《突然不死という最強の能力に目覚めちゃいました》裁判(仮)

「じゃあお前らくれぐれもハメを外しすぎない様に帰れよ」

石田の言葉がHRの終了を告げる。ついに放課後になってしまった。

「神谷くん、もう行く?」

玲が荷をまとめていると前の席の凜が尋ねてきた。

「そうだね、嫌なことはなるべく早めに終わらせたいしそろそろ行くか」

玲はもう1人の當事者である仁に聲をかけ生徒會室へと向かった。仁は相変わらず廚二病全開で話しかけ來るが玲はそれを軽くあしらっていた。

「よし、行くか」

生徒會室の前まで來ると一度止まり覚悟を決め扉に手をばした。玲のその行につられる様に仁も言葉を放った。

「さあ、審判の時だ!」

軽いはずの扉がなんだかとても重くじる玲はゆっくりと扉を開き中へと足を踏みれた。

「お!來た待ってたよ3人とも、さぁさぁどうぞ腰掛けて」

るなり乃明がソファーへ腰掛ける様促してくれた。生徒會室には乃明しかおらず翼と一誠の姿は見當たらない。

「乃明先輩、翼先輩と山羊先輩が見當たらないんですけど2人は?」

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「2人はもう1人の子を捕まえに戦闘學科に行ってるよ。じきに戻って來ると思うんだけどな。まぁそれまでゆっくりしてて」

乃明はそう言い殘し1人奧の仕事部屋へとって行ってしまった。そして部屋には玲達3人だけが殘された。

「乃明先輩どうしたんですかね」

凜は昨日と違い無駄話をせずなんだか大人しい乃明を心配している。

「あの人も一応生徒會長だしそれなりに忙しいんだろ、心配はいらないと思うぞ」

玲は凜の言葉に推測でしがないがしでも気を楽にさせようと言葉をかけると、いつも通り仁がまたわけのわからない事を言い出した。

「そのとうりだ奴も1つの組織をまとめるボス!そんなやわなわけがなかろ」

「まあ確かに神谷くんの言うとうりだけど、その原因を作ってるのは君達なんだけどね」

いつからいたのか後ろから急に聲が聞こえ振り向くとそこには翼の姿があった。

「翼先輩いつからそこにいたんですか!」

「いつの間に!貴様この俺の背後を取るとはなかなかやるな」

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凜と仁は突然後ろから聞こえた聲に驚きを隠せないでいた。

「君たち驚き過ぎよ、でもまあ、全く驚かないってのもあんまり面白くないだけどね」

翼は自分の登場に対し全くの無反応だった玲を見ながらボソッと呟いた。

「いや、そんな事ないですよ、驚き過ぎて聲出なかったんですよ」

「そんな棒読みで言われてもね、だいたい君私がって來たときにすぐ気付いてたものね」

玲の誤魔化そうとしているかいないかよくわからない喋り方に翼は軽く笑いながらバッサリと事実を言い放った。

その言葉に凜と仁は驚嘆して玲に視線を向けた。

「そんな事ないですよ」

玲は作り笑顔でそれを否定した。

「まっ、その話は置いといてそろそろ最後の1人が來る頃でしょうし乃明呼んでくるから」

翼は奧の部屋へとって行き、すぐに乃明を連れて戻って來た。そしてそれと同時に一気に辺りの空気が重くなる。この覚は昨日味わったばかりでそれが一誠のものだということはその場に居る全員はすぐに理解できた。

ゆっくりとり口の扉が開き一誠の姿が目にる。さらにその隣には一誠に腕を摑まれ大人しくしているあのカツアゲ犯の姿がある。

「チッ!」

玲が視界にるとカツアゲ犯は玲を睨みつけ舌を打った。その態度にムカついたのか一誠はカツアゲ犯をし手荒に椅子に座らせた。

「じゃあ全員揃ったことだしそろそろ始めようか」

當事者全員が揃い乃明が裁判(仮)の始まりを告げた。

「じゃあまず私達生徒會が把握している一連の流れを話すから違っているところ、捕捉するところがあったら言ってくれ」

プレッシャーの能力を弱めること無く一誠が淡々と昨日の出來事を語り出した。

「昨日の放課後、普通學科の新生2人に向かい日野お前はカツアゲをしようとした。これはあっているか?」

へー、こいつ日野って名前なんだ、一応覚えとこ

玲はプレッシャーの範囲にも関わらず今質問をけているカツアゲ犯を眺めながら特に関係のない余計な事を考えていた。そしてもう1人プレッシャーの中でも怯むことのない奴がいた。

「あってたら何なんだよ!」

その場違いな態度に生徒會のメンバーと玲は驚きを隠せない。

「なぜこの男はプレッシャーの中平然としていられるんだ」玲達の思ったことはほとんど同じだ。

生徒會のメンバーは一誠の能力を間近で何度も験して來たためその能力の効果が薄れているため、プレッシャーの中でも普段と何ら変わらない態度でいられる。

玲の場合は過去に、一誠の発するそれとは比較にならないほどの大きな殺気を験しそれを克服したためほぼ全てのプレッシャーの影響はけない神力をもっている。

つまり彼もまた何らかの理由がありプレッシャーの影響をけにくくなっていることになる。

「ねえ、日野くんなんで君はプレッシャーの中そんなに強気でいられるの」

理由が気になった乃明はストレートに質問を投げかけた。

「は?!何でそんなことわざわざ話さなきゃならねぇんだよ!言うわけねぇだろ!」

玲の目には日野がかなり焦っているように見えた。どうやら日野には人に知られたくない出來事があってそのせいでプレッシャーに抗ができたみたいだ。しかし乃明は容赦なく彼の過去を聞き出そうとしている。

「今はこっちの質問に答えてもらうからね」

日野はよほど言いたくないのかギュッと歯を食いしばり、そして一瞬ちらりと玲に視線を向けた。

?助けを求められたってことはないよな、となると、そういうことか。

玲の頭の中で昨日の日野の一言が再生される。

「そののせいで俺は仲間を失い、學校では笑い者にされ散々な生活を送って來たんだぞ!お前にそれがわかるかって言ってんだよ」

つまり日野は玲達によって奪われた髪のせいでいじめにあっていたのだ。そうなるとなからず玲は罪悪じてしまう。

正直言ってこいつのことは嫌いだけどそれでもやっぱり可哀想だよな

「乃明先輩、俺この後用事があるんでなるべく早く終わらせてもらってもいいですか?」

その言葉はひどく冷たく何だか圧がかかっていた。その圧は一誠のプレッシャーとは違い乃明1人に向かい一直線に飛んでいく。

そしてその圧を乗せた言葉は乃明を貫いた。普段けて來たプレッシャーとは明らかに違う圧に圧倒された乃明は玲の思通り話を元の路線へと戻した。

「あっ、ごめんねつい気になっちゃって」

乃明はまるで萎れた花の様にシュンとしている。

ごめんなさい乃明先輩後でお詫びはするんで今は付けにしといてください。

落ち込んでしまった乃明に、心の中で謝る玲、そしてプレッシャーでさっきから一言も喋っていない凜と仁、生徒會室はすっかり靜まり返ってしまった。

「それじゃあ時間もないことだしさっさと終わらせようか」

見かねた翼が再び裁判(仮)を仕切りなおしてくれた。

「日野くんはカツアゲをしようとしたことで・・・」

*     *     *     *

その後は特に話が線することもなくほんの小1時間ほどで裁判(仮)は終わった。結論だけ言うと玲と仁は正當防衛とし処理され特に罰則はされなかった。一方の日野は下手すれば殺人未遂で退學では済まないところまで行くところだったが、仁の介により怪我人が出なかったため一ヶ月の停學処分だけで済んだ。

「おい神谷!貸しができたなんて思ってねぇからな」

昇降口まで著くとそれまで黙っていた日野がいきなり口を開いた。

「何のこと?・・・でもなんか嫌なじ」

日野が玲に助けられたことを知らない凜と仁は何のことを話しているのかわからずキョトンとしているが日野の荒い言葉使いと態度に明らかに敵意を向けている。

「・・・でも助かった、ありがと」

「ツンデレかよ!!」

日野の発した思いもしない一言に玲はついツッコミをれてしまった。

「誰がツンデレだ!馬鹿にしてんのか俺はもう行くからな」

日野は顔を真っ赤にして速足で去って行った。

「何だったのあいつ」

「さぁな、でもはいい奴なのかも知れないな」

玲のけ答えに凜と仁は驚きを隠せない。

「神谷くん一応言っておくけど昨日あいつ神谷くんのこと殺そうとしたんだよそれなのにいい奴なのかもって・・・」

「雨水の言うとうりだお前は甘すぎる、甘すぎて焼けがしそうだ」

「そうかな、別に普通だと思うけど」

玲の言葉を聞いた2人は変えを合わせ呆れてた様な顔をしている。

「まぁ神谷くんがそれでいいならいいけどさ」

凜はまだ納得できていない様でし不服そうな顔で呟いた。一方の仁は何だか嬉しそうに見える。

「我は奴のことは信じぬが玲、お前の言葉は信じよ。なんせお前はこの俺が唯一認めた者だからな」

「そっか、ありがとう。じゃあ俺そろそろ行くは」

生徒會室で用事があると言ってしまったてまえあんまり長話をしているわけにもいかない。玲は2人に軽く手を挙げ駅に向け歩き出した。

「また明日ね」「さらばだ我が主人よ」と背中越しに2人の聲が聴こえてくる。玲はその聲に振り返ることなく再び手を挙げて応えその場を後にした。

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