《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》67話 作戦會議

次の日ユウは皆より一足早く起きて城の中を散歩していた。

ほとんど変わってないんだな…。足を運んだのは醫務室だった。

ここで江ノ島と親しくなったんだよな…っ…。この火傷は格別に痛いなぁ。確かこの廊下をまっすぐ行って曲がると…訓練所だ。

訓練所には先客がいた。

そういやメイギスさんにはよく稽古してもらってたな。

訓練所で素振りをしているメイギスさんを見てそんなことを思い出した。するとメイギスさんはこちらに気付いた。

「早いんだな。朝は。」

「メイギスさんに言われたくないですよ。相変わらず特訓ですか?」

「ああ、鍛錬を欠かすとなまっちまうからな。お前もやってくか?」

「いえ、この後行くところがあるので。」

「そうか。まあ頑張れよ。」

「…はい。」

ユウは訓練所を後にした。

ユウはそのあと執事たちの控え室に來ていた。

ここではよくあの人にしごかれてたなぁ…。

まあ長居は無用だ。戻るか…。

「おや?優くんではありませんか。」

「…セバスさん。」

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「朝は早いんですね。」

「…お久しぶりですね。怒ってらっしゃるんですか?殺気がれてますよ?」

「!…これは失禮。」

「大抵の人間では恐らくあなたの殺気には耐えられないと思うので…気を付けた方がいいですよ。」

「…」

「…あの時セバスさんは俺に必ず強くなれると言ってくださいました。守るものがあると強くなれると…」

「確かに言いました。」

「でも分かったんです。守るものよりも…壊したいものがあれば強くなれるって事が。」

「それは…否定しません。」

「確かに守りたいものがあると強くなれる。それは正しいことだと思います。ただその逆もあるんです。あなたと王のおかげで気づくことが出來ました。ありがとうございます。では。」

「…」

ユウは自室へと歩いていった。

「ユウ〜!どこ行ってたの?」

「悪いな。ちょっと散歩してた。」

「起きたらいないんだもん…。私泣きそうだったよ〜。」

「ごめんな。」

ユウはミーシェの頭をわしゃわしゃとでた。

「ふふふ…。言えば私も一緒に行ったのに…。」

「大した用事でもなかったからな。」

「ぶぅ…。それでも一言くらい言ってくれれば…」

「ほんとごめんな?気持ちよさそうに寢てたから悪いと思ってな。」

「今度ロキアで、アイス買ってくれるって約束出來るなら許してあげよう。」

「ああ、約束だ。」

「ならよろしい。ご飯食べに行こ?」

「ああ。」

「皆さん集まりましたね…。では今後のことについて話をしたいと思います。まずは城の防衛ですが、藤山様が戻ってきたことによりミーシェを封印するための魔法が撃てるようになりました。いざと言う時はそれを使います。」

「それまでは?」

「極力私たちの力だけで防衛します。そのためにグループに別れて守ってしいのです。」

「今までのグループですか?」

「それでもいいですし、新しく作り直しても構いません。」

「分かりました。それはこちらで作っておきます。」

「よろしくお願いします。そして明日…7大魔王が到著します。」

「7大魔王…。」

「寶玉の最終防衛と結界をってくださいます。」

「7大魔王がいれば安心だな!」

「そうだね…私たちの仕事無かったりして…。」

クラスメイトがざわつき始めた。

「気を抜いてはダメですよ?前例もありますから。ではこの後話し合いの時間を設けます。その間にグループも作ってしまってください。」

「分かりました。」

「じゃあ今からグループを作るから、何か意見がある人はいるかい?」

「天城、藤山はどうするんだ?」

「…そうだな。」

「俺はあんなやつグループに要らないぞ。」

「俺もだ。」

「私も。」

あれ?なんか俺こんなに嫌われると…傷つくなぁ…。

「大丈夫!優くんは私たちのグループにれるよ!」

「江ノ島さん…。」

「さすがに優しすぎるだろ…。」

「いいよね?小宮くん。」

「え?ああ…藤山がいいならだが…。」

「悪いがパスだ。」

「なんだと?!」

「藤山…。せっかく江ノ島さんがってるんだから…」

「迷かけたくないしな。江ノ島だって要らないだろ?俺みたいな無能は。」

「そ、そんなこと!」

「小宮、グループは何人いればいいんだ?」

「…最低3人だ。」

「なら決まってるようなもんだろ?ミーシャとアイと俺で3人だ。」

「それはダメだ!」

天城が反抗した。

「ミーシャさんは俺たちのグループにる約束だ!」

「…約束したのか?」

「する訳ないじゃん。」

「こう言ってるが?」

「だ、だからといってミーシャさんをお前なんかに任せてはおけない!みんな聞いてくれ!こいつは罪のない人間をなんの躊躇いもなく殺すようなやつだぞ!」

周りがざわつき始めた。

「…めんどくせぇな。」

「そんな奴に城の防衛だって任せていいかも分からない!お前は封印するために協力だけして地下牢にでもって反省すべきだ!」

「隨分と都合のいい話だな。それは。」

「當たり前だ!お前みたいな無能はそれだけやってればいいんだよ!」

「無能は出てけ!」

「そうだそうだ!」

「はぁ…。ん?ミーシャ…?」

「ユウのことを悪くいうのは許せないな…。」

「ミーシャ…。大丈夫。」

ユウはミーシェを軽くでた。

「不本意だがお前らにしだけ力を見せてやる。ミーシャのためだ。」

「あん?偉そうにいいやがって…。殺されたいのか?」

佐藤が突っかかってきた。

「ほお…殺し合いがおみか?」

「…藤山くん!」

「あっちがおみなら葉えてあげなきゃ失禮だろ?…どうする?山田。」

「俺は佐藤だ!」

「…どうでもいいが…。どうする?殺し合い…するか?」

「ふん!てめぇみたいな雑魚にやられるか!」

「そうか…。これで正當になった。…殺していいんだな?」

ユウは殺気を放つ。

「こ、これは…!」

「こんな殺気…。」

クラスの何人かは耐えきれなくなりその場にしゃがみ込んだ。

「どうした?來いよ。殺し合いなんて殺気が渦巻いてるのが當たり前だ。この程度のさっきに耐えきれないでどうする?」

「あ…あ、あ…ああああ!」

佐藤は恐怖で思考が回らなくなり正面から切りかかってきた。

「…じゃあな。」

ユウはナイフで剣を弾き、首元に切りかかる。

「藤山!よせ!」

「優くん!」

ガキン!

「両者そこまでです。」

「…セバスさん!」

「ここで殺し合いのような真似は控えて貰っていいですかな?」

「だとよ。どうする?山田。」

「あ、あう…あ…。」

佐藤はその場に倒れた。

「セバスさん。そいつ醫務室に連れてってもらっていいですか?あと…床汚れましたね。」

佐藤はズボンを濡らし気絶していた。

「…分かりました。」

「で?どうする?」

「…」

「…」

「反論がないなら俺はこのグループでやる。」

「…すごい…。ユウさん…!」

「でしょ?ユウは強いんだから!」

グループも決まり今日は解散となった。

魔王領

???「急事態だ。」

???「なにかあったんですか?」

???「ギリースに向かっていたはずのベルフェゴールとの連絡が途絶えた。」

???「まさか…!例の2人組に?」

???「ベルフェゴールでも勝てないならちょっとは危機もっとほうがいいのかもな。」

???「とにかく、明日にはピルークに行く。このことはくれぐれも他言するなよ?いいな。」

???「そうですね…。こんなことが知れ渡ったらメンツが丸つぶれだ。」

???「本日は解散とする。」

ピルーク王國執事控え室

「やはり強くなったんですね…。優くん。」

そう言いながらセバスはさっきの衝突で刃こぼれした刀を眺めていた。

「我々に協力してくれるはずですが…どうなんでしょうね…。仇なすようでは王様の手を煩わせる訳には行くまい。早々に始末せねば。またあなたと戦えるならこちらとしては大歓迎ですね…。」

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夜にもう1話出します!

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