《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》58話 二人の試練
ギリース王國ギルド
「ミーシャ〜、ユウさん帰ってこないね。」
「そうだね。」
「不安じゃないの?」
「ユウなら心配ないもん。」
「信頼してるのね…」
「まーね。それよりも心配すべきは勇者達じゃない?」
「…そうね…大丈夫かしら…」
「今は信じて待つしかないよ。紅茶お代わりいる?」
「…もらう。」
小宮&松山side
「サーカスだと?どういう意味だ?」
「そのままの意味よ。私はマリク様が率いるサーカスの一員、猛獣使いのバーネリーよ。」
「…何が目的?」
「私の役目はあなた達に私のショーを見て楽しんでもらうこと。」
「そんなものに付き合っている暇はない。通してもらうぞ。」
「せっかちね。私、ショーを急かす人は好きじゃないのよ?」
「構ってる時間はないと言ったんだ。どいてもらうぞ。」
「私は別にいいけど…ウチの子はあなた達にショーを見て行ってもらいたいそうよ?」
檻が開き、數匹の魔獣が出てきた。
「5匹か…」
「に飢えたインフェルノタイガーよ。あなた達に相手がつとまるかしら?」
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「…小宮くん。」
「ああ、援護頼むぞ。」
「ええ、アクアフォース。」
「さあ、ショーの時間よ!」
バーネリーは床をムチで叩いた。
5匹が小宮にいっせいに飛びついた。
「海神斬!」
小宮はそれをかわしながら斬撃を放ち1匹を絶命させた。
「なかなかやるわね〜。でもまだ4匹いるわよ?」
「松山!」
「…ええ!アクアフォース。」
松山は自分の剣に水を纏わせる。
「…真·五月雨切り!」
水を纏った刃が、2匹を消滅させた。
「…小宮くん、お願い!」
「トルネード!」
殘りの2匹を空中に巻き上げた。
「海神斬!」
全てのインフェルノタイガーをなんとか倒すことが出來た。
「まあ所詮A+級の魔獣よ?他にもまだいるんだから…こんなので息が上がってて大丈夫?」
「お喋りにつきあう気は無い。」
「なんだ…つまらないわねぇ…次はこの子の相手をしてくれる?」
檻からは2匹の大蛇が出てきた。
「頼むぞ、松山。…松山?」
「…い…」
「どうした?松山。」
「…いやぁぁぁ!へ、へ、蛇ぃ!!」
「あら?お嬢ちゃんは蛇が嫌いなのぉ?」
「…來ないでぇ!」
「落ち著け、松山!」
「…でも、でも…蛇が!」
2匹の大蛇は松山を睨み、舌をチロッと出している。
「…あは…もうダメ…」
松山はその場に倒れた。
「松山!しっかりしろ。」
「この子を連れてきてよかったわ。手間が省けた。やりなさい。」
「くそっ!」
小宮は松山を抱えて、大蛇の突進をかわす。
「よく避けたわね〜。でもその子を抱えたままどれだけ持つかしらね?」
「くそ!松山、起きろ!」
「…」
「ちっ…ストームフォース!はあ!」
大蛇の1匹に切りかかる。
「甘いわねぇ…もう1匹いるの忘れてる?」
「しまっ…」
1匹の突進をもろにくらってしまった。
「がっ…!」
「その子を守りながらだと無理があるでしょ?大丈夫?」
「はぁ…はぁ…黙れ。」
「そうだ!取引しない?」
「なんだと?」
「その子をこの子達の餌としてくれれば、あなたを通してあげる。」
「…」
「どうする?」
「論外だ。」
「えー…あなたは仲間なんかいらないっていうタイプだと思ったのになぁ…」
「検討違いだな…僕はグループリーダーだ。仲間を売るはずがないだろ?」
「あっそ、もういいや。やっちゃって。」
2匹の大蛇が猛スピードで突っ込んでいく。
「ちょっと?!何してるのあなた達!?」
2匹の大蛇は何故かバーネリーの方に突っ込んでいった。
「何してるの?!あいつを殺しなさい!」
「…殘念だが君の大蛇はちゃんと僕を攻撃してるよ…」
「何を言って…」
「幻影魔法さ。君の姿、匂いが僕と同じようにじるよう誤認させた。」
「そんな…!あなた達!目を覚ましなさい!」
「無駄だよ。魔力はかなり使ったが…僕が今使ったのは幻影魔法最上級魔法、パーフェクトジャック。君の可いペットの意識は僕のものだ。」
「そんな…ことが…」
「寢てないでとっとと起きろ。松山。」
「…んっ…むにゃむにゃ…」
「…たく。」
「そんな手があったなんて…あなた達!お願い!目を覚まして!」
「無駄さ。」
バキン!バキバキ…
檻を破り次々と魔獣が出てきた。
「な?!あなた達…出ていいとは言ってないわよ!」
「僕が言ったんだ。魔力はすっからかんだがな。」
「やめて…來ないで…きゃぁ!がっ!…ぐ…やめで!…が」
「自分のペットに食われる想はどうだ?」
ゴリッ!ボキン!ゴキゴキ…
魔獣達はバーネリーを取り合うように食べ始めた。
「はぁ…はぁ…今のうちに…次のフロアに…松山、起きろ。」
「…ん?小宮…くん?はっ!蛇が!」
「もういない。次のフロアに行くぞ。」
「…わ、わかった。」
「悪いが、肩を貸してくれるか…歩けそうにない…」
「…そうね。助けられちゃったわね。ありがとう小宮くん。」
「ふん…」
「ふ…ふふふ、やるわねあなた達…」
「!…まだ生きてたのか?」
目の前に足を喰われ、上半だけのバーネリーが出てきた。
「ふふ…じきに死ぬわ…でもただでは通さない。」
バーネリーは指を鳴らした。
「何を…」
「ふふふ…あなた達が絶に歪んだ顔で死ぬところが見れないのは…殘念だわ…ゲホッ…」
ゴリュッ!
バーネリーはそのまま魔獣に食べられた。
ドゴォン!!
壁が崩れそこからは1匹の巨大な犬が現れた。
しかし犬と言っても頭が三つある。
「ケル…べロス…」
「…うそ…あんなでかいの…どうやって…」
「逃げろ、松山。」
「…小宮くん?」
「魔力は…すっからかんだが…足止めくらいはできる。」
「…!…そんな…」
「君が死ねば江ノ島も悲しむからね…僕はグループリーダーだ。仲間を守るのは僕の仕事だ。」
「…嫌よ!」
「松山!」
「…あなたが死ねば!…私だって…菜々だって…悲しいよ…」
「松山…」
「…うっ、うっ、お願い…逃げよ?一緒に。私が連れていくから…」
「…頼む。」
「…!…うん!」
「でもどうする気だ?狀況はかなり厳しいぞ…」
「…死にものぐるいで走るしかないわ。」
「ふ…作戦もクソもないな…それは。」
「…それでもやるしかないわ。」
「信じるぞ。」
「…ええ。」
松山は出口に向かって走り出した。
「…強化、魔結界。」
強化で俊敏をあげ、魔結界で盾を使った。
「…落ちないでよ、小宮くん。」
「余計なお世話だ…」
「…ふふ。」
「!、松山、止まれ!」
「…え?」
ドゴォン!
空から巨大なケルベロスの前足が降ってきた。
「…あ、危なかった…」
「周りは僕が見る。君は走ることだけに集中してくれ。ほかの魔はあいつが踏み潰してくれてるからね。」
辺りにはケルベロスが踏み殺した魔の死が転がっていた。
「…信じるわよ。」
「ふん…」
崩れてくる瓦礫などをかわしながら、二人は出口の近くまで來ることが出來た。しかしケルベロスの尾は…
「…へ、蛇!」
「落ち著け。」
「…私、蛇だけはどうしてもダメなのぉ!」
蛇がこちらに気づいた。
「避けろ!松山!」
松山と小宮は蛇が吐いた毒の息をギリギリでかわした。
「…危ない。」
「!…松山、上だ!」
「…え?」
上からケルベロスの炎が迫っていた。
「松山!」
小宮は松山を突き飛ばした。
「…小宮…くん?」
「君のために死ぬことになるなんて…悔しいよ」
「…小宮くん!」
「メイルストローム。」
その炎は激流によりかき消された。
「!…藤山!」
「小宮くん!由希ちゃん!大丈夫?!」
「…菜々…」
「たく、ギリギリだったぞ?」
「すまない…助かった。」
「…小宮くん!」
松山が小宮に抱きついた。
「な!?離れろ!」
「…よかっ…たぁ!小宮…くんが…無事で…本當によかった…」
「松山…」
「良かったね、小宮くん。」
「ふん…」
「的な場面なとこ申し訳ないが、敵はまだ生きてるからな?」
「「あ…。」」「…あ。」
「…たく。まあ小宮の勇気に免じてここは俺がなんとかしてやるよ。」
優は土屬魔法と、火屬魔法の合魔法を放つ。
ケルベロスに向かって飛んでいく砂嵐の中を炎が通り、砂に引火して、塵発を起こす。
「チェインサラマンダー。」
「ガウアァァ!」
「お?まだ生きてるか…」
「グアウ!」
ケルベロスは炎をこちらに向けて吐いてくる。
「優くん!」
「心配するな。」
優は手を振りあげ火をかき消した。
「う、うそぉ!?」
「…え?!」
「藤山…今…何を?」
「いや、息で消すのもよかったんだけどさ、火は口で消したらマナー違反だなんだって言うじゃん?だから仰いで消したの。」
「「「…」」」
「どうした?」
(((そういう事じゃねえよ!)))
「まあいいや、でもあれで死なないなんてな…し痛い目見てもらわないと…」
ケルベロスは三つの頭を互に突き出し頭突きしてきた。
「お、頭突き勝負か?それなら…」
ゴチン!!!!
「ガウウウウ…」
「どうだ?ちったあ効いただろ?」
「グアアン!」
「うっせえなぁ。言うこと聞かない犬は嫌いだぞ?あ、マシュマロは別な?言う事聞かないけど可いから!」
「わかったから!優くん、前、前!」
「ちっ…言う事聞かない犬は嫌いっつってんだろ?」
優は高く飛び上がった。
「伏せ。」
ドン!
優は拳を振り上げケルベロスの頭を打った。
ズドォン!
「終わりだ。ニブルヘイム。…あ、離れろよ?そっちまで冷気が行くかもしんない。」
「きゃっ!」
「…くっ…」
「大丈夫か?終わったぞ。」
「「「…」」」
「ん?どうした?」
「あ、いやっ…すごいなぁって…」
「助かった。藤山。」
「いいさ、それよりもまだ天城と橘がいないな…行こうぜ。」
合流した4人は次のフロアに進み出した。
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明日は多分2話出せます!念をれておきますね。多分ですから!
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日→火
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