第204話 EXランク冒険者。

「いきなり、取りして、すまなかったな。」

──アルスフィアは數分の間、元の世界に戻れたことやギルマスを久しぶりに見た事に対して涙を流していたが、しすると冷靜を取り戻してそう言った。

「……ところで、我は、どうやってここに？ それと校長は知っているが、そちらの者は一？」

「ウォッホン。……うむ、そうじゃったの。……それではこやつのことも含め、軽く説明しようかね──

〜割〜

──そして、こやつが召喚で呼び出した、というわけじゃ。」

ギルマスが短い説明を終わると同時に、アルスフィアは俺の方へ向き直し、俺に勢いよく頭を下げた。

「ゼロ殿。此度は誠に謝する。ありがとう。」

「あー、うん。まぁ俺的には簡単な依頼だったんでな。そうくならなくていいぞ。あと俺の前のEX冒険者がどのくらいの強さかとかも気になってたし。」

「ぬ……ゼロ殿の前？……つまり、ゼロ殿もEX冒険者であると？」

「あ、そういえばさっきの説明で言ってなかったのぅ。」

話を聞いていた校長がそう口出しする。俺、ギルマス、アルスフィアは同時に校長の方を向いて

「あ、居たんだ。」

「ぬ、居たのか。」

「む、居たのかい。」

「ずっとおったわ！！ ……と言うより、アルスフィア殿はともかく、ゼロとルーマはさっきまで話しておったろうが。」

ルーマ？………あ、そうかっ。ギルマスの本名か。・・・たしか、結構前に調べた気がするけど、すっかり忘れてたわ。

あとアルスフィアとはなかなか気が合いそうだな。うん。

「あ、話戻すけど、ご察しの通り、俺があんたの次になったEXランク冒険者だ。」

「……ふむ。」

アルスフィアは俺のことを上から下、下から上、そして目を合わせる。よくよく見ると、アルスフィアの呼吸のれや瞬き回數、汗が多くなった気がする。

「・・・強いな。強者の雰囲気、力量がみてとれる。」

「そりゃどーも。……あ、そうだ。よかったら後で手合わせ願えるか？ 前任の……というのもおかしいか。一応、現在もEX冒険者だろうしな。ま、そこら辺はいいか。とりあえず、手合わせ願える？」

「・・・ぬぅ。……よし、わかった。我も久しぶりの対人戦。手合わせをけ……たいのは山々……なん……だが。」

アルスフィアは言葉途中にフラフラとなり、まるで意識が途切れたかのように崩れ落ちた。

・・・あー、そうか。なるほどな。そういう事か。

「むうっ！？ きゅ、急に倒れおったぞっ！？ ゼロよ、一何が──」

「落ち著いてくれ、校長。これはただの気絶だ。恐らく、今までの神的な疲れやら何やらが一気に解放されて、気が緩んだんだろう。」

「む？！ そ、そうなのか。」

とりあえず、アルスフィアをここで寢かせたままなのはダメだろう。

「一度、ベッドで寢かせた方がいいだろうな。ギルマス、このギルドに醫務室的なものは？」

「それならこの部屋を出て二つ隣の部屋さね。連れていってもらっていいかい？ それと……あった。この署名書があればれさせてくれるはずさね。」

「了解した。」

俺はアルスフィアを背に乗せる。つまりおんぶだ。・・・男だとなんも嬉しくねー。

ってか、細の男が大柄な男を背負うって他の人からしたら不気味というかおかしいよな。

「んじゃ、行ってくる。この部屋を出て二つ隣、だな。あと今日のところはもうやることはなさそうだから、そのまま帰るぞ。」

「うむ、了解じゃ。アルスフィアのこと、よろしく頼むさね。」

「ああ。」

さて、さっさと終わらせて帰るか。・・・家帰ったら久しぶりにハクたちとゲームでもして遊ぶか。

◇◆◇◆◇

──後日、EXランク冒険者、アルスフィアが帰ってきたことが瞬く間に大陸全土に伝わった。

そのことを聞きつけたありとあらゆる國がアルスフィアを自分達のところに來ないか、と勧が殺到。だが、アルスフィアはそれら全てを斷ったそうだ。

アルスフィア曰く、まだまだここの王都で冒険者生活を続けていくらしい。なんでも、ここで訓練して超えたい相手がいるとかいないとか？

・・・まぁ、その相手はみんなご存知、俺のことなんだけどねぇ。あ、ちなみに、新しいEXランク冒険者俺についてはまだそんなに広まってないらしい。

とは言っても、いるってことはわかってるのに見つけられないことから、幽霊とかお化け、あるいは死神とか々と言われてる。

・・・この中で一番近いのって神に屬する死神なんだよねぇ。まぁ司ってんのは死だけじゃなくて全てなんだけど。

ま、どうでもいいか。

さてさて、それよりも。明日は待ちに待った祭り當日。街も祭り気分やら雰囲気やらで浮かれ気味だ。

俺も気分的にはし浮かれ気味だ。……でも、浮かれてばかりじゃいられない。ちゃんと気を引き締めて………遊びに出かけよう。

・雑談

最近、なんか空を飛べるようになりました。あとある程度なら火を直でれるようになりました。どうもライトですー。