僕の一撃をけた勇義は……。

「あり得ない！僕が負けるなんて！正義は敗れないんだぁ！」 

あれだけ、くらってまだあんなに元気があるのか。

しかし、まだ立って來ないところを見るともう立てないのだろう。

これで僕の勝ちか……。

僕の狀態異常が切れる直前だったから本當にギリギリの勝負立ったな。

だが、勝ちは勝ちだ。

「いいや。僕の勝ちだよ勇義君…………。」

「まだだ！まだ終われない……。」

勇義がまだなにか言っているが聲が段々小さくなっていっている。

僕は背を向けて樹ちゃんの方に歩きだす。

「お疲れ様。信じてたよ月君。ありがとう。」

「お疲れ！まさかあの勇義に勝つなんて！しかも炎の霊とか言う存在の力を借りてたのに勝っちゃうなんて月凄すぎたよ。」

「あはは。まあ、樹ちゃんのためにも頑張ったからかな？」

話をしながら樹ちゃん達の待っている方向に足を進める。

あんまり目立つのは嫌だけど、たまにはこうゆうのもいいかもしれないな。

皆で勝った喜びを分かち合って、尚且つ謝してもらえるってのは嬉しいものだ。

「まだだ………………[気合]。…………炎よ。」

？なにか、誰かの聲が聞こえた気がする。

気のせいか？

一瞬、周りを見回したが、特に変なところはない、勘違いだったんだろう。

もう一度前を見て歩きだそうとすると、目の先にいる樹ちゃんと沙耶さんが慌てているのが見えた。

「後ろ！危ない！」

咄嗟に後ろを振り向くと同時に聲が聞こえた。

「[炎作ファイヤムーブ]。」

目の前に見えるのは大きな火の玉。

後ろには、樹ちゃんがいる、避けるのは無理そうだ。

かといって僕はこの火の玉を防ぐもない。

そのまま僕は茫然としたまま、勇義の炎に包まれた。

そう思ったところで僕の意識はなくなる。

ーーー

「う？！」

「だっ大丈夫！？」

気付いたら目の前には樹ちゃんの顔がある。

周りを見渡してみるとまださっきのところにいるようだ。

試合は…………どうやら僕の負けみたいだな。

「月君！左半の火傷が酷いよ。ねぇ、本當に早く治療しないと。」

自分の左腕を見ると中程度の火傷ってじだな。

正直自分のなのに痛々しくて見てられないと思うほどだ。

「ちょっと替わってください。私が回復させます。[ハイヒール]。」

今、[ハイヒール]を掛けてくれたのは、急いで駆けつけてきたエミリア王だ。

ハイヒールの効果で左半の熱が引いていったじがする。

しかし、ヒール系の魔法は力を回復させる効果と自然治癒効果を高めるだけなので火傷そのものが劇的に治ることはない。

だから自分で狀態異常の[再生]を掛けておこう。

＜[狀態異常妄想]再生レベル1付與＞

これで徐々に治っていくだろう……。