《突然不死という最強の能力に目覚めちゃいました》黒金 剛
「あー!間に合わなかった、ねぇ今どんなじ?」
玲と黒金署長の模擬戦が始まってししてギャラリーに鈴木さんが若い連中を連れて現れた。その背中には眠ったままのめいの姿もある。
「大丈夫、まだ始まったばっかだ。でも今んとこは署長の方が一方的に攻めてるってじかな」
口のすぐ橫で試合を見ていた男があご髭をりながら試合の狀況を教えてくれる。
「そうか、まだ始まったばかりか、良かった。お前らよく見とけよ署長の本気なんて滅多に拝めないからな」
まぁ俺は署長よりも今の玲くんがどこまで強くなってるかの方が楽しみだけど。
「でも鈴木さん、能力を使った戦闘ならまだしもこれただの毆り合いじゃないですか。いくらが強くても能力者の前じゃ意味無いですよ」
上司からのアドバイスに不満があるようで鈴木さんが連れてきた若手の社員達の中から不満の聲が上がる。
はぁ、これだから最近の若いのは。上司の言うこと全部聞けまでは言わないけどさ、せめてしくらい參考にはしてほしいよ。
「そう思ってるなら別に観なくてもいいぞ。でもなぁ、お前が能力使ったところで、あの2人には勝てないと思うけどな」
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鈴木さんは若手相手についしキツイ言葉を放ってしまた。普段は優しい鈴木さんからのキツイ言葉に若手連中らは一気に引き締まる。
「すみませんでした鈴木警部。以後このようなことのないよう心掛けます」
おいおい、さっきとはまるで別人だな。今まで甘くし過ぎてたのかな。でもこれはこれでなんかやりずらいな。
「いや〜ごめんね、し言い過ぎた。そんな改まらなくてもいいからさ。アドバイスとして聞いてしかっただけなんだよね。食わず嫌いは良くないっていうかさ、しでいいから観て行きなよきっと何か得られるものがあると思うよ」
鈴木さんはさっきの発言に後悔し軽く謝り、続けて自分へのフォローをれる。
今度の言葉は若手一同もしっかりと聴き2人の戦いへ目を向けた。
戦いは一見して一方的に見えた。黒金署長が玲に向かいひたすらに毆打を続けている。一方の玲は懸命にその攻撃を防している。
「玲!お前俺の攻撃を全て防ぐとは隨分と強くなったもんだな。だか防してるだけじゃ俺には勝てんぞ!」
「うるせぇよジジイが鈍ってたから準備運してただけだよ!」
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今まで防に徹していた玲がついに一発目の攻撃を放った。鋭い右ストレートが黒金署長の腹部に向かい飛んでいく。
しかしその一撃は腹部に到達する前に彼の右手でけ止められてしまった。
「いいパンチだ、昔と違い隨分と重くなったな」
黒金署長は「まだまだ余裕だ」と言わんばかりに笑みを浮かべ、玲の右手をガッチリと摑み左手を大きく振り翳す。
不味いなこれ直にけたらさすがにただじゃ済まないな
しかし玲は今右手を摑まれ避けることができる狀況じゃない、ここで玲が取れる行はもう1つしか殘されてない。玲も黒金署長同様左腕を大きく引き署長の一撃に合わせ拳をぶつけた。
ズドッッーン!!
2人の拳の衝突により大きな衝撃波が生まれ、戦闘室とギャラリーを挾むガラスが大きく揺れる。
「おいおいマジかよ玲くんこんな強くなってたのか、あの署長のパンチを止めるなんて・・・」
2人の戦いを観て驚いていたのは鈴木さんだけではなかった。戦いを観戦しに來た全員が2人の戦いに圧倒されていた。
「見る必要なんて無い」と言っていた若手警でさえ2人の戦いに釘付けになっていたのだ。
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「どうなってるんですかあれ。無能力者同士のパンチで何で周りのガラスが揺れてんですか!」
興を隠せない若手達の言を見て鈴木さんはかなり嬉しいそうに首を縦に振り頷いている。
そうだろう、そうだろう2人の戦いを観て興するなという方が無理だというものだ俺なんて興し過ぎて夜眠れなかったからなw
「無能力者っていうけどな、あの2人は能力強化した連中でも勝てないような力だからな、ガラスくらい揺れるだろ」
鈴木さんがに浸っている間に橫にいた男が質問に答
えてくれた。
「彼の言うとうりだ。署長は昔サイコキネシスで飛ばされて來た大型トラックをパンチ一発で相手に跳ね返したことがあるほどだからね」
に浸っている間もしっかりと話は聞いていた様で鈴木さんは彼の言葉に付け足す様に署長の強さを話した。
「そんなことって・・・」
2人の話を聴いた若手一同は驚きのあまり言葉を失い唖然としている。
そんな若手に鈴木さんは誇らしげに淡々と署長の昔話、もとい武勇伝を語りだす。
「あれはもう15年も前の事だよ。ちょうど大きな問題を解決して、署のみんなが疲れ切っていた日の深夜に起きた事だ」
*   *   *   *
「お疲れ様、全員よく聴け、今日は良くやってくれた、皆の頑張りで事件も無事怪我人1人出さず収めることができた。疲れてるだろうし今日は早く帰って英気を養うといい。」
15:00
約3年という長期に渡る調査を経て兇悪なテログループを無事全員逮捕することができ署はお疲れ様モードになっていた。
黒金署長は彼らを労わり、後は任せろと警達をし早いが帰らせることにした。その時の私はまだ若くその作戦には參加していなかったため署長と共に署に殘ることになった。
私は若手という理由だけで現場に出れることなどほとんどなく、その日は現場に出れるかもと期待を抱いて過ごしていた。しかし私が思っている程上手くは行かずその日の4區はいたって平和な街だった。
00:00
會話の無い室には時計の秒針が刻む整った一定の音だけが鳴り響く。
余りにも靜かすぎる室に自分以外誰もいないんじゃ無いかと思う程だった。
晝からずっと事務仕事をしていたせいか眠気がピークにたっした私は眠気覚ましにコーヒーでもな飲もうかと思い席を立つ。ついでに室を見渡すと署長の姿は無く本當に室には自分以外誰もいなかった。
署長どこ行ったんだろ「後は任せろと」とか言っといてどっかで寢てたりしてw
事務作業も片付いてしまったので、エントランスにある自販機でコーヒーを買い署長を捜しに署をふらふらしていると、地下から「ドーンッ!ドーンッ!」と何やら鈍く響き渡る音が聞こえてくる。
何だろうこの音?訓練所の方から聞こえてくるけど・・・
私はその奇妙な音の源を確かめるべく恐る恐る音のする方へと向かい進んで行った。
階段を下るにつれその音は大きく、近くなっていく。さらに近くに來たことで音だけで無く振までもが一帯に響き渡っていることがわかる。そして階段を下りきるとその音はトレーニングフロアの扉の向こうから聞こえていた。
こんな時間に一誰が?それにこんな振起こるはずがない。一中で何が起こっているんだ?
トレーニングフロアは、を鍛えるためのフロアで能力を使う場所じゃ無い。音が出るものなんてせいぜいサンドバッグとバーベルくらいだこんな異常な音がするはずがないのだ。
私はその理解出來ない狀況に多の恐怖を抱きながらもゆっくりと扉を開いた。
「フンッ!  フンッ!  フンッ!  フンッ!・・・」
するとそこには壁に設置された衝撃吸収板に向かい拳をぶつける署長の姿があった。
その景に私は言葉を失ってしまった。當時設置されていた衝撃吸収板は約1tの力までを完全吸収出來る仕様になっていた。しかし彼の放つ一撃はその許容範囲を遙かに上回り吸収しきれない力が署に響き渡っていたのだ。
「どうしたこんな時間に?もしかして君もトレーニングか鈴木くん」
黒金署長は私に振り返ることもなく一切きを変えず、パンチを打ち込みながら口だけで私に聴いてきた。
「いいえ、トレーニングに來たわけでは・・・。地下から音が聞こえて來たので様子を伺いに來ただけです」
「そうか、それはすまなかったな。わざわざこんなとこまで足を運ばせてしまって。そうだ、せっかくここまで來たんだ君もトレーニングして行ったらどうだ」
「そうですね、ここまで來たんでやっていきます」
署長からのいを斷るわけにもいかず私は渋々トレーニングをしていくことにした。
「無理しない程度にやれよ、何かあったら出するんだからな」
黒金署長は今度は手を止めこっちに振り返り、私に忠告してくれた。彼はそのまま部屋の一角にある重量が集められているところに行き、バーベルを摑むとそれをダンベルの様に扱い始めた。
その異様な景を前に私は考えるのをやめ無心で筋トレに勵むことにした。
02:00
無心で筋トレをすること1時間、突如隅に置かれた電話が鳴り始めた。
ガチャ!
「はい、こちら4區中央警察署です・・・はい・・・はい分かりましたすぐ向かいます。鈴木くん支度したまえすぐ出るぞ!」
「はい自分はすぐにでも大丈夫です」
「ほう、良い心がけだ、ではすぐ行くぞ」
私は署長と共にパトカーで現場へと向かった。
「署長何があったんですか?」
署長の運転するパトカーでの移中、電話の容を聞けていなかった私は現場の狀況を確認した。
「酔っ払いだ。まったく迷な奴だAランカーが酔っ払って能力使って暴れてんだとよ」
「酔っ払いですか・・・」
なんだ酔っ払いか、せっかく署長の前で活躍して點數上げようと思ったのに、酔っ払いじゃあな。
期待外れの事件にやる気が一気に下がってしまった。
「著いたぞ、早く降りろ」
現場の近くで車を止めそこから走って現場へ向かう。
「これはひでぇなぁ」 
「確かにこれは酷いですね」
現場に著くとそこは、もはや酔っ払いが暴れた程度の狀況ではなかった。何臺もの車が無殘な姿で転がっており、辺りの建もひびがり、崩れているもあった。
たかが酒でこんなにも大きな災害になるものなのか。でもこれなら署長にいいとこ見せらそうだ。
私は酷く荒れた現場を前に期待が膨れ上がっていた。
「行くぞ!気引き締めろよ」
黒金署長は私に一聲かけるとそのまま現場の中央へ向かって歩き出した。私もそれに続き歩き出した。
現場の中心に近づくと、おそらくこの災害の原因であろう人の姿が見えてきた。
「おい!お前俺の監視下で隨分好き勝手してくれたじゃねぇか」
「あぁ〜?なんらお前ッ?  ヒック!  このおえになんか文句れもあるんか〜?」
男はどうやら完全に出來上がっているらしくろれつが回っておらず足取りはかなりふらついている。
「文句?そんな甘ったるいことで済むと思ってんのか?オメェは牢獄行きだよカスが」
「あぁ?おめぇだえにむかっれくちきいれんらかわかっれんのか?」
突如男の近くにあった店の置き看板が浮かび上がり、私達の方へと飛んで來た。
ガシャッーン!
看板は私達に當たることなく10mも離れた見當違いの場所へぶつかった。
サイコキネシスか。ここまで強力なのは初めて見たな。
「てめぇら、なによけてんらよなめやがって、こんろはぶっころしてやる」
どうやら男は酔いのせいで上手く的が定まらなかった様だ。しかし男はそうは思っておらず逆上し再びその能力を発揮する。そしてその能力の対象は近くに止めてあった10tダンプだ。
これはさすがにやばいな。でもこれなら署長に良いとこを見せられる。
「署長ここは私がやります」
しかし黒金署長はそれを許してくれなかった。署長は私の前に手を出し「まぁ待て、俺がやるよく見とけよ」とそう言うと腰を下げゆっくりと右腕を引いた。
噓だろこの人に能力はプレッシャーのはずだ。そんなただの人間の力であんなの止められる訳がない。
10tダンプがこちらに向かいかなりの速度で飛んでくる。そして目の前に來た瞬間。
ズゴッバドーンッ!!!
黒金署長から放たれた一撃は10tダンプをペチャンコにし男に向かって跳ね返す。ダンプはそのまま飛んでいき男の真後ろに墜落した。
「マジかよ・・・」
私が呆気にとられていると黒金署長は平然とした顔でこう言った。
「手をれないでをかすのがサイコキネシだろ、それを手を使って返せてもなんら不思議なことじゃないだろ。だいたいここ數年で出て來た超能力に何千何萬もの年月へて進化して來た人間本來の能力が負ける訳ないと俺は思うがね」
それからはあっという間だった。酔っ払いは恐怖で気絶してしまい、すぐに牢獄へ打ち込まれた。そして私は先に帰る様言われ家に帰って眠りについた。しかしあんなものを見せられた後に眠れるはずもなく気が付いたら朝になっていた。
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