《突然不死という最強の能力に目覚めちゃいました》生徒會役員 1

玲と凜は教室を出ようと人混みへ向かい歩いていた。

教室の扉を開け廊下に出ると、その人混みが一気にざわつき出した。

「ねぇ、君が神谷 玲?なんか思ってたのと違うんだけど」

いきなり1人の男が話しかけてきた。上級生だろうか、かなり上からの言いだ。

いくら上級生だからといって初対面の人に対する話し方じゃない。 そこにいる大勢の人が思ったはずだ。

「そうですけど、何か用ですか?」

相手が失禮な態度を取ってきたので玲もそれなりの対応をした。ぶっきらぼうな言葉に加え相手を睨みつける。

男はまさかそんな対応をされるとは思っていなかったのかそこから一気に弱気になってしまった。

「いや、なんか全然表舞臺に出てなかったから、もっと気で、こう引きこもりみたいな人だと・・・」

男の聲は後半になるにつれ徐々に小さくなっていき最後の方はほとんど聞き取れなかった。

それに対し玲は「聞こえないんだけど!もっとはっきり言ってくんない」と言いそうになったが、相手は上級生の上、周りには大勢の人がいるので堪えることにした。

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「話が終わりならもういいですか?速く帰りたいんですけど」

玲の言葉にその男だけじゃなく周りにいた人達も反応し、人だかりで埋まっていた廊下の真ん中に一気に道ができた。

玲はその道を靜かに堂々と歩き始める。し遅れ凜も玲の後を追うようにし小走りで歩き始めた。

「あんな態度取ってたら友達できるどころか嫌われちゃうよ」

人混みを抜けた頃、凜は玲を心配し聲をかけた。

「第1印象が大事なんだよ。印象に殘るようにしないと」

凜の心配をよそに玲はかなり余裕だ。しかし凜は玲の言っていることがいまいち理解しきれていない。

「だからあんなこと言ったらよけい・・」

凜の言葉を遮りるように玲が話しを続ける。

「だから良いんだよ。一々対応してたらキリないだろ。「キツイ」って印象持たせとけばあの人達も、もう集まんないでしょ。見世みたいになるのはゴメンだからね」

玲が最後に玲はし笑ってみせた。

玲の言ってることはよく分かる。でも本當にこれで良いのかと凜は素直に納得する事は出來ない。だかこれは彼のことだ、自分がどうこう言う事じゃない。

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「神谷くんが、それで良いなら良いんじゃない」

納得したような言葉ではあったが、その聲音と顔には納得できていないと出てしまった。そしてそれに気づかない玲ではない。

「あぁ、これで良いんだよ」

玲は苦笑い混じりに呟くように言った。

再び玲と凜の間には沈黙の時間が流れる。それはさっきまでのとは違くより深いものだった。

「トンッ!       トンッ!       トンッ!       トンッ!」

2人の足音が廊下に響く。さっきまであんなに騒がしかっのが噓みたいだ。

「トンッ!      トンッ!      トンッ!      トンッ!        トンッ!      トンッ!    タッ!  トンッ!   タッ!タッ!タッ!」

「 ? 」

自分達の足音に混ざり誰がこっちに走ってくる音が聞こえてくる。

「どうせまたさっきの塊の端くれだろう」と思い振り向くとそこには意外な人がいた。

「玲くん久しぶり。そうでもないか先週ぶりだっけ?」

そこに居たのは學式で挨拶をしていた生徒會長 霜月 乃明だった。

「生徒會長様が僕に何か用ですか?」

冗談混じりに言った言葉だったが、乃明は本気に捉えてしまったらしい。

「何それ、なんかやなじ」

「冗談ですよ、本気にしないでくださいお久しぶりです乃明先輩。會長の方がいいですか?」

「なんだ冗談かぁ〜。君、冗談ついてるように見えないよ。完全に騙された。あと先輩でいいよ」

冗談と解ると安心したのか乃明は笑顔に戻った。

「ところで先輩、前に會った時と雰囲気違う様な気がするんですけどなんかあったんですか?」

乃明は前にファミレスであった時よりなんだか明るくなっている。

「何もないよ?いつも通りだよ」

乃明はキョトンとし答えた。

だが、確かに前に會った時とはだいぶ雰囲気が違うのだ。

「乃明はいつも通りだよ。前に會った時が疲れてただけ」

玲の疑問に答えたのは翼だった。乃明が來た時にはいなかった翼がいつの間にか乃明の橫に立っている。

「翼先輩いつからそこにいたんですか?」

突然の登場に驚きつい聴いてしまった。

「「なんだ冗談か。君冗談ついてるように見えないよ。完全に騙された。あと先輩でいいよ」のあたりから」

「そうなんですね、つまり初めからって事ですね。すみません全然気づかなかったです」

玲は軽く謝る。

「いいよ別にだいたいの理由は分かるし」

そう言って翼は後ろに振り返り、玲達が歩いてきた方向を指差した。

その先には先程まで騒がしかった生徒たちが靜まり返っている。そして、さっきまでいなかった大男が玲達に背を向け、何やら彼らに説教をしている。その腕には風紀委員長と書かれた腕章がついている。

「あの人と翼先輩のが薄い事が何か関係あるんですか?」

「それがあるんだな〜。てゆうか先輩に向かって薄いとか失禮だよ。」

「すみません。で、それってど言う事ですか?」

翼の言っていることの意味がいまちいまだ理解することができない。

「あの人、山羊  一誠(やぎ いっせい)って言うんだけどね、まぁ見ての通り風紀委員長なんだよ。で、その風紀委員長の能力が「プレッシャー」。これで意味わかったよね。」

「プレッシャー」は自のあらゆる気配を大きくすることができる能力だ。玲が翼に気付かなかったのは翼のが薄いからでは無く、その後ろに異様に存在を出している者がいたからだ。翼が人混みを指差した時、玲がすぐ彼を見つけることができたのもこの能力が発していたからだ。

「そう言う事ですか。じゃあ今彼は殺気か何かを膨張させてるって事ですか」

玲は彼を前に靜まり返っている。生徒たちを見て大のことを察し、それを確かめる様に尋ねだ。

「流石だね。その通り!一誠は今自分の殺気を大きくしてこの騒ぎの鎮圧に務めてるんだよ。ところでこれは何の騒ぎ?」

なぜか乃明は自信満々に一誠の働きを説明すると、説明中に疑問が浮かんだのか急に尋ねてきた。

「乃明、あんた何も知らないできたの?」

翼はひたいに手をあて呆れている。

「そう言う翼はどうなのよ!本當は翼もわかってないんじゃないの」

翼の態度にムキになった乃明が言い返す。

しかし翼は平然とそれに言葉を返した。

「そんなの決まってるでしょ。「神谷 玲」がこの學校に學したから、それを見に生徒たちが騒いでたのよ」

「・・・・・!え、ええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇー ︎」

乃明は一瞬「ぽけ〜」と間を置いてから飛び跳ねる様に驚いた。

「うそっ!!私全然知らなかった!私も神谷様見に行く〜!」

乃明はまるで小學生の様にはしゃぎ人混みに向かい「タッー!」と走って言ってしまった。

そんな乃明に翼は再び、ひたいに手をあて呆れている。

「なんかごめんね。本人からしたらあまりいいものじゃないでしょ」

「別にいいですよ、そんな気にすることでもないですし、それより翼先輩は知ってたんですね」

玲は苦笑い混じりに答えた。

「ナック(ファミレス)で會った時もしかしてそうなのかな〜程度には思ってたけど、生徒名簿見て本人だと分かった時は流石に驚いたよ」

翼は平然とした様子で話した。

「そうなんですね。でも何で乃明先輩は知らなかったんですか?」

學する生徒の報が副生徒會長の翼にっているのなら、生徒會長の乃明にもその報がっていてもおかしくない、むしろ當たり前のことだ。なのに乃明はそのことを知らなかった。玲の頭の中に疑問が浮かぶ。

「それは、あの子が仕事をサボったってことだね。私はもらった書類に一通り目を通したけど、あの子めんどくさがってやらなかったんだろうね」

「そんなんでよく生徒會長が務まりますね」

「まぁ一応良い子ではあるからね」

玲が呆れた様に言うと、翼はフォローしようと言葉を探すが、褒める言葉が見つからなかったらしく現狀で一杯の言葉をかけた。

その時「ギュ!」っと弱い力で何かが玲の制服の裾を引いた。その主は、今まで場の展開についていけていなかったのか、ずっと黙っていた凜だった。そして彼は小聲で言葉を発した。

「ねぇ神谷くん、生徒會の人達と知り合いだったの」

「知り合いと言うかさっき翼先輩が言ってたけど前にナックでちょっと話しただけ」

凜は、し疑いの目を玲に向ける。

「本當かな?一回會ったくらいでそんなに仲良くなれないと思うけど」

玲が正直に答えたのに疑われ困っていると、翼が助けてくれた。

「玲くんは噓なんかついてないよ。雨水 凜さん」

「!!   何でウチの名前知ってるんですか!」

突然名前を言われ凜は驚きを隠せない。

「先輩もしかして全校生徒の名前覚えてるんですか?」

玲が冗談っぽく聞いた。

「流石に全校生徒は覚えてないかな。2.3年生は全員覚えているが、新生は注意すべき生徒と大まかな有名どころしか抑えていないかな」

「それってどれくらいいるんですか?」

凜が恐る恐る聞いてみる。

「現在2.3年生が3306人、恥ずかしながら新生は1647人學したんだけど、まだ100人程しか覚えていないかな」

翼は新生全員の名前と顔を覚えることが出來ていないからかし恥ずかしそうに言った。

それを聞いた玲と凜はし引き気味になっていた。

その時翼の後ろの方から野太い聲と乃明の聲が聞こえてくる。

「會長!貴があの群集と一緒になってどおするんですか!ちゃんと會長らしくして下さい」

「會長の座なんかあげるから玲様に合わせて〜」

聲のする方に目をやるとそこには、さっきまで、集まっていた生徒たちに説教をかましていた風紀委員長がいた。そしてその肩には、さっきはしゃいで跳んで行った乃明がかつがれていた。

「何やってんだこの人」玲は聲の聲がれそうになったがギリギリのとこでこらえた。

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