《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》60話 道化
無事合流した優たちは、マリクが待つであろう地下室に向け、足を進めていた。しかし、マリクがなにかしたのか、道がり組んでおり、絶賛迷子中である。
「松山、この道であってるのか?」
「…私に聞かないでよ。」
「誰か道がわかるやつ連れてくればよかったな。」
「多分それでもダメだよ。地下室までの道は私が聞いといたけど結構、の教団のせいで変えられちゃってるみたいだから…」
「めんどくせぇ…もう壁ぶっ飛ばしちゃうか?」
「ダメだよ!」
「…さっきから考え事?天城くん。」
「ま、松山さん…いや、何も無い。」
「…そう?」
「さすがにこれだけ歩くと疲れるね…」
「そうだな、僕はまだ魔力が戻ってないから…くたくただ。」
「んじゃこの辺で休憩するか。」
「…そうね、藤山くん、ご飯持ってきたの。あなたはないでしょ?ひとつあげる。」
「いや、俺はいい。」
「でも食べとかないと…」
「大丈夫。ミーシャが弁當作ってくれたんだ。」
「…へぇー、ミーシャさんが?」
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「おいおい、お前らも朝ごはん食べただろ?」
「え?」
「あいつは料理はプロ級の腕だぞ?」
「…へぇー…すごいわねぇ…」
「優くん、一口食べさせて。」
「え?ダメ。」
「どうして?」
「そ、そりゃあ…なあ?」
やばい、キラーロブスターを使ったサンドイッチとは言えないからな。
「えー?どうして?私ミーシャさんが作ったお弁當食べてみたい。それはロブスターのサンドイッチ?」
「そ、そうだけど…俺、ずっと楽しみにしてたんだ。だから…」
「一口だけでいいの。お願い。」
「…菜々。藤山くん困ってるでしょ?」
「むー…」
「そういうお前らは何食べてんだよ?」
「…これ?…保存食。」
「へ、へぇ…味そうだな。」
「…味しくないわよ。」
「そ、そうか、なんか申し訳ないな。」
「…」
「…」
「いやぁ、味いな、さすがミーシャ。ははは…」
「呑気ですねぇ…」
「!」
「誰だ?!」
すると壁が剝がれ、中から道化師のような格好をした男が現れた。
「酷いですよ、お客様。私ここでずっと待っていたんですよ?」
「誰だよ。」
「申し遅れました、私マリクサーカス団団長マリクというものです。」
「ああ…あのふざけた連中の…」
「おや?団員の侮辱は見逃せませんね…」
「…でも全員倒したわよ?」
「それでも彼らは最後まで自分のショーをやり通しました。彼らも本でしょう。」
「ふーん…で?お前は何を見せてくれるんだ?」
「優くん!」
「…藤山くん…」
「どうせなら見せてもらおうぜ。」
「いいでしょう。私のここでの仕事はコミックです。」
「なんて?」
「コミック。すなわちピエロ。ジャグリングとかどうです?得意ですよ?」
「あ、いいや。綱渡りのやつに見せてもらったから。」
「ふむ…そうですか…」
「どけ藤山!俺が倒す!」
「突っ走るな、天城。」
「うるさい!裏切り者のお前に指図される筋合いは無い!」
「…天城くん!」
「ま、松山さん…」
「…落ち著いて。」
「さっきからどうしたの?落ち著きがないって言うか…」
「とにかく!こいつの相手は俺がやる!藤山は手出しするな!」
「天城くん…」
「じゃあ任せるわ。」
「優くん?!」
「おい、藤山。それはさすがに…」
「いい、小宮。俺がやる!」
「冷靜じゃないぞ、君。」
「うるさい!俺がやるって言ってるだろ!」
「さてと…俺はミーシャのところに帰るかな…」
「待ってよ優くん!由希ちゃん、小宮くん、天城くんの事よろしくね!」
「…わかった。」
「おや?3人だけですか…」
「うるさい!3人じゃなくて1人だ!」
「…天城くん!」
「俺一人でやる!二人は見てろ!うぉぉ!シャイニングアロー!」
「なかなかすごい魔法ですねぇ…」
そう言いながらもマリクはそれを易々とかわした。
「サンダーフォース!、でりゃあ!」
「おっと…すごいですね…ならこれはどうです?」
マリクの足元から大きな玉が現れた。それに乗り玉乗りを始めた。
「…天城くん!ファイアーフォース!」
「邪魔するな!」
天城は松山の方に魔法を放つ。
「松山!」
「…きゃっ!」
「俺の戦いだ…」
「君…なんてことを…」
「はぁ!ライトニングスラッシュ!」
「流石の聖剣は凄いですねぇ…」
パシッ
マリクはそれを片手で止めた。
「そ、そんな…」
「ギリ…クソがあ!うおおおお!」
「やめろ!天城!その技を使ったらもう一度聖剣が折れるぞ!もう直せないんだぞ?!」
「カオス·ホーリーソード!」
「よせ!」
「天城くん!」
パシッ
「な!」
「そんな…」
「…うそ…!」
「謝してくださいね?折れないように丁寧に止めて差し上げましたから。」
「…俺の…奧の手が…」
「あなた…本當にラギスさんを倒したんですか?あなた程度にやられる腕ではなかったはずですが…まあいいです。」
マリクは懐からナイフを取り出した。
「私はね…サーカス団の団長である以上全てのサーカスの技を覚えました。もちろん綱渡りや、空中ブランコもね。あなた達の様子はしっかりと監視していました。あなたには私と戦う資格はない。そろそろ自覚を持ったらどうですか?あなたはリーダーのじゃない。それならあの年、藤山優の方があってると思いますけどね。」
「!…そん…な…」
「天城くん!」
「…天城!」
ナイフが天城の腹に刺さった。
「1人は片付きましたね…どうします?あなた達2人はバーネリーを見事に倒してみせました。戦ってみます?ですが魔力も殘っていないあなた達に何が出來るでしょうか?」
「くっ…松山。」
「…うん。」
「これは藤山に頼るしかない。江ノ島がなんとか連れ戻すまで持ちこたえるぞ…」
「…うん!」
優&江ノ島side
「優くん!待ってよ、どこに行くの?」
「どこって?あいつが任せろって言うから…帰ろうかなと。」
「そんな…でも天城くんじゃ…」
「ああ、100パー無理だろうな。」
「なら!」
「ちょっとやることがあってな…」
「優くん?」
「地下室への階段はここか。」
「地下室…まさか!?」
「そう…寶玉♪」
「でも…どうして?」
「先にとっとけばあいつ倒すのも楽だから。」
「それは…そうだけど。3人は戦ってるんだよ?」
「天城はともかくあの二人は大丈夫だろ。」
「でも…」
「なんたってあの二人の息はピッタリだからな。」
小宮&松山side
「なかなかのコンビネーションで。どうです?私のサーカスで2人でアクロバットをやってみては?」
「論外だ。」
「…誰があなたのサーカスなんかで!やるなら2人だけでやるわ!」
「いや、そういう問題じゃない…」
「これでどうです?」
マリクがナイフを數本投げてくる。
「さっきと同じじゃないか…」
「…!、避けて!」
ナイフは進路を変えこちらに飛んできた。
「追尾式か…面倒だね!」
小宮は剣で叩き落とした。
「まだまだ行きますよ!」
「…數が多い!」
「僕が捌く!後ろに!」
「…結界で援護するわ!魔結界!」
止めることは出來なかったが、減速させることが出來た。
「よくやった!」
小宮は全てを叩き落とした。
「…これでラスト!」
「甘いですね…」
「何!?」
マリクは小宮の懐に潛り込んでいた。
「大道蕓は得意なんです。」
マリクは口から炎を吐き出した。
「…小宮くん!」
「くあっ…ぐっ!」
「…よくも…!」
「おっと、遅いですよ?」
ナイフが足に刺さった。
「…ぐぅ!」
「終わりですか…呆気ないものですね…勇者というのは。」
「くそっ…」
「…小宮くん…!」
「終わりです!」
「ファイアーバレット!」
數発の炎の玉がマリクに向かって飛んでいく。
「…菜々!」
「江ノ島…」
「おや…戻ってきましたか…いいでしょう相手を致しましょう。」
「殘念だけどお前の相手は俺で頼む。」
「藤山!」
「…藤山くん!今までどこに?」
「地下室だ。」
「地下室…まさかあなた!」
「お前も地下室を探してたんだろ?マリク。」
「…どういうこと?」
「この城にった時から違和があった。なんか魔法がかけられてたんだ。ギルドマスターから聞いた話だとこの國の王は結界魔法が得意だそうだ。きっと最後の力で隠したんだろうな。」
「まさかあなたは見つけたのですか?!」
「…まあな。」
「どうやって?!」
「うーん…勘?」
「「「…」」」
「まあせっかく王さんが最後に作ったチャンスだ。みすみす逃すわけには行かんだろう?だから取ってきた!」
優はピンクの寶玉を掲げた。
「…はははははっ!はははははっ!」
「お?狂ったか?」
「期待以上ですね…あなたは。」
「そりゃどーも…」
「ですがひとつ間違いがあります。」
「なんだと?」
「王殿下は死んでおられませんよ?」
後ろから2人の影が現れた。
ズドーン!
ギリギリでかわしたがそこには王の腕が刺さっていた。
「どうです?私のマリオネットです。」
「改造しすぎだろ!腕が床に刺さったぞ?!」
「國王陛下もいらっしゃいますよ?」
上からハンマーを振り上げ迫ってくる。
「おっと…」
ドガーン!
「騒な武だな…」
「さあ…ここからが本番です!私のショーをもっと楽しんでいってください!」
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誤字修正
直しました。どこを直したかはわかると思います。
めっちゃ恥ずかしいので笑って許していただければ幸いです…
大好きなんです。あのアニメ…
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