《突然不死という最強の能力に目覚めちゃいました》サモナー!?
「もうこんな時間か」
玲は1人廊下を歩きながらスマホで時間を確認する。學式、今日の日程は11時に終わるはずだったがもう12時になろうとしていた。
「メシどうすっかな〜」
玲は誰に言うでもなく1人呟いた。
そんな彼をから覗く1人の人影があった。
「ようやく見つけたぞ、我が主人よ・・・」
「ん?・・・ 誰かに付けられてるよな」
玲は後ろからの気配に気づき、し歩く速度を上げた。
なんなんだよ、俺は早く帰りたいだけなのに何でこんな問題ばかり起こるんだよ。
玲が歩調を早めても一向にその距離は変わらない。もう正面玄関まで來てしまった。玄関は殘っていた人がチラホラいるだけあまり人はいなかった。
奴を捕まえるには今しかない。玲は相手が靴を履き替える時を狙い後ろを気にしながら外へ出た。しかし、その気配は玄関で止まってしまい出て來なかった。
出て來ないならそれで良いか
玲は気にしても仕方がないとそのまま帰ることにした。しかし、またしても問題に突き當たってしまった。
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何でだ、なぜこんなにもこの學校は俺を帰してくれないんだ
玲の行く手を阻んだのはカツアゲの現場だった。
「なぁ、ちょっと金貸してくんない?今月金欠でさぁ」
どっかで見たような赤い髪の男が2人組みに迫っている。
「いゃ〜、か、貸すもなにも僕たち今そんなお金持ってないし」
ビビりながらも2人組みの片方がそれを斷る。しかし赤い髪の男はそれを許さない。
「はぁ?適當なこと言ってんじゃねぇよ、燃やすぞカスどもが」
赤髪は手から炎を出し脅しにかかる。
あぁ、やっぱりあいつだ8年前公園で喧嘩を売って來た奴だ。
「すみません!払います、払いますから助けて下さい」
炎を見て怖気付いたのか2人組みは鞄を開き財布を探し始める。
玲はここで無視することもできる。しかしそれでは後味が悪い。家に帰ってモヤモヤしたくはない。仕方なく玲はカツアゲを止めにることにした。
「その辺にしとけよ・・・落ち武者くん」
玲はカツアゲ犯の肩を後ろから「ポンポン!」と叩き聲をかける。
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「その名で呼ぶなぁぁぁぁぁぁ!!」
その瞬間、赤髪はブチギレ手の炎を膨張させ背後の玲に向かい振りかざした。
「ッぶねぇなぁ!當たったらどうすんだよ」
玲は咄嗟にバックステップを踏みそれをかわした。
「チッ! テメェ何でその呼び名を知ってる」
男は當たらなかったことに舌打ちをし、玲を睨み付けた。
「何でって、その現場にいたからじゃん」
「おまえ ︎あの時の・・・」
赤髪は玲の顔を見て思いだしたのか言葉を失った。
「おまえ相変わらず、くだらないことやってんだな」
玲は挑発とも捉えられる言葉を口にする。
「黙れ!お前だけはゆるさねぇ。あの日、俺はお前らに全てを奪われたんだよ、あの気持ちお前らにわかんねぇだろうけだな!」
「全てって、お前があの時の失ったのは頭部のだけだろ。大げさな」
あの時玲達は彼の髪を切ってしまったがそれ以外何もしていない。しかし赤髪はそうは思っていなかった。
「そののせいで俺は仲間を失い、學校では笑い者にされ散々な生活を送って來たんだぞ!お前にそれがわかるかって言ってんだよ!」
「お前人のせいにしてんじゃねぇよ。仲間?あんくらいで離れてったんなら元から仲間じゃなかったんだろ。お前に目をつけらんないよう一緒にいただけだろ。そんなの失ったって言わねぇよ。
笑い者にされたのだってそうだ。元々お前みたいな格のやつで笑われてたんだろ。それが表に出ただけだ。失った?勘違いも大概にしろよ。だいたいお前あの時の俺らを燃やそうとしただろ、あれ當たってたら本當に全てを失うとこだったんだぞ。髪だけで済んだんだからいいだろ」
玲に言い返され赤髪はもう返せる言葉がない。
「ッるせぇ、うるせえ!!」
赤髪は複數の火の玉を自分の周りに作りそれを玲めがけ飛ばして來た。
それに対し玲は一直線に赤髪に向かい走り出す。迫り來る火の玉を最小限のきでかわし一瞬で赤髪の目の前にたどり著く。そのまま彼の橫まで來ると、掌底を彼の顎に當てる。
「お前いい加減にしろよ」
小さくそう言うと玲はその手に力を込め思いっきり赤髪にぶつける。その瞬間衝撃波のようなものが玲の手から発生する。そして赤髪は20メートルも先まで飛んで行った。
「これに懲りたらもうこんなことすんなよ」
玲はそう言うと、その場を後にしようとするが、玲の行く手には人だかりが出來ていた。それだけじゃ無い玲達を囲むように人が集まっている。教室の時程では無いがそこにはざっと100人程度の生徒が集まっていた。
「おいおい學早々喧嘩かよ」    
「てか片方無能力者じゃなかった」
「バカ言えあれはどう見ても能力強化だろ、人間のきじゃねぇよ」
野次馬達はどうやら喧嘩を見に來ていたらしくかなりざわついている。
「チッ!見せもんじゃねぇぞ」
玲は小さく吐き捨て荷を拾い帰ろうとする。
「おい一年やべえぞ!早く逃げろ」
野次馬の人がんだ。それに振り返るとそこには10メートルはある巨大な炎の塊があり、その下にはさっきの赤髪が片手を大きく上げ立っていた。
「ブチ殺してやる。お前だけは絶対に許さねえ!!死ねぇぇぇ!!!」
赤髪は炎の塊を玲に向け飛ばして來た。
「さすがにこれ食らったらやばいな」玲が能力を使おうとした瞬間、野次馬の中から1人の男が玲と炎の間に飛び出して來た。
男は拳を握り炎に向かいそれをぶつけた。
ズドーンッッ!!
炎の塊が消し飛び、激しい発音と衝撃波が辺りに響き渡り、煙が辺り一帯を覆った。
「我が主人に手を上げるとは貴様よっぽど死にたいようだな」
強い風が吹き、煙が流され男の姿がわになる。
長は170後半くらい髪は黒をベースに前髪に向け白い線がっている。首からは髑髏と十字架のネックレスを垂らしており、左手の指にはこれまた髑髏を模した指が何個もはめられている。そして捲り上げられた右腕の裾からは赤黒く普通の腕より一回り大きい、まるで悪魔の様な腕が剝き出しになっている。
その顔に玲は見覚えがあった。同じクラスで変な自己紹介をしてた奴だ。確か・・・
玲はその自己紹介を思い出す。
「黒牙 仁(くろが じん)だ。貴様ら一般人と仲良くするつもりはない、ここには我が主人を探しに來た以上だ」
そうだ黒牙だ。取り敢えず禮は言っておくか。
「すまない助かったよ黒牙くん」
「フンッ!何を今更畏まって、俺のことは昔みたく仁と呼べ我が主人よ」
ん?何言ってんのこの人。
玲はに覚えのないことを言われ戸ってしまう。
「いゃ〜助けてもらったことはありがたいけど、人違いじゃないかな?」
「この俺が人違いなどするはずがない我が主人、神谷 玲又の名をゼロよ」
確かに俺が神谷 玲だけど・・・我が主人とかゼロとか意味わかんねぇよ!あれかいわゆる頭のネジが飛んじゃった人つまり廚二病か
玲は彼の正を理解出來たが周りに集まった人たちはそうはいかない。
「我が主人って言ったよな。もしかしてあいつサモナーなのか」
「見ろあいつの腕あれは悪魔だ。悪魔のサモナーだ」
「あの一年一何者だよ」
再び周りがざわつき出した。
「テメェ、能力隠してやがったのか!俺なんかに能力使わなくても勝てるって見下してやがったのか!!馬鹿にしやがって」
赤髪もまた黒牙の言うことを信じ玲に対しての怒りがさらに大きくなっている。そして再び炎を作り出す。
それに対し黒牙も構える。と、その時玲の後方から一本の矢が放たれ赤髪の眉間寸前で靜止する。さらに、突如和服の男が現れ赤髪の元に刀をかざした。
「貴様死にたくなかったらさっさと失せろ!」
和服の男の言葉に流石の赤髪も逆らえず「クソッ!」と吐き捨て何処かへ行ってしまった。
「若!お怪我はありませんか?」
玲の後方からの聲が聴こえてくる。そして1人の20代くらいの和服のが玲を橫切り黒牙に駆け寄っていく。
その手には弓が持たれ腰には矢筒がある。どうやらこのが矢を放ったのだろう。
さらに和服の男も黒牙に駆け寄り心配をしている。
「何を大袈裟なあれほどの攻撃くも無いわ。それよりお前達もう良い退がれ」
「「意」」
黒牙の言葉に2人は2つ返事で退散して行った。男は霧の様に「スーッ」と消えて行き、の方は軽そうに人混みを飛び越え何処かへ消えて行った。
その直後一帯いの空気が一気に重くなる。
「生徒會だ!全員その場をくな」
人混みから現れたのは風紀委員長、山羊 一誠と生徒會副會長、白石 翼だ。
「あれ?玲くんじゃん、君は問題なんて起こさないと思ってたけどな」
翼の言葉に玲は苦笑いしかできなかった。
「取り敢えず2人とも生徒會室まで來てもらうよ」
「はいわかりました」
玲はおとなしく翼の言うことに従う。それに習い黒牙も生徒會室へ向かう。
「副會長私はし話を聴いていく、先に行ってくれ」
一誠はそう言うと周りの生徒たちに話を聞き始めた。翼はそれに頷き玲達を生徒會室へ連行した。
「始めからこの現場にいた者は話を聴かせてくれ」
「あの〜先輩、あの人達は僕たちを助けてくれただけなんです」
一誠の呼びかけに2人の男子生徒が答える。
「すまない、詳しく聞かせてくれないか」
一誠がその詳細を求めると2人組は快く答えてくれた。
「僕達が赤髪の生徒にカツアゲされて・・・
                                ・・・だから彼等は悪く無いんです」
一誠は2人にその詳細を聞き驚いた。
彼がサモナーだと?いったいどう言う事だ。彼はプレッシャーの能力者じゃ無いのか。2つの能力の持ち主など聞いたこともない、書類では無能力、目撃者によるとプレッシャーそしてサモナー、いったい彼は何者なんだ。
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