し余裕を持って4の魔を倒す事が出來た。

「ふぅ、何とかなるもんですね。」

「私は魔法職業なんで近接戦には人並み程度のことしか分かりませんがそれでもすごく華麗な戦いだったように見えましたよ。」

「ありがとうございます。しかし、こっちの子はどうしましょうか？」

僕の目線の先には、先程のホワイトキャットの特異個が僕の足に再びしがみついている様子が見える。

他の4のホワイトキャットを倒してもこの特異個に戦闘の意思はなさそうだ。

「その魔が他の魔と違う事についてなんですが、もしかしたらその魔はダンジョンの魔ではないのかもしれません。」

「？どうゆうことですか？」

「前にダンジョンの中にいる魔と外の魔の違いについて以前にアイテムドロップがあるかそれとも死が殘るかの違いがあると言いましたが他にも幾つか違いがあります。

それは魔の行パターンが違うということです。普通の外にいる魔は當然ご飯も食べますし、時に相手が強ければ逃げたりし、魔同士の生存競爭もあります。個それぞれでさまざまなパターンの攻撃をしてきたり、奇襲をしたり等とても理知的に行します。

それに対してダンジョンの魔はパターンがある程度決まっているような行をよくとります。ダンジョンの魔には絶対に敵対しません。そしてそれ以外の者に対しては相手がどんなに強くても必ず攻撃します。そして攻撃のパターンは分かりやすく、ほぼ全てのダンジョンの魔がすぐ近くの敵に攻撃を仕掛けるなど、単調です。

なので私も簡単に魔を討伐できるダンジョンを初めての戦闘の舞臺にえらんだんです。」 

「なるほど、だとするともしかしてダンジョンの魔は基本的に[ティム]で使役獣にすることは出來なかったりするんですか？」

「そうですね。今までダンジョンの魔に対して[ティム]が功したなんてことは、私が知る限りありません。」

このダンジョンで良さそうな魔がいればティムしようと思ってたんだけど殘念だな。

「つまりこの黒貓はダンジョン産の魔ではなく、何らかの理由でダンジョンにり込んでしまった外の魔ではないか？ということですね。それゆえにダンジョンの魔と敵対していたということですか。」

「はい。しかし困りましたね。そんなに怯えて足にしがみついている魔を倒すなんて罪悪をじる行為は私には出來そうもありません。とはいえ放置しようものならダンジョンの魔に倒されてしまうでしょうし。」

「そうですね。僕も幾らなんでもこんなに怯えている魔に攻撃はしたくないですね…………。

そうだ！ちょうど特異個という珍しい個ですしティムして使役獣になってもらいましょう。」

「それは名案ですが、魔をティムするには相手が弱っていて服従の意思が有るときか、相手が一定以上の好意を持っているときに限ります。その子を弱らせるのは可哀想ですし、怯えているのにここから友好的になるのは難しくないですか？」

「まあ、なるようになりますよ。よーし、黒貓話を聞いてくれ。」

黒貓は聞こえているのか、いないのかは分からないがこちらの事を見てくれている。

「僕の使役獣にならないか？ダンジョンを出て僕と一緒に居よう。今ならスライムの友達もいるぞ。ご飯もたっぷりだ。」

「にゃ～ん」

黒貓は悩んだような様子を見せると一聲鳴いて僕の足を舐めている。しかし、名前はどうしようか？綺麗な黒か～。

黒といえばゲームならブラックオニキス辺りが有名だが、あとは黒曜石とかか？黒曜はなんか不味い気がするな。

うーん、オニキスはなんか男っぽいな～。

ニキスがいいかな？

「よし！黒貓おまえの名前は今からニキスだ！ブラックオニキスからとってニキス。綺麗な黒い並みにピッタリの名前だろ。」

それを承諾したのだろうか？僕とニキスの間にパスが通ったようだ。