新しい年が始まった。

お正月といえば、初日の出だったり初詣だったりといろいろなイベントがある。

もちろん俺たち五人も初日の出を見に、城山公園城山展広場までやってきた。

辺りはまだ深夜ということもあり真っ暗である。

人も今年は珍しく俺たちのほかほとんどいない。

「寒いな…」

思ったより寒い。

寒がっている俺をよそに六花たちは何枚も重ね著して暖かそうだ。

俺も重ね著してくればよかったと今になって後悔する。

「しょーくん眠いの？」

「いや眠くないがなんでだ？」

「だって寒そうにしてるから」

「……ごめん。その理由が分からん」

何を言ってるのか分からない。

俺がおかしいのかと思ったが、隣にいた月も「何言ってるの？」と小聲で聞いてきたのでそれはないだろう。

「六花眠いか？」

「いや……」

「そうか」

「やっぱ眠い」

「どっちだよ！」

つい大聲が出てしまった。

俺たち以外誰もいないからって、深夜に大聲を出すのはマナー的にいけないだろう。

俺はすぐにゴホンと咳払いをして「悪い」とみんなに詫びをいれる。

「僕は別に気にしてないよ」

月はそう言ってくれたもののユキとの聲がしない。

怒ってるのだろうかと思い、辺りを見渡すが二人の姿が見えない。

「なぁ、六花。ユキと知らないか？」

「グゥ……グゥ……」

「ね、寢てるのか？！」

すげぇ…。立って寢る人初めて見た。

六花は桜島がめる展臺の柵に寄りかかった狀態で寢ていた。

このままだとバランスを崩して柵から落ちかねないのでとりあえず座らせた。

「六花ちゃんすごいね」

月は呆れ半分おもしろ半分でそう呟く。

「まったくだ。ところで月は二人を知らないよな？」

「うん、だけど大丈夫じゃない？」

「まぁ、そうだな」

ユキとも高校生だし。

そこまで心配する必要もないだろう。

「ねぇ見て見て！太が出てきたよ！」

「おう本當だ……って、いつ起きたんだよ？！」

突然の聲に俺も桜島の影から徐々に顔を出す太を見る。

それは本當にキレイで今までの中で一番キレイな初日の出だ。

俺も六花も月も柵にを乗り出すぐらいにキレイな桜島と初日の出のコラボを見て嘆の聲がれる。

「また一緒に來ようね！」

「……そうだな！」

腕をちょんちょんと引っ張られ六花の方を見ると、満面の笑顔だった。

俺はその笑顔に一瞬見とれた。

來年が今からにも楽しみだ！