《突然不死という最強の能力に目覚めちゃいました》學式

4月6日

今日は玲の學式の日だ。

玲が學する中央區総合高校は普通學科・學科・音楽學科・経営學科・環境學科・醫學科・育學科・戦闘學科この8つの學科でできている。中でも戦闘學科は、能力者の中でも力の強いBランク以上のものしかれないいわゆるエリート學科だ。

能力のランクというのは下からE.D.C.B.A.S.SS.SSSとある。昔はSランクまでしか無かったらしいが、ランク制定後それ以上の力の能力者がまれに現れSS以上が出來たという。またSS以上の能力者は危険なため常に2以上の監視が付くよう國によって決められている。監視と言ってもいざという時止めにるだけで普段は執事の様なものだ。

そんな中でも玲は、確実にSSを上回る能力を持っているが、監視が付くのを嫌がり玲は自分の能力を隠し生活を送っている。そのためこの學校にも無能力者として學する。

中央區総合高校では學式が行われている。新生の中には、新しい制服にを包んだ玲の姿もある。

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「あたたかな春の訪れとともに・・・

學式って何でこんな長い話多いんだろ。こんなの話してもちゃんと聴いてる奴なんてほとんどいないのにな。校長の話だってどうせ無駄に長いんだよ、長ければいいってもんじゃ無いだろうに」と新生代表挨拶を聴きながら、玲は心の中だけで愚癡っていた。

 

・・・新生代表  櫻井  學」

眼鏡をかけた絵に描いたような優等生の挨拶が終わると続いてナレーションがる。

「在校生代表挨拶。在校生代表、生徒會長、霜月 乃明さん」

そのナレーションを聴き玲は即座に顔を上げステージを見ると、ステージ脇から見覚えのあるが上がって來た。青く長い髪に何処かさのある顔だち、145cm位の定長。間違えない彼は前にファミレ出會った乃明だ。さらによく見ると端で司會をしていたのはあの時一緒に居た翼だった。

玲が「あの2人この學校の権力者だったんだなぁ」と思い、ファミレでのことを思い返している間も式は進み気づいたら終わっていた。

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この日の日程は學式がメインで後は教室に戻りHRをして終了だ。

「みんな席に著け〜。」

教室の付くなり、擔任らしき30くらいの男が気怠げに指示を出す。席には1つ1つに名前の書いた紙が置いてある。玲は自分の名前のある席を探しそこに座った。

 教室の全員が席に著くと、先生が話し出した。

「え〜このクラスを擔當することになりました  石田  達二(いしだ  たつじ)です。とりあえず1年間よろしく。じゃあ、そっから順に自己紹介、名前と、まぁ趣味とか能力とか?適當にお願いね」

石田先生は窓際の前の席を指した。どうやらそこから後ろに進んで行くらしい。玲は、窓際2列目だったので2番目だった。ほとんどの人がありきたりな自己紹介してするが、目立った自己紹介もいくつかあった。もちろん玲は前者の方だ。

  全員の自己紹介が終わると軽い學校の説明があり、その後プリントが配られ今日の日程は終わった。

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HRが終わると靜かだった教室がざわざわし出す。

「神谷くん。これからよろしくね。」

前の席の子が話しかけてきた。

確か名前は雨水 凜(あまみ りん)だ。桃の髪に赤い瞳、玲は何処かで見だことがあるような気がしたがどうも思い出せない。

「こちらこそよろしく雨水さん。それより前に何処かであったけ?」

玲がし申し訳無さそうに聞くと、凜はあからさまに落ち込んだ。

「やっぱり覚えてないんだ!うち名簿見ただけで気づいたのに。なんか凹むなぁ。去年も一昨年も顔合わせてるのに」

「ごめんやっぱ全然わからない」

どうやら凜はしっかりと覚えているらしい。一方の玲は全く思い出せない。

「アルバス國際蕓祭の表彰式で會ったじゃん。憶えてない?」

玲は中學1年から毎年國際蕓祭に絵を出展していた。

  アルバス國際蕓祭とは年に一度だけあるここアルバスで1番大きい展覧會だ。會場は中央區の中心にある王宮跡地で行われ、絵だけでなく彫刻や工蕓品など様々なアート作品が展示される。そして毎年玲の出展する絵は大賞を賞していたのだった。

  玲はその表彰式を思い返す。

そういえば去年も一昨年も最優秀賞の子に話しかけられていた記憶がある。

  確か一昨年が賞式終わりに駆け寄ってきて「あ、あの〜、大ファンです。サイン頂いてもいいでしょうか?」と紙とペンを渡された。

  去年も同じように、賞式終わると同じ子が來て「お疲れ様です。あの〜、今年も玲さんの作品素晴らしいかったです。・・・それだけです。お時間取ってしまいすみませんでした」と、それだけ言うと「ターッ」と走って行ってしまった事があった。確かその時のの子も桃の髪に赤い瞳だった。

「あっ!あの時の変な子かぁ!」

玲はやっと思い出し、つい聲に出してしまった。

「変な子って!そんな風に思ってたんだ。」

思い出してくれたことは嬉しいが、その憶え方は正直嬉しくない。

凜は玲の書いた絵に化されの世界に踏み込んだのだ。あの時はんなことを考えていたが、いざ憧れの人を前にし頭が真っ白になってしまったのだ。

「あ〜ごめんついね。でもさ、前と雰囲気違うから全然わからなかった」

去年までの凜の髪型はロングヘアだったが今はショートなのだ。それに、あの時の凜は張で口下手になっていたが、今は普通に話している。玲が気づかないのも無理はない。

「まぁ、結構バッサリ切ったからね。うち毎年この時期になると髪短くするんよ。前髪だけ邪魔だから定期的に切るんだけどね。」

「ふ〜ん。そうゆうもんなんだ。子って、こうなんか髪型とかファッションとか?気使ってるイメージあるけど、そんな適當なじで切ってるんだ。」

「他の人は多分気使ってると思うよ。ただうちがそうゆうのに疎いだけだよ」

凜はし恥ずかしそうに言った。

「・・・」

「・・・」

會話が切れてしまった。正直何を話せばいいかわからない。會ったばかりで相手がどんな話をするのが全くわからない。

  暫し沈黙が流れる。

ここで玲は3つの選択肢を思いついた。

1.相手のきを待つ

2.手軽な話題を振る

3.帰る

1は凜を見る限り「何を話せばいいかわからない」って顔をしている。このまま待ってるだけじゃただ時間が過ぎるだけだ。よってこの選択肢は卻下

2は話題を振ったところですぐに會話が切れるのは目に見えている。會話が切れれば再び現狀に逆戻り。よってこの選択肢も卻下

殘る選択肢は3だ。これに限っては前の2つとは明らかに違う。前者は相手との進展つまり親度の向上になるが、後者はそれとは逆だ。進展を諦め、現狀からの撤退を図る選択肢、つまり戦略的撤退だ。

1.2の選択肢がダメな今玲に殘された選択肢は3のみだ。

 玲はゆっくり荷をまとめ席を立つ。

「俺そろそろ帰るは。また明日」

凜は玲を見上げるとし恥ずかしそうに顔を赤くしながら言った。

「じゃあ、途中まで一緒に帰っていい?」

凜にとって玲は「憧れの人」だ。しでも一緒にいたいと思うことは別に変なことじゃない。

「な・ん・だ・と・・・ ︎   (心の聲)」

持っていた鞄をつい落としてしまった。

玲は鞄を拾い揚げてから乗り気ではないが、凜と帰ることを承諾した。

「ああ、いいよ別に」

「本當!ありがとう」

凜はすぐさま荷をまとめ支度が終わったと合図をするように勢い良く立ち上がった。

「じゃあ行くか ︎」

玲はついため息まじりに言ってしまったがどうやら凜には聞こえてないみたいだった。

玲は教室を出ようとり口に目をやると、なぜかそこには違うクラスや學年らの生徒が大量に集まっていた。そして彼らは何故か玲達を見ていた。それだけじゃない、クラスメイトも皆何故か玲と凜に注目しているのだ。

「なぁ、雨水さんなんか周りから視線をじるんだけど気のせいかな?」

「え!今更気付いたの?てっきりこの視線がやだから帰るって言ったのかと思ってたんだけど」

どうやら凜の方はこの視線に、だいぶ前に気づいていたらしく今更揺はしない。

「でもなんで俺らこんな珍しいもん見るような目で見られてるの?」

玲は自分達が注目を集める理由が全く思いつかなかったが、凜は既に理解している。

「なんでって、そんなの決まってるじゃん。」

凜は「今更何言ってんの」と言わんばかりに玲を見ている。その後し呆れたような表で玲に説明してくれた。

「この國で今、最も優れた畫家がいるんだよ、そりゃあ一目見ようと集まるでしょ」

しかし當の本人はいまいちピンときていないのか、し勘違いをしている。

「雨水さんってそんな凄い人だっんだな。いや〜そんなこととは知らずさっきは「変な子」とか言ってすみませんでした」

「いや、だから、うちじゃなくて神谷くんのことだから」

「え!なんで?俺ってそんな有名だったの!」

凜の言っていることは正直言って信じられない。何故なら玲は今まで普通に生活してこれていたのだ。1人の人間として接してくれる人はいたが、畫家としての玲に接して來る人はそれこそあの表彰式以外ではいなかった。いきなり國1番の畫家と言われても信じられないし、実もわかない。

「億単位の金を平気でかす人が自分の価値を知らないってどう言うこと?」

凜が呆れたようにらした言葉に玲は又しても驚かされた。

「億単位の金!ってどう言うこと?俺それも全然知らないんだけど」

「本気で言ってる?」

凜はもう何が何だかよく分からなくなってきてしまった。何故か他人である自分が「神谷 玲」本人に「神谷 玲」のことを教えているのだ。

「マジでわかんない」

「本當自分のことなのに何も知らないんだね。貴方が展覧會に出した絵が金持ちの間で高額で取引されてるの。その値段が億単位ってこと。特にアルバス國際蕓祭の3作品なんて全部が3億以上の値で取引されてたんだから」

「へ〜、そんなしてたんだ。いゃ〜、ネットとか全然見ないからそんなの全然知らなかったよ。それにしても隨分と詳しいんだね」

「これくらい畫家を目指してるんだったら常識だと思うけど。」

照れ隠しなのか、凜はちょと俯きになって顔を隠している。

「ふーんそっか。まぁいいや、それより早くここ出るか」

玲はゆっくりと教室の出口に向かい歩き出した。

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