《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第72話 月の願い

晝過ぎ。

やっと著替え終わった六花たちとともに照國神社へやってきた。

予想通りに參拝客で混みあっていて本殿までの行列が參道までの階段まで続いていた。

どうするかと六花たちと話し合っていたが、

「私たちは並んでおくから、しょーくんと月ちゃんは出店で何か買ってくれば?」

月の背中を押して俺に押し付けてきた。

その後六花はパチリと俺にウインクをして小聲で「この機會に仲直りしてきなさい」と耳打ち。

さすが六花。

このチャンスを作ってくれるとは。

「し、仕方ないな…月どこかに行くぞ!」

「うん…」

俺は月を引き連れて出店が並ぶ方へと向かった。

去り際に六花から「手も繋ぐんだよ~」と小聲で俺に言ってきたが……簡単にそんなことできるわけないだろ!

◆❖◇◇❖◆

「まだ怒ってるよね?」

六花たちと別れ、しばし歩いたところで俺は恐る恐る聞いた。

「當たり前でしょ!」

「ですよね~」

目を逆三角形にして俺を見上げてきた。

月の怒った顔はどちらかというと怖くないし、可い。

だから怖くはないが、ものを投げようとする行だけはやめてね!

――現に今もそこら辺に落ちていた拳大の石を投げようとしているし……って死んじゃう!

「すまんすまん!本當に悪かった!なんでもするから許してくれ!」

石を持っている方の手首を摑んで必死に懇願した。

「…なんでも…本當に?」

「ああ、なんでもだ」

一瞬にして月の目が何かを企んだ時の目になったが、俺は大丈夫だろうか?

ちょっとヤバいじがしなくもないが…一度言ってしまった言葉はそう簡単に取り消すことはできない。

変なことにならなければいいのだが…。

「ここにある出店のもの全て買ってきて……と言いたいところだけど一つだけ僕の願いを葉えてくれたら許してあげる」

「おお、それはなんだ?」

一瞬ヒヤッとしたが月の願いを葉えてあげるくらいならお安い用だ!

だけど、どんな願いなのだろうか。

ここにある出店全てよりも価値があるものなのだろうか。

「そ、その……」

月の顔が急激に赤くなっていく。

手足もモジモジさせて次第に顔を俯かせてしまった。

――そんなに言い難いことなのか?

どちらにせよ月が言ってくれない限り、俺はずっと月の願いは葉えてやれないし、許してもらえない。

「あのさ、別に気にせずに言ってもいいんだよ?どんなことでも絶対に葉えてやるからさ」

ちょっと言いやすいように微笑みかけてみた。

「うん、じゃあ言うね!」

効果があったのか俯かせていた顔を上げ、ニッコリと微笑んだ。

「単刀直で言うけど…僕とデートしてしいんだ!」

「……え?」

微笑んだままの顔がそのまま直した。

月はムッとした顔をして「聞いてるの?」とくっついてくる。

「あ、ああ、分かった」

「ホント?」

月は「やった!」と言ってさらにくっついてきた。

の子とカミングアウトしてからは、さらしみたいなものはしていないらしく、らかさが伝わってくる。

「早く行こ♪」

月は一気に機嫌を良くすると、俺の手を握ってくる。

結構、見た目と裏腹に大膽な月さん。

この後どうなっていくのだろうか。

――どこでギャルゲーみたいなイベントフラグが立ったんだ?

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