった。 秋人は転生権を獲得するため、そして検察官と真犯人に復讐するため、転生杯への參加を決意した。
8 151悪魔の証明 R2
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