《突然不死という最強の能力に目覚めちゃいました》ヤベー楽

日曜日

玲と沙紀は電車で中央區へ向い、そこで乃明達と待ち合わせしている。

「えーと、待ち合わせ場所はここで良いんだよな」

し早く指定された噴水広場に著くがまだ乃明達の姿は見當たらない。

「沙紀なんか飲むか?俺買ってくるけど」

「じゃあ、暖かい紅茶で無かったら適當に暖かいのでいいや」

もう4月半ばになるがまだ朝の空気はし冷たい。玲はし離れた場所にあるある自販売機に飲みを買いに行ったん噴水広場から離れた。

「えーと紅茶、紅茶っと」

玲は2人分の飲みを買いすぐに沙紀の待つ場所へと戻った。

すると確かにそこには沙紀の姿があったがその周りには沙紀と楽しげに話す見知らぬ子達が居た。

「沙紀そちらの3人は?」

買って來た飲みを沙紀に渡し玲はその見知らぬ子達について尋ねた。

「あれ?言ってなかったっけ?部活の友達」

沙紀の言葉と共に3人は軽く頭を下げてくれた。

え!友達と買いするのに俺呼んだの?どう考えても俺居なくて良くない?

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玲は自分の妹の考えが全くわからず混してしまう。

「じゃあ何で俺呼んだの?」

「何でって前に部活で使う楽買ってくれるって言ったじゃん」

あっ、そういうことねなら俺が居なきゃダメなわけだ。

玲が話を理解することが出來たところで、ちょうど最後のグループがやって來た。

「ごめん待たせちゃった?」

玲達の姿を見つけ走って來たのか乃明と翼はし息を切らして來た。

「大丈夫ですよ乃明さんまだ待ち合わせよりし早いですから」

沙紀の言葉につい時間を確認すると確かにまだ予定時間より5分程早かった。

沙紀の言葉に笑顔になる乃明だが、その橫の翼は待たせたことが申し訳なかったのか「すみません」と頭を下げていた。

「じゃあ行きましょうか」

そう言って沙紀は目の前に建つショッピングモールへ向かった。それに続き一同も歩き出す。

向かう道中何故か沙紀は乃明と翼と話していて、玲は沙紀の友達に囲まれていた。

「沙紀さんのお兄さんって有名な方なんですよね」

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「有名どころじゃないよ木村に聴いたら「これから歴史に名を刻む人だ」とか言ってたもん」

「なにそれw木村大袈裟すぎw」

木村って誰だよ!てか初対面なのにグイグイ來すぎ、最近の若いのってみんなこんなじなん?

玲は正直彼達の猛口撃についていけなかった。

*     *     *     *     *

玲が猛口撃に耐えること數分目的の店に著いたのか前を歩いていた沙紀たち3人が足を止めた。

「ここなんかどうかな?私がよく來る所なんだけど大抵のはあるから良いと思うのだけど」

そっか翼先輩って軽音部なんだっけ、生徒會室でしか見たことないからすっかり忘れてたな

「まぁ、見て見なきゃわかんないんだから取り敢えずろう」

翼の言葉に沙紀が答える前に乃明がさっさと中にって行ってしまった。

ると中はかなり狹くとても品揃えが良いとは思えない、壁にはかなり高価なギターが並べられいてそれ以外の商品は全く見當たず、カタログらしきが置いてあるだけだ。

「矢部さんいますか?」

そんなに大きな聲では無いが狹い店では十分に響き渡る。

「翼ちゃん、相変わらず良い聲してるね♪それでボーカルやらないなんてもったいないな〜」

店の奧の扉が開き中から髪も髭も長くサングラスを掛けた奇抜なファッションの男が姿を現した。

え!?この人が店主?どう見てもヤベー人何だけど、大丈夫か?

玲は一気に込み上げてくる不安に襲われた。

「翼ちゃんそれで今日はどうしたんだい、そんな大勢連れて、またうちの常連が増えちまうぜ」

「ちょっとこの子の楽買いに來たんだけどなんか良いのってる?」

翼はもう彼の言には慣れているようでおどつく事なく普段どおりに會話をしている。

「「良いのってる?」翼ちゃん、舐めてもらっちゃ困るぜ、うちは良いものしか扱ってないし種類だって選びきれない程あるんだぜ、こんな事翼ちゃんも知ってるだろ♪」

こいついちいち喋り方ウザイな一発ブン毆ってやろうか、頭の緩んだネジが締まるかもしんねぇし

玲は毆りたい気持ちを堪えながら拳を強く握った

「で、どんなのがしいんだい?ギター、ベース、ドラム、キーボードうちはどれも扱ってるよ〜♪」

翼は沙紀の背中を軽く押し奇行種に戸って黙っていた沙紀の意見を引き出す。

「えっと、ギターを選びに來たんです」

「!?・・・君良い聲してるね!ギターなんて勿無い君はボーカルをやるべき だッゼェェェェ!!!」

突然騒ぎ出した奇行種に翼と玲を除き一同はかなり怯えている。

「いや、矢部さんこの子そもそもボーカルだからただ両刀で行きたいだけみたいよ」

え!?そうなの俺初めて知ったんだけど、なんでこの子は俺に一切を話してくれないのか

玲は翼に対し強力な敗北を抱いていた。

「そうか彼はボーカルか・・・こりゃあスゲー!有名になる事間違いない、こっちもとっておきのやつ出してやるッゼ!」

矢部はカウンターの引き出しを開き一冊の本を取り出し沙紀に開いて見せた。

「好きなの選びな試奏も勿論できるぜ」

そこには1ページに1つづつのギターの寫真が載っている。先はそのカタログをゆっくりとめくり選び始めた。

「すみません、これ出してもらってもいいですか?」

しばらくして沙紀は手を止め1つの寫真を指差した。

「あー、いい選択だじゃあちょっと失禮」

矢部は沙紀の手元からカタログを取りその寫真に手をあてた。そしてその手は本の中へと沈んで行き寫真の中のギターを摑みそれを引き出した。

寫真の中のギターが消えリアルの空間に姿を現した。

「ハイよ!どうだいうちの商品は、ホコリひとつ被っていないサイコーの管理だろう♪」

確かにそのはずだ常に本の中にあるのにホコリがつくはずがない。

沙紀はギターをけ取り様々な角度から眺めてみる。暫くして今度は首に掛けゆっくりと弦を弾き音を確かめる。音楽に興味のない玲には何が良くて何が悪いのか全く分からないが沙紀にはそれがわかるようだ。一通り弦を弾き終わると今度は素早く弾き音を奏で始めた。

「うん、これにする!私これがいい」 

暫くして手を止めた沙紀は玲の顔を見上げた。

「沙紀がいいならいいけど他の見てないけどいいの」

「おいおい兄ちゃん分かってないねこういうのは他人が口出す様なことじゃないぜ、なる様にしてこのギターは彼に選ばれたんだッゼ、それにあの目を見な他のどれを見ても結果は変わらない、あれはそういう目だ」

ウッザ、こいつ人を不快にする天才だな、マジイラつくは。

でもまぁ彼の言通り結局決めるのは沙紀だ玲は沙紀に最後の確認を取る。

「じゃあこれで良いんだな」

沙紀は無言で頷いた。

その後必要な小を幾つか買い會計に進んだ。

「アザーッス!全部で3009820円だ・け・どおまけして300萬でいいぜ1萬は俺からのスァービスダッゼ!」

その金額に玲を除く一同は驚愕していた。

「え、ちょっとこの金額は高すぎない」

「どう考えてもボッタクリじゃんw」

沙紀の連れ2人が信じられないと聲を上げる。それに対しもう1人はスマホで検索をかけ、それが適切な値打ちだと証明してしまう。

「でもネットで同じの探したら400萬になってるよ」

「払えななら分割でも構わないズェ!」

玲は鞄から分厚い封筒を取り出しそれをカウンターの上に置いた。置かれた封筒からは札束がはみ出して見えた。

「はい、お會計」

「「え、えぇぇぇぇ!!!!!」」

急に出されたその大金に一同は重ねて驚きを隠せない。

「お、お兄さん、そのお金は・・・」

沙紀の友達が尋ねてきた。

「300萬だけど、いや、だってカタログの隅に書いてあったし、先に用意しとい方が早いだろ」

「はい、毎度あり、兄ちゃんいったい何者だい、こんな大金普通の高校生には稼げる額じゃないぜ」

流石にこれには矢部も驚き揺からかさっきまでと比べ聴きやすい話し方に代わった。

「ふっふっふ、玲くんは普通の高校生じゃないよ、聞いて驚けこれからの蕓の世界を背負ってたつお人神谷玲様だ」

乃明の言葉に矢部は一瞬固まりその後すぐさま引出しから紙を取り出し玲に突き出した。

「サイン下さい!!」

「え?」

唐突の「サイン下さい」に今度は玲が固まる。

「サイン下さい!!」

固まっている玲に再び矢部がサインをせがんでくる。玲はその紙に言われるがままサインをした。

「イェェェェェェェェェェェェェェ!!!!」

その瞬間矢部は奇聲を放ち部屋の奧へと走って行ってしまった。

「矢部さんそう言えば君の絵を「神神」言ってた崇めてたは」

翼が思い出したように呟いた。

「いいなぁ私もサインしいな」

「乃明先輩サインくらい言えばしますよ」  

玲はしげに見上げる乃明を軽くあしらった。

「矢部さん居ないけど會計すんだし行っても良いんですよね」

「良いんじゃないかな品け取ったし」

翼から返ってきた言葉に一同はその店を後にした。

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