「ちょっと待ってよ。」

「うん？どうしたんだい月君？もしかして、トラップの危険があるのにスキルもなしで樹さんを探索に連れて行こうというのか？」

「いや、そういうつもりじゃ………………。」

なんとか反論したいがどう言えばいいのか。

「じゃあ、どうするというんだい？もう、トラップ関係のスキルを持った人は皆パーティーに上手く分散しているというのに。」

な！そうだったのか。

元々クラスメイト達には僕は弱くて足手まといと思われてるからパーティーにって貰えるとは思ってなかったけど、これで本格的パーティー増員は難しくなってしまった。

樹ちゃんの方を見てみるが不安そうな顔をしている。 

もし、このまま勇義の言うとおりに行すると恐らく僕らのパーティーは解散することになり、樹ちゃんは勇義のパーティーに、僕と沙耶さんはそれぞれ違うパーティーに分けられることになってしまう。

それは樹ちゃんが可哀想だし、僕も嫌だ。

なにかないのか！

僕は自分のステータスを見ながら解決法はないか考える。

名前:月輝夜

種族:魔人族（[高位遮蔽]人族に偽裝中）

年齢:17才

別:男

職業:妄想師

level.5

HP:520/520

MP:15167/15167

筋力値:217

耐久値:238

魔力値:390

魔耐値:173

敏捷値:390

魔法

火魔法:ファイヤボール・フレア

職業スキル

狀態異常妄想・職業スキル自効果範囲眷族拡張

スキル

掌撃レベル17・蹴撃レベル13・レベル10・索敵レベル9・隠レベル5・掌打・飛び蹴り・旋風腳・二段蹴り・腕緘・け流し・掬い投げ・HP自回復強化レベル5・MP自回復強化レベル6・ティム・高位鑑定（高位遮蔽中）・高位遮蔽（高位遮蔽中）・アイテムボックスレベル2・マナ作・異世界言語翻訳

使役獣

ラズリ（スライム）・ニキス（ホワイトキャット特異種）

稱號

異世界人・モンスターティマー

「！？。」

これなら行けるんじゃないか？

ただ、そのためにはエミリア王の協力が必要不可欠だ。

だが、エミリア王は協力してくれるだろうか？

いや！逆に言えば、デメリットもすくないから斷る理由もないし、むしろ僕に貸しを作れる狀況だ。斷る可能も低いはずだ。

ここは、賭けにでるか。

「お、おい！何処に行くんだ？」

僕は勇義に背を向けて歩きだす。

向かう先にはエミリア王がいる。

「エミリア王、一つ質問があるんですけど。」

「おい！見苦しいぞ。今さら何を聞く必要があるんだ！エミリア王に迷を掛けるなよ。」

勇義の話は無視して、エミリア王を見る

エミリア王と目が合うとこっちを見続けてくる。

僕は目を逸らさずに目を合わせておく。

エミリア王は一度微笑むと答えを返してくれる。

「なんでしょうか？私に分かることであれば答えられますが？」

「パーティーにトラップ系技能の持った人が居ないとパーティーでの探索を許可できないとのことだったですが、他にトラップを見付けられるスキルにるか分からないものが有るんですが。」

「なるほど。たしかにスキルに関しては的にどんなスキルが対象になるか言ってませんでしたね。分かりました。そのスキルについて教えてもらえますか。」

よし、ここまでは狙ってたとおりに話が進んでいる。

あとは、エミリア王がぼくの願いを汲み取って話を合わせてくれたら…………。

「僕の持っているスキルの[索敵]は以前調べた本には効果にという記述が有ったのですがこれでトラップを探知出來るんじゃないかと思うんですが…………。一応今まで見たトラップは事前に探知することができましたし……。」

たしかに[索敵]を鑑定した際に出てくる効果にはと書いてあるが、あくまでレベルに応じて探知することが上手くなるだけで、実際に元々そういった知識のない人間には効果が薄いことも図書館にあった本には書いてあった。

ましてや、トラップ系に限定したスキルではなく、もっと広範囲の種類のを探知出來るスキルのため、[トラップ探知]等に比べると尚更効果が薄い。

なので、流石に[索敵]単でダンジョンのトラップを見切ることは難しいはずだ。

そんな初歩中の初歩の話をエミリア王がしらないはずはないため、普通なら卻下されるだろうけど。

頼む！エミリア王、話を合わせてくれ！

そのためにクラスメイトの誰とも被ってないスキルの[索敵]を選んだんだ。

數秒間の沈黙のあとエミリア王が語りだす。

「そうですね。まあ、スキルレベルによりますかね。月様の[索敵]のレベルはどれくらいでしょうか？」

「レベルは9です。」

「そんな！噓をつくな！自分が足手まといだからといってそんな事を言うと皆のためにならないぞ！」

「幾らなんでも噓なんてつかないさ。このクラスには[鑑定]を持った人がたくさんにいるし、エミリア王だって[高位鑑定]の持ち主じゃないか。そんなすぐバレるような噓はつかないよ。」

しかし、いくら言っても勇義は[鑑定]を持ってないため、信じられないようだ。しかし、そこへエミリア王が答えを下す。

「[高位鑑定]で確認しましたが、月様は[索敵]のレベル9を持っていることが確認できました。レベル9もあれば、ダンジョン探索に問題は無いでしょう。他に誰か[索敵]を持っている方はいますか？」

エミリア王が他のメンバーが持ってないことを知らないはずはないのに白々しく聞いている。本當にありがたい。

勇義は悔しそうにしながら自分のパーティーに戻って行っていった。

そして僕も樹ちゃん達のもとに戻ろうとすると僕の耳元でエミリア王が囁いた。

「貸し1ですよ。この貸しは大きいですから忘れないで下さいね？」

怖いよ！

この貸しは、いつか返さないと。じゃないと、いつか取り立てにきそうだから。