《俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件》第83話

六花から本命という名のチョコをけ取ったあと、すぐに學校へと戻った。

月には……なんて言ったか忘れたが、あまり長く場を離れるのはよくない。心配させてしまう。

「はぁ……はぁ……た、ただいま……」

息を弾ませながら部室へると、月は魚のハリセンボンのように顔を膨らませていた。

実際にリアルでやる人いるんだなぁ。アニメやマンガの世界では怒った表現として、よく用いられているが。

「…おかえり。遅かったね」

「あ、ああ……」

言葉にトゲをじる。

考えるまでもなく怒っているなぁ。

とりあえず謝っておいた方がいいかもしれない。

「す、すまん。ちょっと長引いちゃって……」

「トイレが?」

「え?……あ、そ、そうだよ!」

俺って、トイレに行くって言ってたのか……。

どうりで月も怒るはずだ。トイレにしては長すぎるもんな。

「だ、大の方……?」

「大?」

なんのことだろうか?

それにしても月の顔が真っ赤だ。

「は、話の流れで分かるでしょ!この鈍男!!」

「す、すまん!トイレのことだよな?」

「聲に出すなあああ!!!」

「ごめんなさい!」

もう話がややこしくなってきた。

今なんの話をしてたんだっけ?トイレの話?いやいや違うだろ。

「で、その手に持ってる可らしい紙袋は何?」

「……なんで可らしいを強調したんだ……」

バレてしまった。

というか、忘れてたわ。

「いいから答えて」

怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い怖い……。

「え、えーと……月にプレゼント……」

六花すまん!本當にすまん!

俺にはこうすることしか事態を避けられない。

「ぼ、僕にプレゼント?!」

何その反応……めっちゃ意外すぎて驚いちゃったみたいなの地味に傷つくんだが……。

でも、これで怒りを沈めてくれればいいか。

「開けていい?」

「お、おう」

月は俺の手からひったくるように紙袋を奪い取ると、中にっている箱を取り出した。

「この中、何がってるの?」

「チョコだよ……」

ゴクリ。ただのチョコならいいんだが……。

なぜか嫌な予がさっきからしていて汗が止まらない。

もう背中は汗でシャツが張り付いている。

「わぁ!……ん?」

「ど、どうした?」

ああ、汗が止まらなぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!

もう何をやったんだ六花!チョコにデコレーションでもしたのか?余計なことを……!

「『しょーくん大好き♡』ってチョコに書いてあるけど……これ何?」

「そ、それは……そうだ!俺が書いたんだ!俺、自分大好き人間だからさ!」

もう何を言ってるんだよ俺!何が自分大好き人間だよ!全然嫌いだよ!

それに月の目が痛い。心に痛い。そんな冷たい目で見つめないで!

「やっぱりこれいらない」

「で、ですよね……あはは」

返卻されたチョコを見て、なぜか俺は涙を流していた。

悲しくないのに涙が止まらない。

「……うま」

そのまま持ち帰るというわけにもいかないので、この場で六花がくれたチョコを食べると、ほんのりと苦味があり、甘かった。

………………もう帰ろうかな。

    人が読んでいる<俺の高校生活がラブコメ的な狀況になっている件>
      クローズメッセージ
      つづく...
      あなたも好きかも
      以下のインストール済みアプリから「楽しむ小説」にアクセスできます
      サインアップのための5800コイン、毎日580コイン。
      最もホットな小説を時間内に更新してください! プッシュして読むために購読してください! 大規模な図書館からの正確な推薦!
      2 次にタップします【ホーム画面に追加】
      1クリックしてください