「本當にご飯味しかったね。最近食べてたのは味が単調で飽きてきてたけどここで味しいものが食べれて良かった。」

あの後、僕達は普通の保存食を食べてから再度エミリア王の所に集合している。

「さて、夜ご飯も食べていただいたことですし次は就寢ですか。寢袋と簡易テントは今から[アイテムボックス]から出すのでそれを使ってください。」

今からは、就寢の時間になる。

因みになぜ時間が分かるかというとメリスタダンジョンでもこの3層の草原エリアは疑似太のようなものがあり、しっかり朝夕晩が分かるのでそれに合わせて食住をしている。

窟系の層以外ではほぼすべての層に疑似太があるようだ。

今は夕方でこの世界では當然電化製品はなく源魔法しかないので明るいうちに睡眠の準備をしているのだ。

「これから先、実際にダンジョンに潛って行くことを想定してパーティー単位で集まって準備・睡眠することとします。」

パーティー単位でってことは……。

いやいや、いくらなんでも相手はの子なんだからそれはダメだよね。

「じゃあ、寢袋とテントを取りに行きましょ。」

エミリア王の前まできた。

「じゃあ、寢袋３つとテント1つお願いします。」

「そ、それはまずいですよ。沙耶さん！」

「だって一緒のテントじゃないと月はテントの中に一人ってことでしょ？いくらなんでもそれは危なすぎじゃない？」

「う！それは確かにそうだけど…………。」

確かにいくら近くにクラスメイト達のテントがあるからといって一人で寢るというのはかなりリスキーな行為だ。

遠くから魔が歩いて來るなら基本的に僕の所に來る前に他のクラスメイトに見つかって戦闘が始まるだろうが、僕のテントの近くで魔が湧く可能がある。

その場合僕は何も抵抗出來ず殺されてしまうだろう。

「ねぇ？夏蓮もそう思うわよね？私達の大切なパーティーリーダーを一人にして危険に曬す訳にいかないよね。」

「え～～！そそそれはそうだけど……。」

「な～に。夏蓮は月と一緒なのが嫌なの？」

「嫌じゃない！！…………けど恥ずかしい。」

ここはやはり辭退しよう。

せっかく一緒に寢れるけど、樹ちゃんも恥ずかしがってるし多の危険もテントを近くに建てさえすれば、リスクを減らせるだろう。

そうと決まれば、

「エミリア王。テントをもう一セットお願いします。」

「あー！勝手に頼んでるし！」

「やっぱり良くないよ。それに近くでテントを建てればそれなりに危険を防げると思うよ？」

「もう！折角月のためにの子二人と一緒に寢れるようにしてあげようと思ったのに……。」

「それが本音か。一なんのためにそんなことをする必要があるって言うんだよ。」

「それはもちろん、月と夏蓮を一緒の部屋にしてその様子を観察しようと。あわよくばそのまま最後まで見てっって、痛い痛い痛い痛い。頭が軋んでる。みしみし言ってるから！」

「さ～～や～～。私ね真剣考えてたの、恥ずかしいけど月君のために頑張らないといけないって思ったり、それでもやっぱり恥ずかしくて、いいよとは言えなくて申し訳なく思ったり…………………。なのに沙耶はそんなことを考えてたなんて………。お仕置きだね♪」

樹ちゃんは沙耶さんの頭を摑んで潰そうとしている。

そして話している最後のところだけ何故か凄い笑顔だけど寒気がした。

「いや～～。助けて～～月～～！」

そうだな。まあ、あくまでもちょっとした悪ふざけだったんだろうしちょっと助けてやるか。

「樹ちゃん！」

「月！助けてくれるの？」

沙耶さんの目が輝きを取り戻した。

「なあに～？月くんまさか邪魔なんてしないよね！ちょっと躾するだけだから安心して。」

樹ちゃんよ目に何故か狂気が宿っているようにみえる。

「…………。なんでもありません。呼び止めてしまってすいません。」

「まさかの敬語！ってそれより私のことを見捨てないで！」

僕が目線を合わさないようにしていると沙耶さんの目が捨てられた犬のような目になってしまった。

「往生際が悪いわよ。ほら観念してこっちに來なさい。」

「いやゃゃ～～～～。」

さて、これで一一件落著か。

テントでも建てて待ってよう。