《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》56話 やるべき事を

ギリース城王室

「おやおや…何匹かネズミがり込んだようですねぇ…」

「いかが致しましょうか?マリク様。」

「ふふふ…そう構える必要はありません。私たちは私たちらしく盛大に歓迎してあげようではありませんか!」

「はい。」

「それに…マリオネットの整備も十分に出來ています。」

「ですが…敵は勇者だと思われます。」

「関係ありません。相手が勇者だろうとお客様は丁重に接しなければ…さあ、私たちの舞臺の開演ですよ!」

ミーシェside

「ここが地下水脈ですミーシャさん。」

「やだなアイさん。ミーシャでいいって。それに敬語も使わなくていいよ?」

「そ、そう…じゃあミーシャ。」

「ふふふ…よろしくね?アイちゃん。」

「うん。そう言えばアーティファクトってどんなのがあるの?」

「えっと…今回私がユウから貰ったのは…雷の石と、なんかとにかく石。」

「石…」

「石だからって舐めてちゃダメだよ?ユウが作ったアーティファクトは強いんだから!」

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「…やっぱりすごいね…ユウさんは。」

「でしょ?…アイちゃん?」

「私…みんなの役に立ててるのかな…?ユウさんに助けられてばっかりで…本當はみんなを守らなきゃ行けないのに…」

「…大丈夫。アイちゃんはちゃんとみんなの役に立ってるよ。」

「え?」

「ユウはやるべき事をやってる。アイちゃんもそうじゃない。アイちゃんにはアイちゃんにしか出來ないことがある。私だってそう。料理長をやってるのも私に出來ることがそれだから。ユウが魔や巨人を倒すのだって…それがユウのやるべき事だから。…だからアイちゃんはアイちゃんにしか出來ないことをやろうよ。頼っていいんだよ。ユウにも。もちろん、私にもね?」

「ミ、ミーシャ…」

「だから!今は私たちのやるべき事をしよ?」

「…うん!…ありがとうミーシャ。」

「さて…こんなに染者が多いなんてね…」

「そうね。」

辺りには50人近い染者が集まってきた。

「ここは私に任せて、ミーシャ。」

「何か手があるの?」

「まあ見てて。セイントプレアー。」

「これは…」

辺りを清らかな風が包んだ。

染者は次々に倒れていった。

「すごい!みんなの染癥を解いたの?!」

「私だって伊達に聖やってないからね!…それにこれが今私のやるべき事。」

「そうだね…それなら私も…私のやるべきことをやらなくちゃ!」

目の前には2の巨人が立っている。

「まだ生き殘りがいたなんて…」

「任せて!」

ミーシャは2つのアーティファクトを天高く掲げた。

片方の石に電気が帯び、もう片方の石は冷気を帯びた。

「合魔法…アブソリュートゼロ!」

2の巨人は水晶のような氷像と化した。

「…こんなもんよ!」

「さすがぁ!すごい!すごいよ!」

「えへへ…それほどでも…あるけど…」

「私水脈に聖の祈りをするから、ミーシャはウイルスが來ないように結界魔法で守っててほしいの。」

「わかった…ディバインシールド!…今のうちに。」

「うん。セイントプレアー!」

水脈を清らかな風が包んだ。

「あとすこし…」

「焦らなくても大丈夫。結界魔法があるし、アイちゃんには指一本れさせないよ。」

そう言ってミーシャはアーティファクトで近づいてきた魔と戦っている。

「ありがとう!」

そのあとも浄化を続け、地下水脈の浄化を終わらせることが出來た。

「やったね!アイちゃん。」

「ミーシャ…ありがとう。ミーシャのおかげだよ。」

「ふふふ…」

「私…ちゃんとやるべき事を…出來たかな?」

「うん!頑張ったよ!」

「…よかったあ…」

「さ、後はユウの帰りを待つだけだよ。ギルドに戻ったら味しいアイスティー作ってあげる。」

「やったー!私ミルクティーね!」

「はいはい。私はレモンティーにしようかな…いや、ストレートもありかも…」

こうして無事地下水脈の浄化が終わり二人は仲良くギルドに戻るのであった。

ユウ&江ノ島side

「ちっ…なんでこんなことになってんだよ…」

「今はそんなこと言っててもしょうがないよ…」

「っ…くそ…出口はどこだ?」

こんなことになった理由は數分前に溯る。

城にった優と勇者一行は城の中の様子に驚愕した。なぜならまるでダンジョンのような窟狀の構造になっていたのだ。

驚愕したのもつかの間天井から壁が落ちてきて6人はふたりずつに別れてしまったのだ。

そのペアもなんの巡り合わせか知らないが、優と江ノ島、天城と橘、小宮と松山という何ともまぁというじのペアである。

…まずいなこいつと二人きりとは。

「優くん?大丈夫?」

「…っ…ああ…先を急ごう。」

「そうだね、みんなを探さないと。」

「…そう…だな。」

「…やっぱり…優くんは私のことを…恨んでる?」

「…なんで?」

「私は優くんに火傷を負わせたこと…忘れてた。」

「…」

「だから優くんは私のこと…」

「…大丈夫だ。」

「でも…だから優くんは私を見る火傷が痛むんでしょ?」

「…心配するな。そんなんじゃない。」

「でも!…私は嫌だよ…私のせいで優くんが苦しむのは…」

俺が苦しむのが嫌だ?自分のせいで?じゃああの時のは自分のせいじゃないと思ってるのか?…ふざけるな。お前は知らないだろう。裏切られて絶する苦しみを…

「大丈夫だ。」

「…優くん…やっぱり優くんの傷を癒せるのは…ミーシャさんだけ?」

「…」

「私は!…優くんのこと…」

「いい。それ以上言うな。」

「!…優…くん?」

「…とっとと出口を探すぞ。」

「…優くん…私はミーシャさんの代わりになれるかわかんない。でもここでは私を頼って?」

お前がミーシェの代わり?なれる訳ないだろ…俺はお前のせいで…ぐっ、くそ…

「…くっ!」

「優くん?!」

「…大丈夫だ。」

「今回復魔法を…」

「大丈夫だっていってるだろ!」

「優…くん…?」

この火傷はお前が治していいものじゃないんだよ…

「…行くぞ。」

「…うん。ごめん。」

そのまま進むと大きな空間についた。

「…隠れてないででてこいよ。」

「!…優くん?」

「へ!なんだよつまんねえなぁ。」

天井から聲がした。

「なに?!だれ?」

天井を見るとそこには長いブランコが吊るされていた。

「よお!我らがマリク様率いるサーカスにようこそ!俺は空中ブランコ擔當、ディビィだ!」

「…」

「…」

「なんだよ…反応悪ぃなぁ!」

「…いや、リアクションに困ってんだよ。」

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本日2話目です。

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