《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第52話 文化祭の打ち上げ【中編】

カラオケに到著して個室にってから一分。

もう俺は限界だった。

限界といってもトイレの大とか小ではなく、六花が隣に座っている。向かい側に座るところがあるにも関わらず、俺の隣になぜか座っているのだ。

それだけならまだいい。普通に我慢できる。でもね、これまたすごいんですよ。大勢で來ているわけでもないし、二人きりというのに俺にめっちゃ著してくるんですよ。

肩と肩がさっきからくっついて、六花の熱が中に伝わってくる。

俺はそんなシチュエーション初めてだから心臓がドックンドックン脈打って、肩と肩がれ合っているから六花に伝わってるんじゃないかと思ってしまう。

一方の六花は顔を赤くして、さっきから歌いもしないのに選曲用のタブレットをイジイジ。

これはどうしたらいいの?なぜいきなりラブコメ的なイベントが発生した?もう分かんない!

「ね、ねぇ、しょーくん……なんかドキドキ……するね」

六花が口を開いたと思ったらそんなことを言い出した。

いや、それは言っちゃいけないだろ……と思いながら、六花の顔がますます赤くなっていくのを見て、もう意識せざるを得なかった。

六花の手は膝に置かれているものの、制服のスカートをギュッと握りしめてシワができている。

俺は勘違いではないのかもしれないと思いながらも、過去の黒歴史を思い出していた。

かつて、中學時代にも似たようなことがあった。ある子が毎日休み時間になる度に話しかけてきて、帰る時も一人で帰っている時に後ろから追いかけて來る。俺はウザいなと思いながらもどこかで勘違いをしてしまった。そんなにされたら誰だって勘違いするよね?もちろん俺は勘違いしましたよ。思いっきりね。だから、ある日の放課後誰もいない教室で告白することにしたんだ。そのことを手紙に書いて晝休みその子の機の引き出しにれて呼び出した。待ち合わせの時間は五時半。張と不安で押し潰されそうな心をなんとかい立たせてずっと待った。……でも、その子は來なかった。五時半過ぎても來る気配がなく、時間は刻々と靜かに過ぎ去っていった。気がつけば、辺りは真っ暗になり、時刻は六時半。俺は仕方なく帰ることにした。荷を全て擔ぎ上げ、靴箱まで歩いて行く。その教室から靴箱までの距離が妙に長くじてやっとの思いで到著した。シューズからスニーカーに履き替える時、手紙がっていることに気づく。俺はもしかしたらという変な期待とともにその手紙を読んだ。

――私別にそういう気持ちで話しかけたりとかしてないから。ただの友だちとして接してきたつもりだったんだけど……勘違いさせたならゴメンね。とにかく無理だから!

なんでだよおおおおおおおおおおおお!!!

それはないだろ!せめて告白ぐらいけてくれたっていいじゃないか!それともあれか?俺の告白は死んでもけたくないっていう意思表示か?

俺はその後、どういうじで家に帰ったのかは覚えていない。ただ、気がつけば朝になっており、家の自室のベットに寢ていた。それ以來、その子とは気まずくなり、話すこともなくなったのだが……とにかくこのことがあったから俺はなんてしたくないんだ!なんてアニメの中だけでいい!現実世界でなんていらない!六花がどれだけ勘違いさせようが俺はそれに屈することはない!

「そ、そうだな……」

俺は平常心を裝った。

が、聲が若干震えて上ずったような気がした。

負けるな俺!フレーフレーしょーくん!

「……勘違い……してもいいんだよ?」

六花が自分の口元を両手で隠すようなじでそう言った。

聲は小さくてもハッキリと聞こえた。

……ラブコメでよく見るような姿についキュンしてしまった……。

六花の目が涙で潤み、上目遣い。頬は真っ赤になり、なんかっぽい。このまま押し倒してしまいたい……。

いや、収まれ!俺の理はそんなもんか?違うだろ!煩悩はとっくの昔に捨て去ったはず。なら、こんなこと俺には効かないだろ!

「……にゃ、にゃにゃにゃにゃにを言ってりゅんだ!」

思いっきり効いていた。

もう舌がその証拠。

……たぶん、これ以上六花からのアプローチがきたらノックアウトしてしまう。

「ちょ、ちょっとトイレ行ってくりゅー!」

この際、舌なんてどうでもいい。

が、煩悩が、俺の下半発してしまう寸前にここは一旦落ち著こう!

と、いうことで俺は逃げるようにトイレに駆け込んだのだった。

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