《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》47話 勇者side 決著
「松山!強化頼む!」
「…わかった。」
3人の最後の攻撃。松山が自分と小宮に強化を施す。
「…私も行くわ。」
「松山…ふん、足だけは引っ張るなよ?」
「…ええ!」
「江ノ島!」
「…菜々、お願い!」
「うん!フレイムランス!ファイアーバレット!」
「行くぞ…松山!」
「…ええ!」
「ストームフォース!」
「アイスフォース!」
武に付與魔法を施したが、尾が邪魔で二人は思うように攻めきれずにいた。
「ちっ…まずいな…」
「…小宮くん!尾は私と菜々で何とかする!その間にあいつを…」
「大丈夫なのか?」
「うん!任せて!」
「信じるぞ…々死ぬな。倒したあとの後味が悪いからな。」
「…ふふ。」
「うん!絶対三人で倒してみせよう!」
「…菜々!魔法を!」
「うん。いくよ…私の取っておき!プロミネンスブレイズ!」
火屬魔法の最上級魔法である。灼熱の炎がグランドドラゴンを包んだ。
「はぁ…はぁ…よろしく!由希ちゃん!」
「…はぁあー!真·五月雨切り!」
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この技は五月雨切りを松山が改造したものである。
5回の連続切りがグランドドラゴンの尾を襲った。強化と付與魔法が乗った一撃はグランドドラゴンの尾を落とした。
「…小宮くん!」
「任せろ…ハリケーン!」
風屬魔法最上級魔法であるハリケーンを放つ。
「お願い!小宮くん!」
「…う…おおお!」
ハリケーンで怯んだグランドドラゴンに小宮の剣が刺さった。
小宮はそのまま地面に落ちた。
「ぐっ…頼む!」
「お願い!」
「…もうかないで。」
グランドドラゴンはおおきな目を見開き、こっちを見つめた。しかし、目は次第に閉じていき、その巨が地面に伏した。
「た、倒したの?…」
「…やっ…やった…」
「…ふん。」
「や、やったぁー!由希ちゃん!小宮くん!」
江ノ島が二人に飛びついた。
「…ちょ、菜々、…たく。」
「馬鹿、くっつくな!離れろ…」
「あ、ごめん!嬉しくて…つい…」
「…大丈夫?小宮くん?」
そう言って松山は小宮に手を差しべる。
「別に君の手を借りなくても…」
そうは言ったものの小宮は起き上がることが出來ず、その場に腰をついた。
「くそ…」
「無理しないで小宮くん。」
「…そうよ。あなたが一番の重癥なんだから。」
「ふん…君達の手を借りるのは不本意だが…仕方ない。」
小宮は文句を言いながら二人の手を取った。
起き上がったはいいが、傷のせいでその場でよろけてしまう。
「ほら、肩貸してあげる。」
「誰が…」
「…いいから。ね?」
「…ふん。」
「…天城くんと橘くんは大丈夫かしら…」
「…最後…君たち二人の攻撃がなければ勝つことは出來なかった。」
「え?」
「その…謝している。」
「ふふ。うん!こちらこそ!」
「…小宮くんのおかげよ。ありがとう!」
「…ふん。」
「天城くん、橘くん、大丈夫?」
「…ああ。でも…」
「橘に何かあったのか?」
「いや、賢治は大丈夫だ。」
「…どうしたの?」
「…聖剣が!」
「知るか。橘と自分の命が助かったことに謝しろ。」
「くっ!」
「とっとと帰るぞ…僕はもうけない。」
「そうだね。」
「…ほら、天城くん。橘くんを連れてきて。」
「ああ…」
「やっぱり、小宮くんはすごいね!小宮くんがいなかったら私たち、きっとあのドラゴンの餌になってたよ。」
「…そうね。さすが小宮くんね。」
「う、うるさい…褒めたって何も出んぞ。」
「ふふふ。でも…本當にありがとう。」
「その…なんだ。ダンジョンに行く前に言ったこと…言いすぎたかもしれない。そのせいでダンジョン攻略に支障をきたしてしまったなら…」
「ううん。全部本當の事だもん。私が間違ってた。逆にありがとう。あの時の小宮くんのおかげで目が覚めたよ。」
「そ、そうか…」
「…私や菜々、天城くんに橘くんを守ってくれてありがとね。小宮くん。」
「ふん…」
こうしてダンジョン攻略が幕を閉じた。
ダンジョンから帰った一行は怪我をしていたため、城の醫療室で治療をけ、次の日、果や詳しいことを話すことになった。
3人はかなり消耗していたため集合に遅れてしまった。
「おお、聞いたぞ小宮。お前が天城をアシストしたおかげでグランドドラゴンを倒すことが出來たんだろ?」
「は?」
「天城がメイギスさんにそう言ってたぞ?」
「…さすがにないわね。」
「私メイギスさんに言ってくる!」
メイギスさんのいるところに行くと天城は子に囲まれ鼻高々に話をしていた。
「…どういう事かしら?天城くん。」
「何がだい?」
「倒したのはあなたじゃなくて、小宮くんのはずだけど?」
「ふぅ…ここじゃなんだ。僕の部屋に來るといい。」
「で?あれはどういうことなの?」
「別に小宮はこういうことに興味無さそうじゃないか。だからこの手柄が無駄になってしまう。ボクが仕方なくその手柄を貰ったってわけさ。」
「…あなたねぇ…」
「いい、松山。」
「…小宮くん。」
「でも…」
「天城。君はどこまでも負け犬なんだね。」
「なんだと?」
「人の手柄で自分がモテてそんなに嬉しいかい?鼻のがびきってるじゃないか。」
「うるさい!第一お前はそういうことに興味がないんだろ?」
「確かに僕一人の手柄ならそうかもね…」
「なら…」
「でも今回は僕一人では無い。二人の協力があったからこそだ。それを君の手柄?ふざけるな!」
小宮は天城を思い切り毆り飛ばした。
「ぐはぁ!」
「…小宮くん!」
「落ち著いて…」
「大丈夫。ありがとう。…天城、僕は今日限りで君のパーティーから抜けさせてもらう。じゃあね。」
そう言って小宮は去っていった。
「待って!小宮くん!」
「どうした?」
「…私達は小宮くんのパーティーに殘ってもいいわよね?」
「何を…」
「考えたんだ。やっぱり小宮くんはすごい。だからこれからもついて行かせて?ううん、ついて行くから!」
「…ふん。勝手にしろ。」
チーム小宮の誕生である。
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勇者sideはこれで終わりです。
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