《腹下したせいで1人異世界転移に遅れてしまったんですが》69話 怠惰

あの時のことは今でも夢に見る。もう50年も前の記憶なのに…。

でも悪いのは全て私。悪いのはあの時あの場所でただあの男に利用されてた私。私がもっと…もっとしっかりしていれば…。

そう、悪いのは全部私なんだ。

「アイ?」

「え?」

「いや、さっきから呼んでるんだが…。」

「あ、いや、ごめんなさい。」

「それで?なんで俺らの正を知ってるのか、手伝いって一何なのか、説明してくれるんだろう?」

「…そうね。…でもまずはミーシェには謝らなくちゃいけない。」

「?…私?」

「…ええ。あの時、あなたのお姉さんが封印された時…私はただルシファーの言葉を信じ利用されてた…。」

「え?何言って…」

「私は確かにあの時あなたのお姉さんに…封印魔法を使ったの。」

「アイちゃんが?なんでアイちゃんが私のお姉ちゃんのことを?」

「全て本當のことを話すわ。あの時のことも。…私の事も。」

「アイちゃんの…こと?」

「ええ。私があなたのお姉さんにあったのは6歳の時。あなたは5歳の時ね。そしてサラ姉さんは12歳だった。」

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「そんな昔に?」

「ええ…」

「私は元々魔族領で、生まれたハーピィ。ミーシェ、あなたと同じ忌み子として生まれたの。それもそうハーピィの象徴である羽がなかったから。敵である人間にしか見えなかったわ。」

「ハーピィの…忌み子?あなたもしかして…。」

「最後まで聞いて?そのまま私は殺されることになったの。でもそんな時助けてくれたのがあなたのお姉さん。そのまま私はミーシェと一緒にサラ姉さんに育てられた。」

「ミーシェ?」

ミーシェは目に涙を浮かべながら聞いていた。

「あなたには昔の記憶はないわ、ミーシェ。サラ姉さんを封印した後アスモデウスがあなたの…私とすごした時間を完全に消し去ったもの。」

「…でも私は…覚えてるよ?楽しかったことも…。」

「…」

「こんな空気の時に申し訳ないが…1人追いついていけてない俺をどうにかしてしい。」

「ごめんね、ユウ。あなたは…ベルちゃん?」

「ベルちゃんって…!」

アイは無言でうなづいた。そしてアイの髪のが変わり青に変わっていった。

「え?ええー…。」

足もハーピィ特有の鳥に近い足となった。

「黙ってて…ごめんなさい。ミーシェ、ユウさん。」

「…どうして?」

「ミーシェ…」

「お姉ちゃん…あなたのことは本當に…本當に信頼してた!リーダーのルシファーよりも…あなたとことを信頼してた!」

「…」

「私だってそう!あなたのこと…もう1人の…お姉ちゃんだと思ってた。そんなあなたがなんで?なんでお姉ちゃんを…!」

「全部話すわ。あの時のこと…全部…」

50年前

魔神領(現在の魔王領)

「ベル、私はし用事があるから、ミーシェのことお願いね?」

「どこ行くの?」

「ちょっと魔族間でいざこざがあってね…。サタンの管轄なんだけど…。」

「あの格だもんね…。…闘になってないといいけど…。」

「そういうこと。ミーシェのこと、頼むわね?」

「はーい。気を付けてね?」

「ええ、行ってくるわ。」

この時のミーシェは不安定だった。思春期ってこともあって…忘れてた過去のことを一度に全て思い出したの。

コンコン…

「ミーシェ?ご飯持ってきたわよ?」

「…」

「…るわよ?」

壁がだらけだったわ。

「…何しに來たの?」

「ご飯よ。」

「…いらない。」

「今日の朝だってそうだったでしょ?サラ姉さんも心配してるわよ?」

「だから…いらないって言ってるだろ!」

「ミーシェ!抑えて!」

その時からミーシェはもう一つの顔を出すようになったの。

でも夜だけは私に懐いてくれてた。

「ふふふ…ベルちゃんってあったかーい…。」

「…そう。それは良かったわ。」

「いつも…ごめんなさい…ベルちゃん。私、もうどうしたらいいか…わかんないよ…。」

「…いいのよ。しずつでいいから。頑張るのよ?」

「…うん。」

なんだかんだで…楽しい日々だった。

「ベルフェゴール様、サラ様が魔王は直ちに集まれと。」

「そう。ありがとう、バトラー。ミーシェのことを頼むわね。」

「はい。」

「みんな集まったわね?」

「はい。今日もしいですね、サラ様?」

「そういうのはいいから…とっとと議題を出してくれる?マモン。」

「そらすんません。議題というのは最近私の管轄がのサイクロプスの様子がおかしいんですわ。」

「様子がおかしい?どんな風に?」

「なんと…目がひとつしかないんです!」

「…そんなことで集めたのなら今すぐ切腹しなさい。今すぐ切腹するなら許してあげなくもないわ。」

「じょ、冗談ですって!」

「…本題は何?」

「ここからは真面目な話です。…実はアーメルに潛していた私の部下との連絡が途絶えました。」

「アーメルの?」

「はい。しかし後に私の元へ録音のアーティファクトが送られてきたのです。送り主は私の部下でした。」

「その録音にはなんて?」

「それには我々魔族を絶やしにする計畫的が録音されていました。恐らく私の部下も…。」

「そんな…。あれだけ私は共存の意思を示したのに…まだダメだと言うの…?」

「アーメルは既にロキア帝國と協定を結んでいます。もしアーメルが攻めてくるとなると…ロキア帝國も參加するでしょう。」

「ロキア帝國の騎士団が來るとなると…領地は最低でも一つは落とされるわね…。」

「如何なさいますか?サラ様。」

「いっそこれも冗談ならありがたいわ…。そうね…。とりあえずそれぞれ警戒網を強めて。ルシファー、アーメルに線を繋いで、至急話し合いをしたいって。」

「はい。」

「領地にいる魔族の安全が最優先よ?もし人間が近づいてもくれぐれも変な気は起こさないようにして。みんなにもそう伝えなさい。」

「はい。」

「みんな、行に移って!」

「はい!」

「大変ね…サラ姉さん。」

「…そうね。まさかアーメルが…。」

「私もできる限りの事はする。だからサラ姉さん、あんまり無理しないでね?」

「分かってるわ。ミーシェの様子はどう?」

「相変わらずってじ。」

「そう…。引き続きミーシェのことはあなたに任せてもいいかしら?」

「うん。でもたまには一緒に寢てあげて?ミーシェも寂しいだろうし。何よりミーシェにとって安らぎになると思うんだ。」

「そうね…。ありがとうベル。」

「うん…。」

その夜ミーシェとサラ姉さんは一緒に寢てた。

「ふふふ…これはサラ姉さんにとっても安らぎになるのかな?」

ミーシェに抱きつかれて寢ているサラ姉さんはとても気持ちよさそうだった。

「私がしっかりしなきゃ…!サラ姉さんには迷かけてばっかりだから。ミーシェのことは私が守ってみせる。…おやすみ。サラ姉さん、ミーシェ。」

「ベルフェゴールよ、し話がある。」

次の日サラ姉さん不在の中私はルシファーに呼び出された。

その時は思ってもみなかった。そこでしたのはしの雑談。

その雑談が…あんな悲劇を生むなんて…。

それでも悪いのは私。あの時の…私の怠惰。

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次の話は過去編です。

明日はワンチャン2話出せたり出せなかったりします。

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