《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》18話 潛と作戦

ギルドでお金をもらった優とミーシェは街の武屋に來ていた。

「金には余裕があるから好きなの選んでいいぞ。」

「うーん、でも私戦えないよ?」

「護用に持っとけ。それに杖とかだったら魔法がうてたりしないのか?」

「私は生まれた時から回復魔法と結界魔法しか適正がなかったの。」

結界魔法?初めて聞いたな。

「その結界魔法ってのはどんなのなんだ?」

「普通に結界を作れるの。バリアよ。」

「それはなかなか使えるじゃん。最果ての窟でも使ってくれればもっと楽に攻略出來たのに…」

「あはは、ごめんごめん。」

「武は決まったか?」

「うーん…この杖にするわ。」

ミーシェが選んだのは、まどろみの杖と言う睡眠効果と回復効果upの能力がある杖だった。

「でもユウはドラゴンキラーがあるでしょ?どうして新しい武を買うの?」

「俺は剣のスキルを持ってないからな…ナイフか短剣にしようと思ってな。暗なら使えるみたいだからな。」

「そうね。」

「何かいいのがあればいいんだが…」

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悩んでいると店員が話しかけてきた。

「なら兄ちゃん。このナイフはどうだ?」

店員のおっさんがそう言って見せてきたのは、刀まで真っ黒なナイフだった。

「これは?」

「これは、昔腕のいい鍛冶屋の知り合いから譲って貰ったもんで、ずっと店に置いてあるんだが、暗を覚えてる奴はねぇからな。ずっと売れずに殘ってたんだ。今なら金貨3枚でいいぜ。」

「分かりました。それと後この杖をください。」

「毎度あり、2つで金貨5枚と銀貨30枚だ。」

「はい。」

「また來てくれや。」

「ありがとうございました。」

そう言って店を後にした。

「さて、この後はし城の様子を見てくるかな…」

「とうやって?城にはそう簡単にれないでしょ?」

「暗殺の潛伏で忍び込む。ミーシェは宿で待っていてくれ。」

「私も行く。」

「でもどうやって隠れるんだ?」

「そ、それは…でもユウが頑張ってるのに私だけ待ってるだなんて出來ない。」

「そうか…著いてくるならこれを被っとけ。」

そう言って渡したのは黒いローブだ。

「これは…?」

「ああ、最果ての窟で倒した魔が落としたものだ。能力は知らんがないよりマシだろ。」

「これってA級のしにがみが落とす影のローブじゃない…きっとユウの潛伏スキルより効果あるよ?」

「そうなのか?なら安心だな。それを著てくれ。」

「うん。」

「じゃあ潛開始と行きますか。」

夜中、まず優立ちが向かったのは、城の裏門だった。

ここは警備兵が2人だけだったのでここを選んだ。

「いいか?まず俺が幻影魔法のスリープで一人眠らせる。もう一人が眠らせた兵に気を取られているうちに、もう一人をまどろみの杖で眠らせてくれ。」

「わかった。」

「行くぞ。」

潛伏を使いこっそりと近づく。夜ということもあって気付かないようだ。そのまま後ろに回り、

「スリープ」

ドサッ

「どうした?!何があった。」

その隙にミーシェも後ろに回る。そして杖を振りかざした。

ドサッ

ふう…作戦功だな。

「ゆっくりしてられない。行くぞ。」

「うん。」

裏口は夜中ということもあり、やはり人はなかった。

「これじゃ暗くてよく見えないな…」

「そうね…慎重に行きましょう。」

「ああ」

―――スキル  夜目を獲得しました。

「まてミーシェ。今 夜目って言うスキルを手にれた。俺の知識だとこれは暗いところで見えやすくするスキルだと思う。」

「すごいタイミングね…そういうことなら任せるね。」

「ああ。」

スキル 夜目を発した。

おお!まるで晝間みたいに良く見える。これなら大丈夫そうだ

「今日は取り敢えず城の地下までのルートを知る。それが目標だ。行くぞ。」

「うん。」

「地下ってことは下だよな…取り敢えず階段を探そう。」

「わかった。」

すると燈りのついた部屋から話し聲が聞こえた。

「國王、ピルーク王國から勇者がやってくるのは六日後だそうです。」

「六日後か…それまでに何かあったら灑落にならん、城の警備をさらに固めておけ。」

「は!ではし地下の様子を見てまいります!」

「任せたぞ。」

なるほど六日後にあいつらがここに來るのか。それよりも地下に行くと言っていたな。

「あの兵士のあとを追うぞ。」

「うん。」

ついて行くとそこは祭壇のような場所だった。その祭壇の真ん中にはオレンジの寶玉が置いてあった。

「…あれか。」

「…お姉ちゃん…今助けてあげるからね…」

「まて、ミーシェ。今日は偵察だけだ。」

「どうして?近くにあるのにほっとけって言うの?」

「今日はダメだ。兵の數が多いし作戦も考えてない。それに見ろ。結界もってある。今日はルートもわかったし一度宿に帰るぞ。」

「でも…」

「お姉さんを早く助けたい気持ちは分かるがし冷靜になれ。」

「…そうね…ごめんなさい。」

「ああ、戻るぞ。」

「うん。」

その後見つかることもなくユウ達は無事宿に戻っていた。

「あ、そういえばお金もあるし、宿もう一人分とるか…」

「え?」

「その方がお前も寢やすいだろ?」

「…」

「ん?どうした?」

「…一緒がいい…」

「え?」

「私…ユウと一緒がいい…」

「しかしなぁ…」

俺の理が…

するとミーシェは顔を真っ赤にして、

「一人じゃ…寂しくて眠れないのぉ!」

見ると瞳が潤んでいた。

「そ、それは仕方ないな。…じゃあ二人で寢るか?」

「…うん!」

しかし特にムフフな展開になることはなく疲れていたのもあって、すぐに眠ってしまった。そして夜が開けた。

ん?なんだ腹のあたりが…締め付けられてるような…

「んー…むにゃ…お姉ちゃん…」

「どわぁ!」

ミーシェが、俺に抱きついていた。

「んー?ユウ?」

「おはようミーシェ。…さて…そろそろ離れてくれると助かる。」

どうやら気づいたようだ。

「ご、ごめんなさい!苦しかった?」

「いや、別に大丈夫。」

(とっても幸せございました…)

「ごめんね。お姉ちゃんと寢てた時のくせでつい…えへへ…」

お姉さんに抱きついて寢てたのか…可い奴め。

「気にすんな。それよりも今日の夜中城に忍び込んで寶玉を回収したいと思う。」

「今日?昨日潛したばっかなのに?」

「作戦は考えた。それにお前も早い方がいいだろ?」

「…うん、ありがと!」

「まず作戦だが基本は昨日と同じだ。そのまま地下まで行く。」

「地下についたら?」

「恐らく結界のせいで寶玉にはそうそう近づけないだろう。見た限り俺のレベルで壊せそうだったから俺が結界魔法を壊して兵士たちと戦っている隙にお前は寶玉を盜み出してくれ。」

「…もし私の方に兵士が來たら?」

「心配するな。お前の所には行かせない。異論はあるか?」

「んーん大丈夫。ちゃんと私を守ってね?ユウ。」

「任せとけ!」

こうしてユウとミーシェの作戦が始まった。

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